独走があるとすれば(ヤクルト3連戦の感想)
-
DIME
2009年04月24日 09:13 visibility150
こうも運の良い状況が続くと、勘違いしてしまうものだと思います。「勝負強さ」なんてものの存在を。
そういえば、前回は見たことありませんって書きましたけど、客観的ではないですがひとつ可能性としては存在しうるものがあるのを忘れてました、それに関しては後述。
さて、今年は巨人が独走してることで、やれセ・リーグが面白くないだの野球が面白くないだのいう声が散見されますけど、そういうのって「巨人が」独走してるときにしか出てこないんだから、底が知れてますよねえ。相手が巨人だから、言っていいと思っているだけ。
去年は当初中日が付いていってましたけど、中日も追いつかれて阪神が独走態勢になったら「面白くない」ってちゃんと言っていたんですかね、今面白くないといっている人は。そういうブレの無い人だけは傾聴に値するかと思いますけど。
私は今年の巨人が、「勝つこと」に対して例年と比べて積極的だったとは思いません。トレードって言うのは基本的にプラマイゼロの活動で、「強化」ではなくて「調整」、バランスを整えることです。
そもそも、M・中村もアルフォンゾも現時点ではほとんど戦果を挙げていませんし。
そういう意味じゃ、今の巨人って、去年のオフシーズン時点で「これぐらいのものだ」って誰もがわかってるぐらいの結果しか出してないわけですよね。
だったらなんで他球団は対処してないんですか?
これは本当はシーズン前に書いとくべきことだったんですが、私は今年のシーズンに関しては巨人は優勝できないと思っていました。ところが春になって見ると、おかしいんですよ、あてが外れた。
まず、なぜ優勝できないと思っていたかというと、戦力的な上積みがほとんど無かったからです。基本的に優勝できなかったチームは、優勝したチームを基準としてそれを上回れば優勝できると考えてチームを組んでくるわけですから、優勝したときに「こそ」強化しないと、普通は勝てない。だから今年は優勝できない。
そして、巨人は足踏みどころか、若手を使わなきゃいけないって言う制約によって意識的に弱体化してるのに、春になって他球団見回してみたら、それで足りるの?って失礼ですけど思わざるを得なかった。これは他球団の追いかけが足りてないかもしれない、傲慢な見方ですけどね、おっかしいなぁと。
だから、いま、巨人が独走していて、このまま独走優勝するのだとすれば、私に言わせればどう考えても他球団が悪い。他球団がこの状況を看過した、プロとしてするべきことを怠った。
独走が面白くないのだとすれば、それを事前に予想できるにもかかわらず、プロとして、興行として、予測できる「面白くない興行活動」を防ぐ努力を見せなかった存在が悪い。
それとも、結果のわかってる真剣勝負よりも左手でのちゃんばらごっこを見るほうがよっぽど楽しいんだぞって思ってる人のほうが多いんですかね、だとしたら私とは根本的にスポーツに対する感覚が違うんでしょう。
8割の力で勝ってるフェデラーやウッズ見ても何の面白みも無いですよ。本気を出した結果として、1ゲームも落とさなかったり、10アンダー以上差をつけたりして勝ってる彼らを見るほうがよっぽど面白い。結果は見えていても、それはスポーツです。結果が混沌としていても、手抜きはスポーツじゃない、八百長。
ガチでなくても面白いものってのも確かにあるとは思いますけど。少なくとも、大きな戦力差があっても勝敗のひっくり返りやすい野球っていうスポーツは、予測不確実性での大きなアドバンテージがありますからもっともガチでやって面白いスポーツだと私は思ってます。
まぁもちろん、やろうと思っても出来なかった、って可能性も十分にあるのはわかりますよ。
いつもいっているとおり、ドラフトと保留権という馬鹿げた制約によって、チームの強化には限界がありますから。それらの社会主義的な制度の悪制の部分は、「他より努力することが認められない」事なんですから。
やろうと思っても巨人の戦力には追いつけるはずも無いじゃないか、っていう意見には「できないはずがないだろ」だなんて返しはしません、一定以上の差がついてしまうと少なくともたった一年ではできないはず。でも「できないのはしょうがないんじゃなくて、できない制度にしてるのが悪い」。
逆に言えば、巨人だって同じ足かせの中で動いてるんですよ。今巨人と大きな差があるとすれば、足かせがある中で差をつける努力をしてきた球団と、差をつける努力をして来なかった球団、その間の数年分の努力の差です。
でも私は、数年間の差があるんだから、それを1年で埋められるような制度じゃあ、不公平じゃないかだなんては思わないんですよねえ。3年で30の努力をしようが、1年で30の努力を使用が、30は30です、そうでしょう?
