俺から見たアトレティコ・マドリード対バルセロナ

第8節、アトレティコ・マドリード対バルセロナです。

 

バルサは4-2-3-1で、ダブルボランチにブスケツとニコ、右SHにフレンキー・デ・ヨング、左SHにガビ、トップ下にコウチーニョ、ワントップにメンフィスを起用しました。

 

アトレティコは3-5-2でスアレスとフェリックスのツートップで臨みました。

 

前半

序盤はアトレティコは前からプレス。ボールへの寄せが早い。一方、バルサも前からプレスをかけるものの連動性が低く、アトレティコが主導権を握ります。

 

8分、右サイドの高い位置でルマールとジョレンテが縦関係のワン・ツー。ルマールは中に持ち出しシュート。枠の右に外れます。

 

16分、アトレティコは左サイドの高い位地で崩しにいきボールロストします。しかし、カラスコがすぐに奪い返し、ドリブルで仕掛けます。DFを引き付け、中のルマールにパス。その間にフェリックスが左からゴールに向かって走りだし、ルマールはダイレクトでフェリックスへパス。フェリックスはトラップからシュートもわずかに枠の右に外れます。

 

22分、エルモーソが左に開いたフェリックスに楔を入れます。慌てて寄せたアラウホに対して、フェリックスは中にトラップしてあっさりかわし、中へドリブルから中央のスアレスにパス。スアレスは左ハーフスペースを駆け上がったルマールにスルーパス。ルマールはテア・シュテーゲンと1対1になりファーサイドへシュート。テア・シュテーゲンの肩口を抜けてゴール。

 

アトレティコが先制します。

 

先制点を奪われたバルサは左サイドでパスを回し打開を図りますが、左のワイドに開いたデストが右足でボールコントロールし、縦に突破できません。メンフィス、デスト、コウチーニョと3人がカットイン狙いでは、打開できません。

 

一方、アトレティコは左であれば、カラスコ、ジョレンテ、フェリックスの3人が縦に突破もできるし、カットインも可能、スペースにも走り込めるとバリエーションは多彩。フレンキー・デ・ヨング(逆はガビ)は中よりにポジションをとるので、相手はミンゲサとアラウホだけ。数的有利を活かします。

 

26分、左からメンフィスがクロス。中央のフレンキー・デ・ヨングの手前でヒメネスがクリア。中央にこぼれたボールをコウチーニョがダイレクトシュート。わずかに枠の左に外れます。

 

27分、左からカラスコがDFを引き付け、中央のフェリックスにパス。その間にスアレスが左ハーフスペースのDFの裏を狙います。フェリックスはダイレクトでスアレスにスルーパス。スアレスはテア・シュテーゲンと1対1になりファーサイドへシュート。枠の左に外れます。

 

先制点とほぼ同じ崩しで決定機を作り出しました。

 

29分、バルサは左サイドでパスを回し、右ハーフスペースのコウチーニョへ展開。コウチーニョはファーサイドへクロス。メンフィスがヘッドで折り返しますが、フレンキー・デ・ヨングは届きません。

 

43分、アトレティコのカウンター。自陣左サイドでボールを奪い、ルマールが左に開いたフェリックスにパスし、左ハーフスペースをインナーラップ。フェリックスはタメてルマールへリターン。中央のピケがボールに寄せようか迷った瞬間にルマールはピケの頭越しのループパス。スアレスがトラップからステップを踏み、左をチラ見し、シュート。ファーサイドに決めます。

 

アトレティコが追加点を奪います。

 

2-0とアトレティコがリードして前半を折り返します。

 

後半

バルサはニコに代えてセルジ・ロベルトを右WGで投入。ガビとフレンキー・デ・ヨングをインサイドハーフ、コウチーニョを左WGにし、4-3-3にシステムチェンジ。

 

アトレティコはデ・パウルに代えてトリッピアーを右WBに配置。ジョレンテをインサイドハーフに置きました。

 

両チーム交代をしましたが、流れは相変わらずアトレティコ。インサイドハーフのルマールとジョレンテがフリーランニングを繰り返し、両サイドで攻撃できるようにします。

 

