『ドミンゴ物語ってほどのもんじゃない』第10回「少年野球 後編」

同級生の中では私が一番最後に入部した。
やはり厳しい練習のため
先に入部した同級生が次々と辞めていく。

6年になった時には同級生は9人になっていた。

そして9人しかいない6年生のなかで
私は唯一の補欠だった。

私は体が小さかった、
一学年下の後輩達と比べても小さい方だった
そしてガリガリで筋力もなかった。

チームにとって まるで戦力にはなってなかった。

でも器用ではあった。
コーチに教えられたことはすぐにできた。
内野なら狙った場所に打ち分けることができたし流打ちもすぐにできた
守備のフォーメーションもすぐ覚えた。

しかし非力なため打球は滅多に外野に飛ばないし
肩も弱く球も遅かった。

それでも私はバカ正直だったので
コーチの
「野球は力じゃない」
って言葉を鵜呑みにして筋力をつけることをしなかった

それは普通に筋力のある人が
力に頼ってバット振り回したりするな
って意味であって

私のようなガリガリな奴はまず人並みに力をつけるべきだった。

筋力が人並みにあれば戦力になれたかもしれない。


野球は下手だったが、ルールは誰より詳しくなった
しかしスコアブックのつけ方は覚えようとしなかった
これができてしまったら
マネージャー扱いになってしまうから。

未だにスコアブックはつけられないし覚える気もない。

下手くそな奴がルールに詳しいもんだから
私の言うことは信じてもらえなかった。
今と違ってインターネットなんかないから証拠を提示することもできず悔しかった。

例えば先輩が
「3打数2安打だから3割2分だ!」
と打率の計算で適当なことを言い出す。
じゃぁ厘は何の数字なのか?(笑)
10打数以上になったら10割超えじゃないか(笑)

そこで私が
安打数を打数で割ることを教えると
「安打の方が打数より少ないのに割るわけねえじゃん!バカじゃねーの!」
とチーム全員に笑い者にされる。

その後、算数の授業でこの計算を習ったときに
野球部員の顔を見てドヤ顔してやったことを覚えている。( ̄▽ ̄)

そんなこんなで
私は秘密兵器として秘密のまま少年野球を終えた。

つづく

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