結局、徹底ができないチームが招く「底力の無さ」

  • 虎男
    2017年09月07日 10:27 visibility364

2日間にわたって阪神のこの状況を書くのは、辛いものがある。しかし、あえて書く。チームとは組織である。プロの組織とは「球団のフロントの編成部」が必ずあり、そのフロントがいかに機能しているかが強いチーム作りに影響して来るのは否めない。最初が肝心だと言う事だ。阪神タイガース。「昭和10年12月10日に誕生した老舗のチーム」である。そして巨人の一年後に創立したと言う伝統球団だと世間では思われている。しかし、その伝統球団の最初から今までの歴史を紐解いてみれば「なぜ今の結果」があるのかがわかる。そして、組織を編成した後、どう組織に対しての「基盤づくり」をしてきたかが「栄光の伝統」を作る根本であることがわかることである。阪神は創部された昭和10年からの歴史を書物で見ても、数年前に他界された小林繁氏が掛布現阪神二軍監督に言った「巨人には伝統があるが、阪神には無い。」と直接言った言葉に「編成部のチーム作りと現場のいい加減さ」が浮き彫りにされている。それは、巨人の伝統を見れば一目瞭然だろう。巨人軍がどれだけの栄光に輝いてきたか。そこには、日本一になった回数を見れば他の球団はぐうの音も出ない。しかも、日本最古の球団であり、模範をしめさなければならない球団であったことを自らもそう思っての「組織での精進」を重ねて来た結果だろう。それには、改革や新しい物をいち早く導入してきた経緯があり、そして、それを巨人軍流にアレンジしてチームに根付かせたのは見事である。結果は、説明もいらない。もちろん報道会社が親会社だったからこその「巨人一辺倒観戦番組の全国化」に成功したのは「裏の力」があったからに違いない。しかし、その力だけが今日までの巨人の強さを維持してきたわけじゃあないことを、このダイバーシティ(多様化)の時代に、プロ野球観戦が「選択」しなくてはテレビですら観戦できなくなった現在でも巨人の野球は最低限でもAクラスを標榜できるだけの力を保っていることに驚愕の想いで見ている。そこには「プライド」と「節制」と「切磋琢磨」と「厳しさの継承」「常勝」へのプレッシャーと「全国区」に晒されてきたことの「肉体と精神」の鍛えの蓄積と伝統がゆるぎなくあるからではないか。そしてけた外れの伝説「王、長嶋」の両巨頭に追随するような選手が阪神にいたであろうか?

 

組織編成は、かならず厳しければ覇権を取れると言うものではない。ましてや、長い歴史において継続的に優勝戦線に残れるようなチーム作りをしていくには、編成部のアイデアだけでは成り立たない。現場とのコミュニケーション、そしてチームバランス、将来への構想、チームとしての次期監督作り(二軍監督を昇格させると言う計画実行を私は推進派である)育成部門への投資、海外での選手探し、スカウトの育成、大学野球や社会人野球との連携強化。色々なやり方はあるだろうが、それらがまともに機能している球団は、動じないだろうし、色々な戦略を打ってくる蓄積があるはず。しかし、30年もの長いスパンで「日本一」になれない球団はファンが首をかしげても仕方がないだろう。他の球団がなぜ日本一を獲得しているのかを研究してすらいないと思われても反論すらできないはずだ。

 

昔は阪神タイガースは「呪われているチーム」だと思っていた。しかし、そうではない。久万オーナーと言う「野球はわからん。下の者たちに任せておけばよい。読売にくっついていれば、ご安泰」と言う精神で20年以上もオーナーを続けた人の「チームへの愛情の無さ、ビジネスとしてのチーム作りに総帥である人間が怠ったツケ」が今でも延々とチームに流れている。だからこそ、結果が出ないのだ。阪神タイガースを伝統の球団だと思っている人たちは、関西に住む「地元だから」と言う理由で応援している人たちに多くいるはず。伝統があるのであれば、なぜ球団がファンにもプライドを持たせるようなチーム作りをしてこなかったのか。ここに「天下り体質」の電鉄会社の致命的な構造が「安全に運行できたら良い」と言う精神が脈々と流れ、そして業務も知らない本社から、出向先に降りてきて「仕事も知らないのにいばるのだけは得意技」と言う管理職制度がいまだにあることが「勝てない、勝ちきれない体質」を作っている。伝統なんか長く経営していれば、しらぬ間に出来上がっていく。しかし、栄光はそんな生半可な考えで作り上げられるはずがない。久万オーナーが、自分の所有する球団に愛情を注がなかったことは、完全に天下り体質そのものであり、他人任せの責任逃れをしてきた明らかな結果が「再開定位置」を20年間もやり続けて来た「無責任」であり、それを甘んじて受けて来た「最下位チームファン」にプライドなど植えつけられるわけもない。

 

結果、私が言いたいのは「チームを編成することと育て上げて行くことの両輪の根本には愛情が無ければいけない」って事で、トップに立つ者が覚悟と責任を持って陣頭指揮しなければ、栄光は作れないと言う事だ。組織のトップが20年にわたって蒔いた負の種を刈り取るには相当な時間がかかる。それが、私が生きている間にできるならまだましなのだが・・・・

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