オリンピック代表の4バック

かねてから4バックにしたほうがこのチームにとって、とりわけ家長と水野を活かすためによいのではないかと思っていたが、感心出来ない時間帯もあったもののチームのバランス自体は3バックのときより良かった。
前半は平山の鈍重さもあってうまくプレスがかからないシーンもあったけれども、左サイドバックの本田、右サイドバックに入った細貝ともにアグレッシブなプレイを見せていた。
課題としてはディフェンスの連動がない場面があったこと(香港の攻めのスピード、また正確性が欠けていたこともあって大事には至らず)、また相手が引いている時間帯に打開するような積極性がちょっと足りないことか。
先制点は細貝が開いたところからのクロスに中盤から飛び出した梶山がヘッドで折り返し、李の美しい左足ボレー。その後、追いつかれることを恐れてかゲームの流れは滞るものの、セットプレイの崩れから梶山が気の効いたワンタッチパスで左サイドの本田(圭)へ。落ち着いて中を見た本田(圭)がクロスを上げると中央で待っていた平山のヘッドで前半終了間際に貴重な追加点。3点目は右45度からのFKで本田(圭)、ありえない弾道の直接FK。4点目は中央やや右の水野からバイタルエリアの平山にわたり、平山が落ち着いてパスを出し、左サイドに走りこんだ家長がグラウンダー。水野が難なくゴールに蹴りこんだ。
水本が怪我で帰国したこともあるが、4バックに手応えを得られたゲームであった。

以下個人採点
GK西川6 危ないシーンがなかった。
DF細貝7 ぎこちなさもちょっとあったが責任感のあるプレイ。伊野波と並び、ユーティリティある選手として貴重。
青山(直)6 ヘッドの強さは相変わらず。
伊野波6.5 貫禄充分。ゲーム終盤には細貝とポジションを変え、右サイドバックでも良いプレイ。
本田7 細貝と共に、サイドバックがこれだけゲームに関与すると頼もしい。守備ではやはりまだ危なっかしさもあるが。とんでもないFKはあごが抜けそうになった。
本田(拓)7 攻から守への切り替えが抜群。青山(敏)もいい選手だがこの試合をみると変えがたい。シンプルに両サイドに「早く」散らそうとする意識も○。
梶山6.5 相変わらず、くさびのパスがゆるいことが何回かあるが先制点のアシストとなったヘッドでの折り返しや2点目の起点となった的確なワンタッチパスなど随所に良いプレイ。
家長7 別格。より高いレベルでもがき苦しんで欲しい。オリンピック代表は卒業しても良いのではないか。シュート練習は必須だが。
水野6 ここのところ、ちょっと疲れからか、ペースダウン気味。それでもうまさを何度も出し駄目押しの4点目を決めた。
李7 もっと出来るとは思うが貴重な先制点、また、チャンスメイクもしっかりとしていた。
平山6 2点目のヘッドは良かったし、懐の深さを活かしてキープ&抜け出した場面を何度か作るのは良かったが、プレスやシュートに不満。
菅沼6 持ち味をしっかりと出せたとは言いがたいがしっかりとゲームに絡んだ。
増田6 シュートチャンスを何度か迎えたのは嗅覚か。1点取って欲しかった。
カレン5.5 よく動いたがゲームが決まっていたこともあって、決定的な仕事は出来ず。

本田(圭)のブレ球FKはとにかく凄かった。ゲームを見逃した人はどこかで動画を探して見て欲しい。GKへの同情の念は禁じ難い。俊輔がシドニーオリンピック予選のフィリピン戦だかで決めたFK、阿部がこれまたアテネオリンピック予選で決めたFK以上と言って良い、鳥肌ものの「ザ・キック」であった。

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