細かなプレーの積み重ね
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HiRO
2007年04月28日 13:37 visibility72
開幕から調子が上がらなかった大エース和巳が登録抹消。
肩に力が入らない、という。特に肩に傷や炎症はなく、筋疲労の蓄積だろうとのこと。
こういうときこそ、他の投手陣の奮起を期待したい。
この日の先発渚は、前回登板に比べればスライダーもキレている。初回、1死から栗山に2ベースを打たれるも、中島、カブレラを外へのスライダーで連続三振。
打線は、Lions先発の岸を初回に攻める。
大村、本多が連続安打で無死1、2塁。続く多村は、2-3から粘り、外よりやや甘めのスライダーを左中間へ。これがタイムリー2ベースとなり、1点を先制。本多が初めからその気で走ってれば、本多も生還できたろうに。見えない走塁ミス。
多村は、2塁ベース上で悔しがる。ちょっとバットの先っぽだった。芯を食ってりゃスタンドに入ったろう。
このあと、信彦は敬遠気味の四球で満塁。一気に攻めきりたいところだったが、ここから大きく縦に割れるカーブを使い出すLionsバッテリー。そのカーブを打たされて、小久保が投ゴロ、柴原がセカンドゴロで併殺、満塁のチャンスを活かせない。
立ち上がり、全体に制球が甘かった岸に、大きなカーブで緩急をつけさせ、タイミングをずらして打ちとる。ここが、Lions捕手陣の優れたところ。Hawks捕手陣は見習って欲しいもの。
初回に1点を先制したものの、これで岸を完璧に立ち直らせ、Hawks打線は手も足もでなくなる。キレのある真っ直ぐとスライダー、大きな縦カーブで、2回以降、なんと7回までの6イニングを僅か1安打。
一方、ストレートも150Km/h台と快調に投げていた渚だが、4回から雲行きが怪しくなる...
先頭栗山に内野安打を許すも、2死をとり、和田の打席で大暴投。明らかにスライダーがすっぽ抜けて和田の頭上を越えていく。これが、この打席2度もあっ て、栗山は労せず3塁へ。結局、和田も四球となって、2死1、3塁。ミスでランナーを3塁まで進めてしまう嫌な流れだが、続くリーファーをスライダーで三 振にとりなんとか1点を守る。
Hawks打線が初回の1点以降、ほぼ完璧に抑え込まれ、1点が重くなってきた7回。
1死からリーファーを歩かせる。4回のピンチの場面、スライダーに全く合っていなかったリーファー。スライダーさえ投げてれば、少々甘めに入っても打たれ る感じが内のだが、何故か真っ直ぐで押して四球。G.G.佐藤には、三遊間を抜かれ1死1、2塁。細川には1-3とカウントを悪くし、外への真っ直ぐをラ イト前へ。リーファーの代走、柴田が本塁へ突っ込む。ライト柴原から好返球。クロススプレーになる。ぶろっくする田上。タイミングはアウト。だが、アンパ イアの手が横に拡がる。
リプレイでも、田上の足がしっかりとブロックしており、柴田はベースにタッチできていないように見えたが...
同点。
なおも、1死1、3塁で迎えた代打大島の初球。ホームベースの遙か手前に叩きつけられた投球が、田上の脇を抜けファールグランドに転々と転がり、3塁ランナーが悠々生還。渚はこの日3つめの暴投。最悪な勝ち越し点の獲られ方。
ここで渚は降板。篠原へスイッチ。
1点リードを許して8回表。1死から中島にヒット。マウンドには柳瀬。カブレラの打席で中島は2盗を決める。カブレラの打球は3塁へ大きなバウンド。待ってとろうとした小久保の手前でややイレギュラーしたか、小久保が弾いてしまう。
が、2塁ランナーは3進できず、1、2塁。
和田をレフトフライに打ちとり、2死となって柴田の打球が1、2塁間を抜ける。3塁を蹴る2塁ランナー中島。またしても柴原から好返球。クロスプレー。中島がタックル。タッチアウト!
柴原の好返球に、田上のガッツ溢れるブロッキング。
この回、小久保の3塁ゴロのファンブルで中島が3塁へ進んでいたら、確実に1点を追加されていた。おそらく中島は3塁への凡ゴロとみて、打球から目 を切ってしまったのだろう。ここで、隙あらば進塁する積もりでいたなら確実に3進できたはず。記録には残らない痛恨の走塁ミス。
8回裏、その好ブロックを魅せた田上からという打順。が、ここで代打アダム。
ベンチでは王さんが田上の背中に両手をポンと置いて労をねぎらっている。
良いプレーの後だけにそのまま打席に立たせたほうが良いのに...
が、この王采配が的中!
アダムが初球のスライダーをレフトスタンドへ!2号同点ソロ!
9回。Lionsは同点ながら守護神小野寺をマウンドへ。
Hawksは多村からという好打順。その真っ直ぐを多村がセンター前へ。その打球を守備固めのセンター福地が後ろに逸らし、多村は2塁へ。
1塁が空いているため、信彦は当然のように敬遠。福岡ドームは大ブーイング。
無死1、2塁で、小久保にはひたすらフォークを連投、そのフォークを空振りし、2-2からの高めのストレートを右へ。浅いライトフライ。が、2塁ランナー多村は果敢にタッチアップ、3塁を陥れる。多村の好走塁!
王監督が次打者柴原の肩を抱いて何やら耳打ちするも、Lionsベンチは柴原を敬遠し塁を埋める。またもや激しい大ブーイング。
1死満塁として、ブキャナン。このところ外角への変化球に苦しめられている。
1球目。低めのフォークを空振り。ベンチで王さんが「低めは振るな!捨てろ!」とばかりに血相を変えて怒っている。
2球目。またもフォーク。これを叩きつける。高く跳ねた打球がなかなか落ちて来ない。ショート中島のグラブにおさまろうかという頃には、多村が本塁を駆け抜けていた。
劇的なサヨナラ内野安打!
1点を争う息詰まる勝負。
互いに記録につかないミスも出たなか、Hawksは、好返球あり、好ブロックあり、好走塁あり、といったチーム一丸のプレーを積み重ねてもぎ取った。
Lionsからすれば、終盤競った展開での中島の走塁ミスや、やらずもがなの3進を許すなど、悔いの残る展開か。
Hawksにとっては、涌井、岸からの対Lions戦2連勝は大きい。
あの寒い仙台でのEagles戦3連敗から、一時は借金生活に突入するも、これで5連勝。Marines、Lionsとゲーム差無し。
勝ちは柳瀬についたが、渚はこのゲームで既に今季11暴投。既に昨季の10暴投を越えている。勝負所での暴投による失点なんぞ、守っていても一番嫌になるもの。リリースが安定していないなら安定させる努力をすべし!
ホントに、ま、このコは持って生まれた天賦の才だけで投げとるね......和巳の何分の一かでも努力してくれりゃ、凄まじい投手になるのにね、勿体ない。
しっかり頼むよ、渚!
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- 事務局に通報しました。
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