ファンはオーナーではない。

  • 虎男
    2017年08月01日 08:22 visibility520

北海道日本ハムファイターズの谷本投手が中日ドラゴンズへ金銭でトレードされることになった。私は日本ハムファンではないが、このニュースをネットで見た時に、そのコメント欄に書かれたファンが球団への「恨み節」に近い言葉を叩きつけているのを多く見て「日本人の感情」の「どこへやり切れない思いをぶつけるか」の最終の場所に「球団編成部の決定」に対して「馬鹿野郎!ファンの気持ちも知らないで」と言う事のになるのだろう。これが阪神タイガースであったらと考えてみた。谷本のような中継ぎを探してみると、生え抜きであのような成績を残している投手がいない。しかも、これからまだまだ働ける投手を見つけられない。すなわち投手が育ってないってことだ。それをさておき、日本ハムファンの中ではすごいコメントがあった。「この球団はファンをないがしろにしている。ファンが愛着を持って選手を応援しているのにも関わらず、どんどん編成部は他の球団に叩き売っていく。ダルヴィッシュしかり、糸井しかり、小谷野然り、そして谷本だ。宮西ですらタイガースへのトレードすら噂があった。さらには中田も。こんなやり方していたら、ファンはこのチームは選手にファイターズと言うチームへいつかせないって思うに違いない。印象的だったのは「私は今日でファイターズファンを辞めます。」と言うコメントだ。

 

日本ハムのこのやり方は、私は間違っているとは思えない。なぜなら、プロ野球はビジネスであり、選手は球団にとっては「商品」だからだ。その「商品の価値」が下がる前に売り出す。他球団であれ、メジャーであれ売れる価値のある時に売らなければ、商品価値が下がりつつあるところで売ろうと思っても売れずじまいの在庫になって、あとは引退を促すだけになってしまう。いつまでも、商品価値がずーっと同じわけがない。谷本投手が今後中日でどれだけ化けるのかは知る由もないが、どこかに見切りをつける部分、そして売り出すのであれば金銭であれ、交換トレードであれ売り時を逃さないのが、編成部の仕事だろう。さらに日本ハムのファンは金銭トレードで谷本を出したのは中日と言うチームの中に等価交換できる選手がいないほどのチームから「金だけでも欲しかったのか」と言う気持ちが球団編成部を蔑む気持ちとしてあらわしている。「そんなに、金が欲しかったのか!」と言う言葉が沢山のコメントの中にあった。

 

球団は「ファンのためになることは、チームが強くなり、シーズンゲームだけではなく、ポストシーズンゲームへのステージにあげること、さらには日本シリーズ出場を果たし、日本一を勝ち取ること。」だと思っての編成をしていると言うだろう。そのために、選手個々のデータ、そして健康状態、肉体のチェックなどことこまかに調べ上げている。浪花節のように情を持って選手に接していたら、ビジネスはなりたたない。しかし、球団として、主力を切り売りしてでも勝てるチームを維持していくのは、ある意味怖い部分がある。なぜなら、必ずしも球団のイメージが今後ドラフトで入団して来る学生選手やノンプロの選手たちの頭の中で「この球団は選手を商品として、今後使えないなと思えば若い年齢であっても売り飛ばす球団」と言うイメージが定着してしまうのが怖いことだ。そうすると「この球団で骨をうずめたい」と思う選手はいなくなるだろうし、中田のようにシーズン中に他の球団に行きたいのではないかと言う態度をあからさまに見せるような選手が今後も続くようになるのではと言う懸念だ。私は、大谷を二刀流にしたのも、彼を疲弊させて怪我が多くなるようになれば、体のケアが追いつかない。そうすれば日本ハムのスターでいる時期は短くなるかもしれないが、それなりの宣伝効果は得られる。そして、大谷が1人で3人分の仕事を体だけでなく精神的な部分で背負っていることに、今は若さだけでやっているが、二十台の後半に差し掛かる前にメジャーへ売り出すはずだ。そこが頃合いだと球団は見ているだろう。なぜなら、その頃には大谷のピークは終わっている可能性があるからだ。スポーツは過激な負荷を肉体にかける活動だ。それが人の二倍やることにより、その負荷は二倍では無く四倍にすらなるわけで、精神面で考えれば、さらに倍化する傾向は否めない。こういう日本ハム編成部のやり方はアメリカメジャーリーグであれば、当たり前のことであろう。使えないと思ったら売る。そこにファンの気持ちなど入る余地は一つもない。ファンはオーナーではないのだから。

sell野球

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。