巨人現有戦力評価 2009 Ver.1 投手編

  • DIME
    2009年02月03日 17:54 visibility247

キャンプ開始時点での現有戦力評価です。
去年のを振りかえろうとして、あんまり振りかえれなかったんで、個別論評も書いていないことですし、今年はできるだけ個人名も挙げていきながら書きつづっていきたいと思います。
畢竟長くなると思いますので、たぶん適宜追記していきます。

内容は基本的に支配下選手に限ります。

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○右腕投手:19名
 ・(R)斎藤圭祐 (19)
 ・(R)笠原将生 (19)
 ・木村正太 (23)
 ・東野峻 (23)
 ・村田透 (24)
 ・西村健太朗 (24)
 ・栂野雅史 (25)
 ・会田有志 (25)
 ・福田聡志 (26)
 ・越智大祐 (26)
 ・野間口貴彦 (26)
 ・木佐貫洋 (29)
 ・久保裕也 (29)
 ・M・中村 (33)
 ・豊田清 (38)
 ・(外)オビスポ (25)
 ・(外)ゴンザレス (31)
 ・(外)グライシンガー (34)
 ・(外)クルーン (36)


○左腕投手:13名
 ・(R)宮本武文 (19)
 ・竹嶋祐貴 (20)
 ・辻内崇伸 (22)
 ・古川祐樹 (24)
 ・金刃憲人 (25)
 ・深田拓也 (26)
 ・山口鉄也 (27)
 ・内海哲也 (27)
 ・上野貴久 (27)
 ・歌藤達夫 (31)
 ・高橋尚成 (34)
 ・藤田宗一 (37)
 ・(外)バーンサイド (32)


●異動
離脱
 加登脇卓真
 深町亮介
 真田裕貴
 上原浩治
 吉武真太郎
 門倉健
 姜建銘
 林昌範
 深沢和帆
 野口茂樹
加入
 宮本武文
 斎藤圭祐
 笠原将生
 歌藤達夫
 M・中村
 ゴンザレス

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日本人だけで見ると、5増9減、減りすぎ。ちょっとバランスを欠いていますよね。後述しますが、たぶん足りない。
ただ、選択肢がなかったので、ある程度仕方ないところもあるかと思います。
ここ数年言い続けているように年齢バランスが悪いまま推移しています、ある程度若手の切り落しがはじまったのですが、まだまだ。
若い投手が年をとったんで見た目では、働き盛りが多いようになってますけど、実際はそのうち半分ぐらいが一軍実績が無い投手、「若手」のまま。
その状態でむやみやたらに加えたとしても、1,2軍の試合数には限りがありますから(今年はフューチャーズも含めて大幅に増える予定ですけど)場を与えきれない可能性が高い。今年は今いる選手の見極めと割り切って大卒や若い社会人投手を指名しなかったのは賢明です、多く減ったからといって数あわせに獲らなかったのは正解。獲って1名ってところだったでしょう。
で、本当ならば加えておきたかったのは中堅、ベテランどころなんですよね。ところがもう今年は獲りようがなかった、戦力外に大物がでたわけでもなかったですし、FAも補償を考えればマイナスになる可能性が高い選択肢だけ、代償を支払ってまでトレードをするぐらいなら(金銭は別ですが)若手と心中で良い。年齢高めの社会人を下位でっていうのぐらいでしょうけど、巨人はあんまりそれしないんですよね、個人的にはやってほしいんですが。
足りないのを埋めようにも選択肢がなかったので、少ないのを承知で行くしかない。長い目で見れば過渡期にはこういうシーズンもあるでしょう。

