状況判断の「早い」「遅い」の違いは?


よく、「あの選手は状況判断がいい(早い)」と言っている会話を耳にする事があります。

それは、Jリーグを観戦に行った時でも、子供の試合を見に行った時でも、そういう会話をしている人を見かけます。


では、状況判断を良くするためにはどうするべきでしょうか?

それは、「常に周囲の状況を確認」するため「色々よそ見をする」ことが基本になります。

これの反対は「ボールウォッチャー」と言われる事はご存知だと思います。


ここからは私の個人的意見です。

では、状況判断を良くするためには、それだけで十分でしょうか?

ボールフィーリングの中での、トラップ~キックの一連の流れの中では

 ①自分に向かってくるボールを見て、しっかりトラップ(ストップ)させる

 ②顔を上げて、状況を確認する

 ③再度ボールをしっかり見て、正確にパス、或いはボールを持ち出す


これをB-L-Bと表現します。

B-L-Bとは、「ball → look up → ball」という、目の動きを表現したものです。

ボールを「正確に」扱うテクニックの部分においては、非常に重要なことだと思いますが、状況判断の部分においては、これが足かせになります。


サッカーは常に状況が変化するスポーツです。ほんの一瞬の状況確認を怠っただけで悪い結果が出てしまいます。

そんな中、トラップ、ストップ、キック等のほんの一瞬だけでもボールウォッチャーになるだけで、上記と同じ状況になることが多くあります。


私がそれを気付いたのが学生時代でした。我々の時代は、今のようなJFA公認の指導者資格や、海外クラブの育成システムなどとは無縁でした。ほとんどの仲間が「なぜ上手くいかないんだろう?」という疑問から「自分自身で解決策を見つけ出す」という習慣がありました。

それは監督の指導方針でもあり、また行き詰った時にはさり気なくヒントを貰ったものです。


私が考えて出した結論は「できるだけボールを見ない」と言うことでした。

それはボールから目を逸らすと言う事ではなく、できるだけギリギリの所まで周りを見れる技術を養うと言う事です。


具体的には、トラップとキックの瞬間、及び一連の流れです。

転がってくるボールには、速さ、軌道、方向を確認したらトラップの瞬間は既に顔が上がり周囲を確認できる状態を作ること。浮き球のボールでは、フリーな場合トラップの瞬間わざとボールを浮かし、その瞬間から顔が上がり周囲を確認できる状態を作ること。

そして、キックも味方、相手の動きをキックの瞬間まで追いかけること。

そしてこれを複合させて、トラップの瞬間からキックまで常に顔が上がった状態を作ると言う事を徹底的に反復しました。


練習中も試合中も、最初はミスが多く目立ちましたが、習慣と言うのは恐ろしいものでその内それができるようになります。あとは判断です。

そのプレーをするのか、周りを見ることよりもまずはボールをしっかり見てコントロールするのか、それができるようになると直前でプレーを切り替えることが可能になります。


上記だけを見れば、ボールを見ていないように思えるかもしれませんが、厳密に言えばボールは間接視野で見ています。しかし中心視野はあくまでも周囲の状況確認に使います。


状況判断を早くするには、off the ballの時だけでなく、on the ballの時もどれだけボールから目を逸らし周囲の状況を確認できるかと言う事が大切だと私は思います。


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