中井大介の感想

  • DIME
    2009年02月25日 00:55 visibility137

書かなきゃなぁと思っていたんですよね、中井と木村にあと東野も。今日はひとまず中井大介。

中井は、秋の感想書いてなかったんですよね。ちょっと今更ですけど。
試合前のフリーバッティングみた時には一目で気に入りました。サイズは大きくはないはずですが非常に大きい。印象として非常に大きさを感じられるバッティングをしています。
ドラフトがしばらく投手偏重でしたからこんな印象を得る素材が巨人に入ったのは本当に久しぶりで、中軸に据えてみるのも良くわかります。
フリーバッティングではびっくりするぐらい打ち損じが少なく、打球もライナー性の比率が高い。フリーバッティングだけで言えば、普通2軍じゃあ見れない水準ですね。
ただ問題は試合の方で感じました。バットに当たらない。当てる技術が足りないって言うよりも、当たらないであろう球を見送る技術が足りないのかな、と思います。
例えばフリーバッティングのようにある程度球が集まる前提なら打てても、試合ではそうはいかないだろうな、私にはそう見えました。
秋の段階からもしかしたら化けているかもしれません。でも多分これはそんなに簡単に解決するとは思わない。
こういう打者は実際のところ2軍では見かけます。私の個人的経験ではこれは時間のかかるタイプの欠点だと思います。
2軍をみていて1軍との差違を感じるポイントの1つに、明らかな「穴」のある打者に対してどこまでそこを徹底的に突くか、って点があります。
2軍は育成という目的がありますから、例えば投手の側の育成という観点からすれば、極端に直球にだけ強い打者とわかっていても直球ばかりが来る、なんてことも普通にあります。もちろん単純に失投も多い。
結果として、1軍と2軍では「打てる球」の比率に極端に差違が出る、という印象を私は持っています。
だから「打てる球だけは打てる」で2軍レベルならある程度数字は出ます。でも1軍じゃあそうはいかないでしょう、1軍と2軍では「打てる球」の割合が全然違いますから。2軍の帝王系が1軍で打てない要因の1つです。
打てない球があまりに多すぎるようじゃダメで、そして秋の彼はまだ明らかに多すぎる。
打てない球の種類をもっと減らさないといけない。打てない球とは、打つことのできない球、だけではなくて、振ったとしても失敗になる可能性が高いにも関わらず振ってしまう球、もです。中井はどちらかというと後者に問題がある。

多分、これからオープン戦で使われるでしょう。そこではスッゴいいい打球を飛ばせるかもしれません、っていうか既に去年の時点でその部分は充分備わっている可能性が高い。フレッシュASとかもそうであったんじゃないのかな、基本的に打てる球の多い機会ですから。
だからそこは彼の評価にはなりません。彼を評価すべきは率の方です。打ってでてもダメな球を打たないようになれているかどうか。
彼に欠けているのはそこで、それが備われば1軍でも使えるでしょう
数十に1つの好球を打てる能力はあります。それを十数に1つ、数に1つ、にしていく能力に育てていかないと1軍ではムリでしょう。
他に若手がいるわけでもないですし、オープン戦では優先的に機会を与えるべきでしょう。存分に壁に当たらせたら良い。その価値はあります。
正直なところ、打力で可能性を感じさせるだけの素材にさえ事欠いていたのが巨人2軍の現実ですからね。なかなか大成の難しい、昔からこれが解決できないが為に1軍では使いものにならない選手がたくさんいた穴ですが、そこに到達してる時点で充分に稀有です。


中井に関してもう1つ思うのは彼なんかが「育成の巨人」という印象形成の典型だってこと。
実際中井が去年2軍で結果をのこしたかと言えばそんな事はない。出てただけです。ただ去年坂本・田中に対して言ったように、出続けたってだけでも充分に育成としては評価に値する事なんですが、それは置いといて数字を残したわけじゃない。
でも彼は秋からずっとマスコミとかでたくさん取り上げられて、認知度が凄いあがってる。ただそれだけで若手が育ったように印象を持たされるんですよね、こういうのはマスコミの力だなぁと感じます。
どこの球団にだって期待の若手はいるんですよ。2009年の巨人にだけじゃなくて2008の巨人にも2007の巨人にも。
じゃあ2009年の巨人と前の巨人との違いはどこかと言えば、マスコミで「期待の若手」の連載があったり、何かにつけて若手の名前が出たりするような所だなぁって思うんですよ。報知は前からにしても他紙のそれとか。
そんな印象論に過ぎないなぁって思うんですよね、実際のところ。私は実感として極端に巨人が育成下手とも思わないし、上手とも思わない。また急に確率が向上したとも思わない。変わったのは試行回数が増えただけ。
話が逸れますが、一定以上の1軍出場実績を球団の育成能力の判断基準にするのは賛成できません。
育成は補強の一手段、補強は基本的に手段は4つ。そして1軍での打席数やイニング数はある程度一定。一定数に近いものを3つの手段で埋めていく球団と4つの手段で埋めていく球団があればそこに差違があるのは当然。1軍での出場機会は一定であるってのが考慮されてない。ま、言葉足らずですが携帯からなんでご容赦を。
話を戻すと、なんか去年の結果からして急に巨人に育成能力が付いてきたなんて評価を翻してるのを見かけると、そんな事を言う人はいったいどんな基準で見ているんだろうなぁって思うんですよね。
Aが出たから、Bが出たから、なんてのはただの主観的印象に過ぎません。個人の資質が全て育成の影響下にあるとも限りません。
とりあえず、去年の結果によって今年の評価から急に巨人の育成能力に対する評価を改めてる人の眼力は私なら疑います。そこで中井の名前なんか出てきたら赤マルつけちゃいます。
巨人の育成が変わっていたとしたら、もう数年前です。それが去年になるまで気付けなかったのならあまりに微妙な人、気付こうとしなかったのなら巨人に対して歪みを持ってみてしまう人。

証明なんかで、個を積み重ねて全まで辿り着くのって凄い難しいです。
全の理由を求めているのに個を挙げれば足りると思ってる人。或いは思ってないにしても個しか挙げられない人は個人的にはやっぱり信頼できません。
ま、じゃあ自分が全を説明できるかと言えばそうではないんですが(笑)。
幸い選手という個は100もないから、個の積み重ねで全にできるだけですから。

誤解されるかも知れないんでフォローしときますが、中井を評価していないつもりは全くありません。
中井は間違いなくここ数年の巨人で最高水準の若手野手です。ここ5年で1人選べって言われたら彼しかいない。あのライナー比率は衝撃です。素晴らしいですよ。
ただまだ穴がありすぎます、坂本とは違って1軍で致命傷になる穴です。
来年でも再来年でもまだ早いかもしれない、解消しきれないかもしれない。そんな穴です。
だからいま1軍での戦力にはなり得ないと思います。未来の巨人を担えると思いますが、まだだいぶ先の話です。ただ担うに足るのは間違いない。
って私は思ってるんですけどね、春になってからちゃんと見ていませんから。これから拝見ってところ。
私の見立てが間違いまくりってなら嬉しいのですが(笑)

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