うまいこと言いますよねえ。

  • DIME
    2007年12月06日 16:24 visibility142

ここ1週間ぐらいでしょうか、阪神の球団関係者の言葉として出てきているやつ。
今日のデイリースポーツの記事とかにもかかれていますが、“外国人選手争奪マネーの高騰化を懸念”するためにあまりに高いようだと獲得はしないという主張です。

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阪神グラ獲りピンチ…初交渉で6億提示も
阪神が、ヤクルトから自由契約となったセス・グライシンガー投手(32)側と5日(米国時間4日)に本格交渉に入り、当初予定の2年総額6億円を条件提示した。だが、早くも争奪戦が激化の様相を呈していることも判明し、常識外のマネーゲームに発展した場合は撤退方針を固めている阪神には、厳しい状況となった。阪神、巨人にメジャー球団も参戦する日米争奪戦は、状況的に巨人優勢の展開だ。

ついに今オフ大補強の最大のヤマ場、セ界最多勝右腕獲得に、阪神が本格的に動いた。だが“主戦場”となる米国から届いた情報は、猛虎苦戦を意味する内容だった。

この日、東京都内で取材に応じた南球団社長は「きょう(5日)の朝に報告が入り、米国の4日ですが、交渉を行いました。条件提示?もちろん」と話し、渡米中の山縣渉外担当が、グライシンガーの代理人と初交渉を行ったことを明かした。

結論は出なかったが、同社長は「すんなりとはいかない。ねばり強く交渉したい」と話し、近日中に、2度目の交渉を行う方針を示した。

だが…。球団は今回交渉で、事前から情報が錯綜(さくそう)気味だったグライ獲得戦の実情把握。球団関係者によると、阪神と、獲得への動きをみせる巨人に加え、メジャー球団の参戦情報もあるグライ争奪戦は、すでに高額なマネーゲームの様相を呈しているという。

また、阪神側がつかんだ情報や、球界関係者の話を総合すると、争奪戦は巨人優勢で動いているもようだ。阪神側も事前調査の段階から、今回の争奪戦が最終的には、阪神と巨人の一騎打ちとなるとみていたため、想定内とも言える。

ただ、阪神は昨今の外国人選手争奪マネーの高騰化を懸念。これ以上は“加担”できないとして、常識外のマネーゲームに発展した場合は“抗議の撤退”を行う方針を固めている。

 南球団社長も、2度目以降の交渉で、2年総額6億円から上積み提示するする可能性について「幅を持って考えていますが、限度はあります」とした。今後も持てる力を全力投入するが、巨人の動き次第では、厳しい情勢となりそうだ。

デイリースポーツ
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虎 グライシンガー獲り怒りの撤退も
阪神が、ヤクルトから自由契約となったセス・グライシンガー投手(32)の争奪戦に関して、常識外のマネーゲームに発展した場合は即刻、撤退する方針を固めたことが3日、分かった。球団は、あくまで同投手獲得を最大のヤマ場と位置づけて交渉に入るが、一方で昨今の外国人選手争奪の相場が高騰する現状を異常事態と判断。球団幹部は「ファンに失笑される補強はできない」と話し“抗議の撤退”も視野に入れた。

2年総額7億…8億…ついには10億円と、グライシンガー獲得戦を前にウワサされる相場は跳ね上がるばかりだ。

この日、兵庫県内で取材に応じた南球団社長は、グライシンガー側と近日中に交渉に入ることを明かし「簡単にはあきらめません」とセ界最多勝右腕獲得に意欲を見せた。ただし「バカなマネーゲームはしませんけどね」と微妙な言葉を付け加えた。

この発言について、球団幹部はこう解説した。「今年の年俸が5000万円以下だった選手に、仮に2年で8億も出す球団があるなら、付き合い切れない。どうぞ持っていってくれということ。ファンがあきれる。失笑を買うだけだ」

先発補強が急務の阪神にとっては、グラ獲りは今オフ最大のヤマ場だ。だが、球界のためにも、これ以上の外国人相場の高騰化に“加担”するわけにはいかないと判断した。

あくまでグライシンガーとの正式交渉に入らないと実情は分からないが、球団は、多少のマネーゲームは仕方ないとしても2年総額5-6億円が、実績を加味しても、悪影響を及ぼさないギリギリ限度とみている。

