サイド攻撃
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soultrans
2007年02月23日 02:06 visibility36
いま、世界のサッカーのトレンドは、間違いなくサイド攻撃だ。
サイドバック、サイドハーフ(ふるい?ハーフって)、そしてウイングは、
いまや重要なポジションとなりつつある。
いずれも、SB、SMF、ウイングのいずれか2ポジション(つまり4人)は割く。サイドからの攻撃を防ぎつつ、裏のスペースをカウンターで捉えるための方法、というよりは、パス重視の組織サッカーであれば、自然と開いたスペースを作り、そこからの攻撃を組織的に実行する、となれば、当然サイドは空きやすい、というのが当然の成り行き。また、パスを利用すればもちろんのこと、真ん中をドリブルで突っ込んで止められるよりはサイドをパス交換していく方がはるかに前に出る確率が高い。キラーパスとか出す暇があったら、サイドへ出せ、ファンタジスタよ、という感じだ。
サイドにスペースが開いていれば、そこには、スピードがあり、ドリブルができ、クロスがうまい選手がいるべきだ。そして今挙げた3点のうち、最低2点は要素として欲しい。逆にいうと、この要素を持っている選手は今、サイドへ回されることが多いと思う。そしてそれは、昔でいうファンタジスタに近いかもしれない。
現に、中村俊輔や松井大輔がそうだし(ファンタジスタか、ということよりも、現在の所属チームの選手の中ではスピード、ドリブル、クロスの能力を備えているという意味で)、海外の日本人の多くは、その器用さからサイドプレーヤーとしての役割を果たしている、あるいは求められることが多い。もっといえば、そこで攻撃のボールを得ることができなければ、サイドに人を振るだけ、中盤が空いてしまう、もしくは、サイドが孤立する。
昨日の日本-アメリカ(の後半)がそうだったけど、3トップでその後ろに突破もクロスも上げられる選手を配置しても、中央でコントロールできる選手がいなかったり、同じスペースをMFと前の選手、もしくは後ろの選手とかぶってしまったり、上下動による前後の入れ替わりのようなプレーができなければ、真ん中の空いたスペースに突っ込まれてしまう。昨日のアメリカは決定力がなかったから良かったものの、スピードで一気にドリブルされてゴール前までボールを持っていかれることが多かった。フィジカルのみならず、スピードですら敵わない相手に対しては、組織的な守備も必要。要はそれが走るサッカーなのではないかなぁ、と思う。
サイド攻撃を任される選手は、あほみたいに走り、攻撃をしかけ、失敗したら、また走る。なぜ、サイドバックの選手が攻撃に出られるかを考えたときに、ボールをとられたときのリスクヘッジを考えているからじゃないか、と思う。ただ、こいつはサイドでドリブルで仕掛ける、で周りの選手が何もしないのであれば、絶対にチームとして機能しない。前に出た分、後ろにはこぼれ球やフォローに入ったり、そのスペースにカウンターが入った場合のディレイをするためにフォローする役割が必要だ。それによって、サイド攻撃のリスクを回避し、且つ継続的な攻撃を仕掛けることができるようになるんじゃないかな、と思う。
前線の枚数を増やして攻撃が成立するのなら、FWが5人ぐらいいた昔のシステムをやればいい。守備が成立しての攻撃だからこそ、枚数をかけたときの周りのフォローが重要になり、そうすることで攻撃の時間帯を増やし、前線の選手を活用することができる。サイドの選手が生きるのは、全員が走るからだともいえるかもしれない。新しいトータルフットボールの形といえるし、本当のサッカートレンドは、全員で走るサッカーなのかもしれない。
仮にそうでないとしても、日本の選手は世界的にみても、あまり走らない。こないだのW杯で、比較的ユルユルの動きだったアルゼンチンでさえ、相当走ってた。基礎体力的な部分では、日本人は決して有利じゃないけど、組織的な動きでは、メキシコやアルゼンチンは十分に見習える。3月にやるペルーもそのテのチームといえるし。
サイドを活かせるようになれば、平山や巻、ディドとか長身の選手ももっと有効に使えるような日本になるはず!
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