真のエースの仁王立ち

  • HiRO
    2006年08月06日 18:39 visibility120
Hawks 1 - 0 Marines

前回の和巳の登板時にも指摘したが、ここ最近の和巳は決して良くない。
そして、この日は今季最悪ともいっても過言ではないくらいの調子だった。


3回まで毎回先頭打者に出塁を許す、およそ和巳らしからぬ投球。それでも、何とか無得点の凌ぐと、3回まで俊介の前に無安打の打線が、4回、ズレータのタイムリーで虎の子の1点を奪う。

その1点リードを保ったまま9回へ。

9回、先頭里崎にヒットを許し、続く今江には四球。青野が送って、1死2、3塁の、一打逆転サヨナラ、絶体絶命のピンチ。

この場面、斉藤和巳でなかったなら、ベンチは間違いなく動く場面。

だが、どんなに調子が悪くとも、その信頼感たるやHawks投手陣にあっても別格。和巳で負けたなら仕方がない。そう思わせるだけの信頼とそれに応える気持ちの強さとが和巳にはある。

打たせまいというオーラを強烈に発しながらマウンド上に仁王立ちする斉藤和巳。打者を攻めんとする気がマウンド上を包んでいる。

大塚をストレート2つで追い込み、フォークで空振り三振。
辻をストレートとフォークで追い込み、最期はワンバンしようかという高さのフォーク。空振り三振。
その瞬間、マウンドに駆け出す的場。和巳はマウンド上で腰を折って下を向いて吼える。
死力を尽くして打者を討ち取った、という感じだ。
辻がバットを本塁に叩きつけ折れたバットが本塁上に放置される中、マウンド上で抱き合うナイン達。

結局、和巳は今季一番の調子の悪さで1点を守りきり、完封してしまうのだから恐れ入る。そして、和巳の精神力の強さを信じしきって、9回のピンチにも全く動じないベンチの信頼。

この1勝で今季Marinesに11勝目。昨季は10勝10敗のタイだったが、今季の早々の勝ち越しも決定。そして、単独首位に浮上。

前回のゲームといい、この日のゲームといい、斉藤和巳の真のエースたる姿をまざまざと魅せつけられたゲームだった。
その和巳が言い切る。
「僕らが目指すところは初めから1つ。それに向けて全力で頑張るだけ。」

残り37試合。全力で戦い抜いて、最期に頂きへ立つ。そのエースの意志の強さとナイン達の気迫を信じよう。

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