私はそれを等しく評価できるほうが面白いと思っています。でも今のプロ野球の制度では、「一年間でがんばれる努力はどんなに手を尽くしても10までです」って事になってる、だから面白みが失われてしまう。
だから面白みが失われないように、どの球団にも「10が限界点なら毎年8は頑張ろうや」って気概が必要になる。面白くあるためにはね、維持するためだけには必要ない、これが社会主義の問題点。
それぞれのチームが、強化に対して真摯であり貪欲であると、チーム格差が無くて、混沌としたリーグ戦が生まれる。
ところが、それぞれのチームが、強化に対してなあなあであり、談合で同じぐらいのの手抜きをしても、チーム格差が無くて、混沌としたリーグ戦が生まれる。
パッと見は区別が付かないです。でも長期的に見れば絶対にわかります、違ってきます。ソビエト社会主義共和国連邦は崩壊しました。
貪欲でないチームを生み出している元凶はドラフトをはじめとした社会主義的悪制です。これがあるから貪欲に努力をしなくても、「ある程度」の結果は入ってきてしまって、「おいしい地位」から弾き飛ばされることが無い、だったら最小限の努力で最大限の益を得ようとする、人間はそうしちゃうよってのは歴史的事実だと思うんですが。
社会主義がなぜうまくいかなかったのかって義務教育で習わないんですかね、今の学校は現代史しないからなぁ。歴史は現代史から始めるべきなのに。
ドラフトをはじめとした変な制約が無ければ、今年はあの球団と30ぐらい差がついちゃってるから、例年よりコストはかかるけど、40ぐらいの強化はしなければいけないな、って事ができるんですよ。
そういう努力をする球団が残っていって、努力の出来ない球団が淘汰されていく。私はそれが自然なスポーツの姿だと思いますけど。個人競技で考えれば当たり前じゃないですか。
-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------
そもそも、「面白くない」とか言ってる人。面白くない野球は当然見ていませんよね。
結果の見えていて面白くも無いペナントレースなんて見る価値も無いから、試合になんか興味もわかず、中継なんて見向きもしないしスポーツニュースなんてわざわざチャンネル追いかけもしないですよね。
本当に面白くないならね。
見てるんじゃないんですか、面白くない、だなんていいながら。
面白いんですよ。自分のひいきの球団が下位に低迷してようが、自分のひいきじゃない球団が独走してようが、優勝が程遠かろうが。
優勝の可能性だけが唯一絶対の、「スポーツを見たいと思う理由」じゃないんです。
基本的にそれにしか興味の無い私が言うのはおかしいようですが、スポーツってのは優勝にしか、客をひきつけるものが無いわけじゃない。
もしそうだとすれば、
選手の能力に格差のある個人競技は本質的に面白さを欠くことになってしまう。
戦力均衡施策をとっていなくて、特定の球団にしか優勝可能性の無いプロスポーツリーグは、特にそれ以外の球団には客が寄り付かなくなってしまう。
はずなんですよ。
でもそうじゃないんだなぁ、現実は。ファンは「優勝する」以外にも何かを見出すし、その何かを提供できる球団は客を呼べる。地域のアイデンティティとの同一化とかね。
巨人が独走している時点で、どんだけいい試合をしようとも、自分のひいきの投手が好投しようとも、ひいきの選手がホームランを打っても、大逆転勝利をしても、快勝しても、な〜んにも面白くないから見向きもしなくなる。
そんな人ばかりだったとしてはじめて、優勝不確実性を高めないと、スポーツリーグっていうのは面白くないし、客はついてくれないというロジックが成立する。
優勝不確実性を高めることがスポーツリーグの発展に必須だと勘違いしてる人。あなたはもう見るのをやめましたね?見ていても目先のひいき球団の勝利なんてうれしくもなんとも無いですね?
目を覚ましなよ。非論理的で発展に繋がるかどうか疑問の残る施策にしがみついていられるような、楽な時代は終わったの。
もっと真面目にプロ野球を考えないと、我々は孫の世代にプロ野球を残せない。
-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------
結局試合見てないって事ですよね、私。試合見ながらも、試合そのものを見てない。どうせ書く前からこうなることはわかってたんです。
あぁ、そうそう、9割方、独走は無いですよ。今年の戦力じゃどうあがいても独走するような域には届いてません。
- favorite19 chat2 visibility150
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件