ニバンダシャという偶像
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DIME
2010年06月09日 22:18 visibility398
これまで何度か触れていた「ニバン」の話題について。
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由 伸、プロ初2番で一発!
巨人7x─6日本ハム(4日・東京ドーム) 歓声とどよめきが交錯した。聞き慣れない「2番、高橋」の場内コールに、東京ドームは不思議な空気に包 まれた。が、打席に入った由伸の表情はいつもと変わらず冷静だった。緩い球に対し、タイミングを崩されることなく、鋭く振り抜いた。初の2番、その初打席 で、鮮やかなアーチを描いた。
1点を先取された直後の貴重な同点弾だった。初回1死。カウント1―2から、真ん中低めへの116キロを右翼席中段に運んだ。「カーブに体がうま く止まって良いスイングが出来ました。打った感触が良かったので入るかなと思ったよ」と、5号ソロを振り返った。
「(経験のない打順は)あとは9番くらいかな。でも打順はあまり意識していないので、自分のバッティングをしていくよ」。試合後は冷静だったが、 プロ13年間で最も多かったのは3番で401試合。次に5番が310試合、6番が204試合、1番が154試合と続くが、2番は一度も縁がなかった。振り 返れば、3月26日の開幕戦で入った8番もプロ初だったが「何番だって関係ない。逆に気楽に打てるくらいだよ」と笑っていた。どこを任されても、自分のス タイルを変えることはない。頭の中にあるのは、結果を出すことだけだ。
誰もが驚いた高橋の起用について、原監督は意図を説明した。「(最近)2番の出塁率が悪すぎたので、出塁率の良い選手を入れたという選択です。相 手も重圧がかかって戦っているように僕には見えた」。今季6人目の2番打者がいきなり結果を出し、満足げだった。実績があり、選球眼が良く、長打も打て る。「最恐」の2番が誕生した。
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日 本における「二番打者」感というのは、意味の無いものだろうということはこれまでも触れてきたとおりです。
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打順の話
http://baseballsns.jp/member/437/diary/95023/
去 年にしても、鈴木が一番に定着した後に、ずっと言われ続けていたのが、「ステレオタイプな二番像」の追求。小技が出来る選手を必要以上に礼賛して、そうい う選手を推そうとする周りの雰囲気、辟易していました。
俗に言う二番の概念なり四番の概念なり、正直言えば馬鹿らしい。ってのが私の考えです。
打 順にあった打撃とかいらず、各打者は各々最善をしてくれたら良いだけで、一番らしくとか二番らしくとかを優先するあまり打撃結果が極大にならない方がバカ げてます。
二番目の打者にしかすぎない打者に「ニバンダシャ」なんてものを求める必要は無いんですよ。打者はただ打者です。
で、 原監督は見ていると、そういう「打順なりの打撃」という既成概念に対してネガティブであるという意味で、意外とセイバーメトリクスとかでの見立てとズレな い監督だと感じてます。
今回の件も含めて打順に関して、既成概念の否定という原監督の意図を一貫して感じています。
由伸の一番、 これは「一番」的概念の否定と解釈できます。で、中島の二番、これは「二番」的概念の否定です。
打順に関わらず、自分の最善の打撃をしてくれる打 者をそういう既成概念のうるさい場所に置いて、結果で黙らせる。
一番らしくなくても二番らしくなくても、打てていたらいいんですよ。
それ を真っ直ぐに打順の既成概念とはぶつからずに(新しい○番像を目指すとかは言いません)うまく目を逸らしながら既成概念とは合わない選手を持ち込んできま す。
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打 順の重要性
http://baseballsns.jp/member/437/diary/38639/
日本ではそ ういう「常識」へのとらわれは非常に大きいと思います、具体的に言えば「ニバン」だとか「ヨバン」だとかにもたれているイメージのことです。
だか ら他と比べてそこから得られる益は大きなものであるはずなのですが、それを差し引いてもまだ労のほうが多すぎるでしょう。
近年でそういう「常識」 を脱出する打線といえるのは、2006年のヤクルト打線です、2番リグス。た だそれを形成したヤクルトに関してもその脱出方法は外国人起用だったわけで、意識改革などをうまく回避したという解釈も出来ます。
去年の巨人にし てもそういう打線にして置けばよかったのに、ムダに谷に小技を求めていたりしていてやっぱり「文化」を脱出し切れなかった。まぁデメリットを避けるために あえて脱出しなかったと好意的解釈もできますが。
逆にそれを日本人でやろうとした広島・ブラウン監 督は失敗したわけです。2006年シーズン当初、彼は打線を大きく入れ替えましたが結局は元に戻しました。その肝が2番・前田だったのですが。
ちょっ と処分しちゃったので手元に無いのですが、一昨年の5月ごろの週ベで、ブラウン監督が「日本には文化として打順の居心地やこだわりがあるのかもしれない」 というような発言をしていた気がします。その発言に迫るような記事ではなかったので読み飛ばしやすいですが(確か打線特集か何かだったはずです)昔のを残 している方は読んでみてください、暇があれば私の方でも確認しておきます。
前田はブラウン監督が2番に置こうとした時、日本野球界全体にある「ニ バン」の偶像から逃れ得なかった。ブラウン監督は彼に「ニバン」たる役割を求めたわけではないはずです、彼に「前田」足ることを求め、その「前田」に“二 番目”におく価値を見出していたはずです、そこのコンセンサスをチームとして取れなかったのは広島が反省すべきところだろうと思います。
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いい加減、二番に据えた=その打者なら小技とか小細工とか「細かな野球」とやらができると監督は見込んでいる
というステレオタイプな決め付 けをやめるべきだと思うんですがね。
二番目にいる打者なんですから、純粋に得点生産能力に期待できる打者を置く、それだけですよ。
特 に現状では(直近は少し違う可能性もありますが)、坂本勇人、小笠原道大、阿部慎之助がXRやRCで大きくプラスになっていますので、この3人の「間」が 重要です。
長打率の高い打者の前には出塁率の高い打者を置く、ただそれだけであって、「長打率の高い打者の前」が偶然にも打順で言えば前から二番 目だっただけ。
そこにストーリーは何も無いし、何もいらない。
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- 事務局に通報しました。
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