球団はグライシンガー側が2年7億円を最低ラインに置いているとの情報も得ているが、事前調査の結果、それ以下の額でも十分に交渉可能とみている。だが、他球団が法外な額を提示すれば一気に常識を超えた世界に突入する。そうなれば…猛虎はきっぱり、怒りの撤退宣言を行う。
デイリースポーツ
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話は変わりますが、最近ガソリンが値上がりしていますよね、だけれどあんまり価格に転嫁できないものだから個人経営のガソリンスタンドでは廃業が相次いでいるとか。
では、ここで「赤字になるような価格で商品を売るという、人に笑われるような商売は出来ない。昨今のガソリン価格の高騰を価格転嫁できない業界の現状への抗議として、私のところだけはガソリン価格を上げる」と言い出してみる。
とっても正論です、そんな商売はおかしい、笑われてもしょうがないです。でもその解決策として選んだ値上げという手法、それが「ガソリン価格の高騰を価格転嫁できない業界の現状」の解決に何か影響及ぼします?なんか改善されます?そもそもそれ抗議になります?
消費者にそっぽを向かれて、他のガソリンスタンドに客が流れるだけでしょ。
それを解決したいのであれば、もっと違う方法が必要です、今やっているので言えば道路特定財源の一般財源化に反対し、特定財源の余剰分はその財源であるガソリン税の引き下げに還元すべきだと要求するとか。それが正しい対応というものです。
あと、もし仮に「こんな状態では商売あがったりだ、ここは業界全体で歩調をあわせて価格をあげましょう」というのは場合によっては独占禁止法違反の行為となる可能性が大きいです、注意しましょう。

で、同じように阪神が撤退することによってその状況のどんな改善になります?
阪神球団が行う活動は「1球団が年俸にデッドラインを設けて交渉する」という活動です。他の球団が既にそういうことやっていませんか?そこに球団が1つ追加されることがどんな影響をもたらすというのでしょうか。
そのあたりの説明というか証明というか論理展開というか、この2つが繋がっているのだと説明は全くなされていない。

主張が正しいからといってその主張のために行うと言いだしている活動が正しいとは限らない、行動の正当性は主張の正当性によってなんら保証をみるものではありません。
実際はその正しい主張をその手法によって達成できるのかということを証明をしなければいけないのですが、往々にしてそれは無視されます。
普通はそれに気づくものですが、主張がとっても正しくて耳ざわりの良い言葉だと、その主張の方だけ聞いてそれは正しい手法だ、と思ってしまうことがあります。
よく政治屋さんが使う手法なので皆さん注意しましょうね。


ただ勘違いしないで欲しいのは、阪神を批判したいがために言っているわけでは無いって事です。
先日の日記(昨日1つ仕込んでおいたので)で触れたように、球界で見られる言動というのは時にあまりにバカ正直に過ぎます。
結局は「お金があったとしても(福留に出す資金が転用できるんでしょ?)マネーゲームには付いていきません」って言っているだけなんだけどそれだと批判を浴びるから、「外国人選手の年俸高騰に警鐘をならすため」というもっともらしいお題目を持ってくる、良く考えればその解決策でも何でもないんだけど題目そのものはもっともだから正しいことをやっているように見えてしまう。
それに加えて、それ以上の値段で他球団にさらわれるのは、「獲得競争に負けた」わけですから本来は批判されてしかるべきなのに、「他球団が適正で無い価格を提示したのが悪い」と矛先をかわすこともできます。
こういう報道戦略はソフトバンクにも見られますし、巨人のクルーンへの報道に関しても「高ければ撤退」という報道があったのは先にも触れたとおりです。
ちなみに私は適正価格というのは事前に定められるようなものではなく、契約を結ぶ当事者同士が合意したものが適正価格であると思っています。それが需給のバランスというものです。傍目から見て“常識外”だとかいえるようなものでは有りません。
色恋沙汰と同じですよ、美女と野獣だろうが逆だろうが、本人さん同士が好きあってるなら他者の評価なんて全く関係ないでしょう、傍から釣り合う釣り合わないと評するのは無粋ってもんです。
本人たちが適正だと思ったのならそれが適正、契約というのはそんなものだというのが私の考えです。

やっぱりこれぐらいのしたたかさがもっと球界全体にあるべきです。もうちょっとこういうものの考えを見習って欲しい。
こういうしたたかな言動が、観客動員も多くお金に余裕のある球団のほうに見受けられ、逆に金銭的余裕の無い球団ほど見られないというのは、ある意味当然といえば当然なんですが、球界全体での意識格差を感じずにはいられません。

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