ただやはり明らかにベテランが薄い、実績がある投手っていざ獲ろうと思っても獲れるわけでもないんですよね。そういう選択肢として、門倉健は必要だったんだなと思います。
彼が実際に使えるかどうかは別として、彼並に使える「可能性がある」投手を獲得するってそう安易にできることではないんですよ。
上述したように「ベテランの補充」という選択肢が巨人には必要だった。
戦力外予想の時にも書いたのですが、一度戦力外にしたと考えて、世間に出てくるであろう選択肢(戦力外、トレード、FA、etc)からどれかを選ぶのであれば、門倉健って言う選択肢が最良だった、保留権を持っている選手を保持し続けることにはデメリットがあるわけではないんですから一番難の無い選択肢です。
若手が思うように伸びてくれれば門倉の場はないと思います、逆に若手が思うように伸びてくれなかったときには間違いなくあったはずです、今の陣容じゃ単純に駒数が足りないはず。
だから、本人がね、そういう他の選手の出来に起用が左右されてしまう状況を甘受できないというのは理解できますし、自分の立場をしっかり把握できているんだなと思いますけど、でもそれはだいたいのベテランが陥る立場であって、それを納得させるのが編成の仕事でしょう。
それを本人が強く望んだからといって、保留権を安易に放棄してしまうのいかがなものか。悪しき前例を作ったのでなければよいのですが。
門倉がいったいどれほど強く望んだのかは知りませんし、終わったことをねちねち言う気もありませんけど、チームに留めきれなかった、その事実を持ってして十分に編成は非難されるべきです。ほんと甘いですよ。
結果論で、使えなかったからいらなかった、っていうわけにはいかない、そこまで使う必要がなかったからいらなかった、っていうわけにもいかない。
未来は不確定です、どうなるかはわからない。結果が出てからする仕事じゃなくて、どんな結果になりそうでも対応できるようにするのが編成の仕事です。
もし、編成に少しでも「使える可能性」も「使う可能性」も少ないからまぁいいか、というような気持ちがあったのだとすれば、足下をすくわれますよ。その小さな可能性を潰していくことこそ仕事なんだと認識しておいて欲しい。

「今いる選手の見極め」を優先しなければならないという理由から、指名した高卒ルーキー3名に関しても今年は最初から計算に入れないぐらいのつもりで良いでしょう。
いずれも即戦力というタイプではないみたいですし、結果が残るようなら2軍で積極的に起用しても良いでしょうけど、結果度外視で優先的に起用する、というような策はとるべきではない(そんな余裕無い)と思います。

今年は全体的に博打ですね、当たるかどうかはやってみないとわからない。崩壊するときはとてつもなく崩壊するかもしれません。
ただ、それが必要ですから。使えないなら「使えない」ってちゃんとシールを貼ってから戦力外にして欲しい。
去年2軍である程度投げさせていたのが、久保裕也、金刃憲人、深田拓也、栂野雅史、古川祐樹、福田聡志、木佐貫洋あたり。この辺りのでき次第でどうとでもなります、ただどうなっても良いですから使ってください、古川以外は。他のは一軍で出来てなんぼの投手です。2軍でしか結果が残らないようならそれはそれでいらない。
「2軍で好結果を残す」ことと、「1軍の戦力になる」事には残念ながら大きな開きがあります。前の条件を満たしているだけでは使えるかどうかはわからず、後ろの条件を満たすには1軍で使うしかありません、だから使ってください。
一番いけないのは去年の久保裕也や門倉健のように、2軍では結果が残っているんだけど、1軍では試せなかったので結局使えるかどうか判断が付かないっていう中途半端な状況に陥る選手を続出させてしまうことです、これをすると長期的な見通しが立たない。


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●先発について●

 グライシンガー
 内海哲也
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 高橋尚成
 --
 ※バーンサイド
 木佐貫洋
 ※ゴンザレス
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 西村健太朗
 久保裕也
 金刃憲人
 東野峻
 野間口貴彦
 栂野雅史
 深田拓也
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 古川祐樹
 (福田聡志)
 
※同じカテゴリの中の順番はあんまり意味無いです

こうやって改めてリストアップしてみると、やばいですね、全然いないじゃないですか。グライシンガーと内海哲也が怪我等で離脱した場合、どうしようもなくなるでしょうねこれは。
何とか計算できるかもしれないというのが、ゴンザレスあたりまで、そこから先はふたを開けてみればわからない投手しかいません。
外国人枠の関係でバーンサイドとゴンザレスを同時に使う事はほぼ無理なので、ここまでで最大5名、実際のところは3人出てくれば良いところでしょうか。
ずっと言っているとおり個人的には6人で回して欲しいのですけど、5人で回すにしても6人で回すにしてもほぼ足りない。そこから下は使ってみて果たしてどれだけつかえるかどうか。
ただ、私は中継ぎがしっかりしていれば先発はある程度崩壊してもチームは勝てると思いますので、とりあえず数のある選択肢を試していくって事を考えて欲しいです。1人か2人か、当たってくれることを祈ります。

内海哲也もグライシンガーも「絶対的」と考えるには若干不安点が残るのですけれど(特に内海)、現在のメンバーの中ではこの2名が突出して計算できるでしょう。
高橋尚成が3番目に来るってのは正直微妙なんですけど、でも順番はここですよね。たぶん被BABIP頼みってことになるんでしょうけれど、そこさえ並なら並の成績を残してくれるんですから、それでも十分だと思うしかないです。
バーンサイドとゴンザレスは一応上にあげときましたけど、その下の若手群と同じぐらいかなぁ、もちろん同じぐらいなら若手を優先起用すべき。


