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ヒディンクからの追撃をかわす:イタリア-オーストラリア
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soultrans
2006年06月27日 02:38 visibility58
勢いのあるオーストラリアと、不運にも10人で戦うことになったイタリアが、
幸運にもまさに終了直前のPKを決めて、ヒディンクに、まさに仕事をさせなかった。
前半から、トニ、ジラルディーノが攻め立てたがシュウォーツァーの好セーブで得点を割ることができず、速い展開で持ち込もうとするオーストラリアを、なんとかかわして前半終了。
後半、ジラルディーノを代えてイアクィンタを投入、その直後、マテラッツィが一発レッドで退場(微妙)。ネスタを故障で欠いての代役として先発しただけに、今後のイタリアの守備陣は、やや不安。
ただ、この試合に関しては、広く、早く展開するオーストラリア相手に、その後にFWトニと交代したDFザッカルドと、さらにカンナヴァーロが中心となって、ひたすらオーストラリアの猛攻を防いだ。
正直、10人とは言え、イタリアがボールキープできずにとにかくクリアする、という展開を見ていたら、やっぱり日本にはイタリアほどの守備意識は求められないし、またやっぱりその攻撃は防ぎきれなかったのも、なんとなく頷けた。
その後、後半半ば、延長の気配さえしてきたころに、それまで防戦一方だったイタリアはデルピエロに代えてトッティを投入。それから中央で構えるトッティにボールが集まり、下がり気味だった両サイドもやや攻撃に時間を費やすことができるようになった。
オーストラリアは、ここで初めてヒディンクがアロイージを投入。さらに前がかりの体勢を取り、攻め立てる。ドリブルもシュートも打てるアロイージは、ビドゥカのように待っているタイプではないし、ブレッシアーノや、この試合に出場していなかったキューウェルとも違うタイプのプレーヤーで、得点に対する意識も強い。再びイタリアは防戦。ヒディンクとしては、このまま交代枠2人を残して、延長戦に突入する考えだっただろう。
ところが、わずかなチャンスから前にボールを持っていくことに成功したイタリアは、右サイドでグロッソがゴールライン際で切り込む。一人をかわして、もう一人かわそうとしたときに、DFにつっかかって転倒。主審はすぐにペナルティエリアを指差した。時間はロスタイムももう終わるころ。
かくして、イタリアは薄氷の勝利を手にして、ヒディンクの脅威をかわすことに成功した。
たぶん、延長に入っていたら、いかなイタリアでも、厳しかったかもしれない。まして、交代枠がもう一人もいない状態で、ガットゥーゾやザンブロッタが既にイエローカードをもらっていた状況を考えれば、サイドを広く使う展開から、もう一人くらいイタリアは退場者を出しかねなかった。
ヒディンクもそれを狙っていただろう。そのために、2人枠をあえて使わなかった。
特に今回の延長戦は、シルバーゴールでも、当然ゴールデンゴールでもない、確実に30分はやる延長戦。体力の落ちてきた10人のイタリアを延長戦で叩くというプランは、もしかしたら後半の退場があってすぐに立てたのかもしれない。より確実にイタリアに勝つための延長戦を想定して。
日本戦の時のアグレッシブさを出して、90分間で勝利するよりも、この試合そのものに勝つというこだわりを持ったがゆえの敗戦だったのかもしれない。予選は引き分けがあるが、ある意味、日本もそうだったように、初戦は、絶対勝利の気持ちがあったと思う。逆に負けたとしても、あと2試合ある。一方トーナメント戦では、引き分けはない。だから、より勝つ確実性を考えての温存、そして延長狙いだったような気がするが、それがまさに、試合も終わろうかというところで、イタリアの幸運によって全てのプランは打ち砕かれた。ワンマッチのトーナメント戦ゆえのプランだったが、それもこれも、トッティのPKには届かなかった。
というわけで、オーストラリアの勢いある活躍は幕を閉じた。
ヒディンクは、相当悔しがっているだろうが、
オーストラリアは、このリベンジをきっと4年後に果たすと思う。
アジア枠が少なくなるかもしれないが、多分今のオーストラリアにとっては、まだワールドカップの出場可能性は、これまでよりもはるかに高いはずだ。
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