14分、バルサの右サイドのカウンター。1度は潰されますが、ガビが素早く奪い返しカウンター再開。ガビはDFを引き付け、左ハーフスペースのコウチーニョへラストパス。コウチーニョはオブラクと1対1になり、トラップからニアへシュートもオブラクがキャッチ。

 

あの距離をキャッチするなんて信じられません。

 

20分、アトレティコのカウンター。ハーフウェーラインを越えた辺り左サイドでボールを受けたフェリックスがタメている間にスアレスが中央から左に流れます。フェリックスはその動きに合わせてフィード。スアレスはDF2人を引き付け中央へマイナスのパス。走り込んだフェリックスがダイレクトシュート。テア・シュテーゲンが正面でキャッチ。バルサの中盤はフェリックスの走り込みに全くついていけず、足が止まっていました。

 

30分、メンフィスが左でタメて中央のファティへパス。ファティはボールを後方に流してそのままシュート。オブラクが正面でキャッチ。

 

終始アトレティコが主導権を握り、2-0で勝利しました。

 

気になったプレーヤー

アトレティコ・マドリード

#7ジョアン・フェリックス

動きにキレがあり、ハーフスペース、バイタルエリア、サイドに流れて上手くボールを受けた。全ての得点の起点になる。

 

#9スアレス

1ゴール1アシスト。スアレスの得点は点取り屋のエッセンスがつまったゴールでした。ストライカーを目指す人は必見です。

 

#14マルコス・ジョレンテ

攻守に渡り豊富な運動量で勝利に貢献。

 

#11ルマール

今までドリブラーというイメージだったが、攻守に献身的に動き回る。

 

#13オブラク

コウチーニョのシュートストップは一見の価値あり。思わずテレビの前で『すげー』と言ってしまいました。

 

バルセロナ

#21フレンキー・デ・ヨング

何度もフリーランニングしてボールを引き出そうとするもボールは出てこず。攻撃を何とかしようとする動きが見られました。

 

#2デスト

もう左SBで見たくない。ボールを持つとカットインしようとして奪われる。デストの責任というよりは、監督、コーチの指導不足だと思う。本職の右SBで起用してあげたい。ただ、戦術理解力は低いのかもしれない。

 

総括

アトレティコ・マドリード

シメオネ采配がズバリと決まる。序盤は前からプレスをかけてバルサの出鼻をくじき、先制点を奪ったらカウンターへ移行。それ以上に、バイタルエリアやハーフスペースの使い方が見事。バルサの中盤と最終ラインが間延びすることを熟知し、ジョアン・フェリックスに中間ポジションを取らせてボールを引き出し、WBとCHを含めた3人で崩しにかかります。仕上げは最前線のスアレス。先制点と27分のチャンスの作り方が同じなのは偶然ではなく、戦術的な決まり事だと思います。今季のアトレティコ、ハマれば相当強そうです。

 

バルセロナ

完敗、なす術なし。唯一フレンキー・デ・ヨングがフリーランニングで状況を打開しようとしていたことだけがプラスポイント。左サイドはメンフィス、デスト、コウチーニョが同じような位置からカットインを狙うという戦術的な欠陥を抱えていた。得意なプレーが重なる場合はポジションごとのタスクを明確(SBは幅をとるためにサイドラインで開いて受けて縦に突破を図る。ダメな場合はスタートポジションを下げてスペースを空けて飛び込む、トップ下はサイドには流れずゴール前に飛び込む等)にするか、別のメンバーを使えば解決すると考えられる。それをしない監督、コーチ陣の責任は重い。ラポルタ会長がクーマン監督の続投を明言しましたが、違約金を払えないことが原因かもしれません。ただ、バルサらしいサッカーをせずにファンが離れていくことを考えたら、上手くいくかは保証できませんが、思い切って監督交代をしたほうがいい。同じ負けるにしてももっとワクワクするバルサのサッカーを見たい。

 

最後にペドリが怪我で再離脱。

しっかり治して復帰してほしい。怪我が常習化すると厄介だし、それだけは避けたい。

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