木佐貫洋は、フォームを戻したのは正解だと思います。
過去ログ漁ったんですけれど、フェニックスリーグで見たときの感想、書いてなかったんですね。「失投のない投手はいない」って書いてました。
100球投げて100球完璧に制球できる投手ってのは現実的にはほぼいないと思います。実際のところ木佐貫洋も制球は悪くはないと思いますが、絶対に100%じゃない。去年の木佐貫は、それを100%にしよう、ともがいていたように見えていたんですよね。
制球の確率を現実的な最高レベル、XX%以上に挙げたとしても残りの数%がでたときにこのように簡単に長打になってしまうようではその数%が致命傷になる、他が台無しになってしまう。
木佐貫洋はフォームを変えることでそこまでは到達できていた、XX%の制球は出来るようになった。
じゃあ2007年と2008年の違いはといえば、そこからさらに数%の上積みがあったかどうかなんかじゃないのかなぁとおもいます。2007年はそれが出来たけど、それは果たして簡単にできることだったのか、個人的にはそうは思いません、ある程度運が良かった可能性も否めない。
実力ではXX%までは到達した。ここからの解決策としては2つ、制球の精度をさらに上げるか、失投があったとしても抑えられるようにするか。
で、去年の木佐貫は前者を追い求めようとしていた。フェニックスリーグのときもそうです。その試合でもすごい制球は良かったですし、低め低めに直球も来ていた。でもホームラン2本、いずれも高めに浮いた直球だったと思いますが、すごい簡単に運ばれたんですよね、ちなみに相手は斗山ベアーズ。たぶん制球ミスはこの2球入れても10もない、でもほんの数球でも高確率で捉えられてしまうようでは厳しい。
平均的な結果なら、失投があってもその失投を高確率で捉えられるわけではないと思うんですよね、もともと打つってのは率が低いものなんですから失敗もたくさんあるはず。それが高確率になってしまう致命的な理由があるように見えたんですよね。
だから、やっぱりこの方向性は違うんじゃないのかって思いました。2007年という実例がありますから、無理では無いと思いますけど、個人的には賛成できなかった。思い切ってフォームを戻してみるというのは、そっち方向へ向かっていくことを修正すると言うことに他なりません。
投手っていうのは「失投がある」前提でも抑えられなければならないと思います。
それを追求するのは去年の木佐貫のままでは難しいでしょう、その原因がフォームにあるのかどうかはわかりません。ただ私としては、去年のままで、制球の精度を追求していくという道には未来がないと思いますので、別の選択肢を選ぶのは私は賛成です。

もうひとつ理由を挙げるとすれば、去年の巨人では成功していた投手のSTATSに明らかな傾向があったこと。奪三振率が高い投手が多かった。この傾向は今年どの投手が使えるだろうかというところでひとつの大きな判断基準としてみましたので、この後に他の投手でも理由としてあげていきます。
首脳陣が意図して三振の取れる選手を使っていたのかもしれないですし、自然淘汰で結果を残せる投手が奪三振率の高い投手でなければならなかったのかもしれない。
理由はどっちでもいいんです、そこから導かれる結論は、どっちにしろ「三振の取れる投手になる」必要があるって事ですから。
その点からすると、新しいフォームになってから明らかに奪三振率は落ちていますから、その傾向に合うのは昔のフォームでしょう。

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さて、若手群。ほんと群れだわ、群れ、団子レース。
西村健太朗。とりあえずSTATSに明らかな傾向があるんですよね、三振が取れない。
このマイナスをうまく解消できるのは、中継ぎよりもむしろ先発だと私は思いますので、彼を先発で試せるだけの駒数を中継ぎでそろえられるようになってきたのはチームとしては良い方向に進んでいる証。
チーム全体で奪三振率の高い投手が成功していると言う傾向があるのが懸念材料ですが、そこだけ目をつぶれば個人的には一番期待しています。
世間一般でよく言われるようなことを言えば、やっぱり変化球がもう1種ってところなんでしょうね、カーブでしたっけ、チェンジアップでしたっけ、まぁ新球試しているって言うのは自覚もあるんだろうなと思います。
久保裕也。STATSでは特徴が無いのが特徴。完成されているといっていいのか、売りがないといっていいのか。
奪三振率、与四死球率、被本塁打率、破綻も無いけど突出も無い。ただ個人的にはだからこそ試してみて欲しいんですよね、投げさせてみれば意外と結果は残るかもしれない、残らないかもしれない。
年齢的に見てもここから大化けしなくても仕方は無いかなと思いますし、別に化けなくても破綻してるわけじゃないんですから、とにかく今の数字で1軍で投げさせてみて使えるのかどうか、この手のタイプは使ってみなきゃわからないですよ。
少なくとも去年の2軍の結果は、「1軍では使えない」と評するような結果だとは思いません。使ってみれば、大きな戦力にはならなくても破綻の無い戦力にはなるんじゃないかと思うのですけど。
金刃憲人。2軍では非常に良いSTATSを残しています、がそれが1軍ではできなかった人Part.1
そもそも1年目にしても、STATSでみれば良かったわけじゃないんですよね、被BABIPも低かったし、去年の結果にしてもSTATSはすごい悪い。
ただ去年の2軍成績で言えば、栂野と双璧。1軍で駒数が足りない現在、2軍から誰かを連れてくるとなれば順当にいけば金刃になるでしょう。まぁその去年の2軍も被BABIPが低いんですが。
東野峻。知名度先行かな。STATSで注目すべきところは去年は被BABIPが極端に良かったところでしょうか。
個人的には中継ぎで育てて欲しい逸材ではあるんですけれど、どうもチーム方針は先発のようですので先発で。ただ去年にしたって鮮烈な印象を残しただけであって、別に好結果を残したってほどじゃあない。なんだか報道先行というかファン先行というか。いい性格してるみたいですから、それをプラスに変えてくれればいいんですけどね。
野間口貴彦。彼もまた三振が取れない。
三振が取れないまま、で安易に使っていいものかどうか。西村健太朗との違いは、シュートの有無って事になるのかなぁ。
個人的には三振が取れないことを解消できるようになるかを、2軍で見据えてからでもいいんじゃないのかなぁと思うんですけれど、年齢的にはもはや比較的年齢の高い方になっちゃってきてるんですよね。
だから、去年の最後になんでまた1軍に呼び戻したのかってところが私は納得しきれません、もったいなかったんじゃないのかなぁと思うんです。こっちもやはり変化球がもう1種。彼の場合はストライクの取れる変化球かなぁ。
個人的には、彼は三振が取れる投手になることを目標に作り直して見るのが面白い気がしてならないのですけど。
栂野雅史。2軍では非常に良いSTATSを残しています、がそれが1軍ではできなかった人Part.2
個人的な感情で言えば一番期待しているんじゃないかなぁ。2軍のSTATSで言えば、個人的に気にするところ=奪三振率、与四死球率、被本塁打率などでは指摘するところは見当たらない。被BABIPも平均より高いし。
問題は2軍での投球がまったく1軍ではできなかったって所なんですが、何度やっても1軍では出来なさそうだと言ってしまうにはまだ判断が早い、もうちょっとちゃんとした形で機会を与えてみて欲しいですね。
深田拓也。一昨年が非常に良くて、去年は2軍からの抜擢候補一番手、でも1軍では登板できず。
2軍でも開幕当初は良い場所での登板機会を与えられなかったので、相当悪かったんだろうと推測できるのですが、シーズン終盤にかけて持ち直しました。
彼の場合はやっぱり左腕の一番の問題点、コントロールでしょうか、与四死球率がもうちょっと良くなれば。山口鉄也の劇的な変化も突き詰めれば主因はここだと思うんですよね、左腕はここが改善されると激変する可能性がある。
こういう「穴」のはっきりしている投手は嫌いじゃないです、面白いと思います。
古川祐樹。1人一段下げたのは、逆に期待の裏返しです。中途半端に使わずにしっかり育てて欲しい、個人的には本当は中継ぎで見たいんですよ、その2つの理由から一段下げました。特に中継ぎの方を考えたいです。
2軍では先発もさせていますけど、これはプロスペクトに順番に先発機会を与えてみようと言う活動の一環のように見えましたし、先発でいくか中継ぎでいくかを決めてかかっているのではないと思います。
ただ、後述しますけど、今年の場合はうまく言ってしまった場合には中継ぎの方が若い投手を使う機会が得られないかもしれない。
今年も結果を残してくれるようであれば是非1軍でも見てみたい投手ですから、その場合は先発・中継ぎにこだわらずに薄い方で投げさせてみてもいいのではないでしょうか。
フェニックスリーグで見たとき、最終回に深町が投げたんですけど打者6人で1アウトも取れずに炎上、の後を引きついたんでほぼ予定に無い緊急当番だったと思うのですが、このときの印象は非常に良かったです。上野貴久と比較したときに空振りがしっかり取れていたという印象を持ちました。ノートの一言目には「好き」って書いてありました。
福田聡志。2軍での起用の流れを見る限り、先発ではなくて中継ぎで行く事にしたんではないのかなぁと思ったので、()つけました。
今年の場合はどこまでいっても足りなくなる可能性がありますから、ここぐらいまで先発の可能性ももっておかないといけないかもしれません。

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