【巨人】 大社ドラフト雑感

  • DIME
    2006年11月25日 01:25 visibility92

最初に感想を言わせてもらえれば、また行かれた・・・っていう思いである。戦力外のときも同じ思いを味わい、2つのトレードでもまた味わったのだが、どうも今年のシーズンオフの巨人の動き方は予想の上を行かれてる。

戦力外は自分の甘さから誰が首になるかのリストはほぼずれてなかったのに、勝手に足切りラインをあげてしまって結局外れた。トレードに関してもまさかここまでは思い切れないだろう(怪我した仁志はトレード無理だろうとか)と思ったらやられた。

高校生ドラフトに関してはほぼまったくずれなかったのだけどあれは荒れるほうがおかしかっただけだし、大社ドラフトとそれに引き続いた育成ドラフトではこれまで以上に上を行かれてしまった。。。。巨人を見ている身として正直情けないほどの外れっぷりである。

左腕を取るというのはわかっていた・・・わかっていたのに、それでもなおここまで徹底してくるとは思わなかった。育成選手をもっととらなきゃいけないっていうのはわかっていた、でもここまで徹底してくるとは思わなかった(台湾他からいいのを抜いてくると思っていた)。。。。まだまだ精進が足りないようです。

ただ少なくとも斜め上は行かれていない、方向性が変な方向を向いていることもない。 自分がこの程度だろうと思っているラインで止まらずに徹底してきているだけ。

自分は基本的に予想するときはシンプルにシンプルに行こうと思ってるので、結局巨人の方向性が素人にでもわかるような素直な方向に流れているんじゃないかなぁ。

 

 

まぁそれでドラフトに関してだけれど、巨人の指名に関してはやっぱり上野貴久をなぜ3巡目に指名してきたかということに尽きるだろう。ネット上でも意味不明という声ばかり。 

正直今年の上野については見ていない(正確に言えばどっかの試合で見ていたかもしれないが記録&記憶がない)のでよくわからないが、複数の雑誌による指名評価で言えばだいたい小嶋・木村に準じ、青木よりは上という評価になっている。そういう意味で言えば3巡目という評価自体はそこまでおかしなものじゃあない。

上野に関してはこちらのニュースがあったので今年は残留を表明するものだと思っていた。それに対して指名された後のこのニュースを見ると(報知だからとはいえ)強行指名というそぶりはかけらもない。

 

巨人としてはこの指名順ならもし順調に指名していたとしても長野は4巡目か下手すれば5巡目になるわけなのでこれは長野に関しては囲い込みが大丈夫だという確信があったって言うことなのだろうか。まぁそれは間違いだったわけだが。 

ただ日ハムの強行指名にかんしての本人の反応を見る限り巨人側が強行はないと踏んでいたのだとしてもおかしくはない気がする。本人たちでさえあれだ、本人や周囲から情報収集している巨人としてはもっと想定外だっただろう。  

巨人としては長野&円谷の囲い込みには成功したと考えてそこからもう一歩進んで、今年の重要補強ポジションであった左腕を2名じゃなく3名確保したいと考えたんだろう。

今年のメンツを見れば下位で指名できそうな左腕投手は即戦力というよりも少々育成が必要な素材型の方が多い、でも左腕の絶対数が少ない巨人としては即戦力にもなるような左腕も欲しかった。

そういう戦術の積み重ねでこの指名順が決まって行ったのではないだろうか。

 

とすれば結局はこの不可解な指名については巨人側の戦術ミスっていったところか。

 

ただまったくもってこのミスを織り込んでいなかったはずもないだろう、100%強行なしとまでは考えていなかったはずだ。

ここで出てくるのは谷佳知獲得という部分だろう。今年の外野手では戦力不足だったというのは前述のとおりだが、谷佳知がはいってくればひとまずは短期的な不足についてはまず一手は打っているということになる。

つまり右の外野手の緊急性は下がっていて、長期的に見れば右の若手外野手を獲得する必要性が高いのは変わらないが、それは必ずしも今年である必要はなくなっている。

それに比べて左腕に関しては補強は現状ゼロだから、少なくとも今年のドラフトという観点で見れば左腕補強の方が重要度が高いという判断がされたのではないだろうか。

仮定の話にしかなり得ないが、もちろん最初の指名順は巨人の方が先立ったので長野を指名することは可能だった。そこまでは間違いない。でも果たしてそれが巨人にとってベストの選択だったのか、という考えを疎かにしていないか。他球団が欲しがる選手を取られずに済むことが正解であるかのように私は思っていなかっただろうか。

もし長野を3巡目に指名したとしてその上での上野と深沢の両取りが出来たかは微妙なところ、まぁ無理だっただろう。下手をすれば長野指名に伴って円谷を指名されていたかもしれない、外野より内野のほうが絶望的に層が薄い巨人にとって円谷が取れないことだけは避けたかったろう。

ドラフトというのは他球団との指名争いを制する場所じゃなくて、自球団に必要な補強をするところ。

日ハムが触手を伸ばしていたということで長野に関する重要度が客観的評価以上にあがってはいなかったか、改めて考えてみるとそう冷や水を浴びせられたような気もする。

なんだか獲得ゲームであるかのような、競合相手がいる選手をいかに確保できるかを重要視していたような気がする。これは反省しなければならないところだろう。

 

 

個人的に一番うれしかったのは深沢投手の指名。他球団の指名が噂されていた左腕投手にたいして事前に全く巨人の名前が出ていなかったのは評価漏れしていなかったのではなく、隠密ドラフト戦略だったということ、そしてその戦略が高校生ドラフトに続いてしっかり機能していたのは喜ばしい。

選手として直接見たことはないが、彼の出しているSTATSは目を見張るものがある。リーグの実力が低いだろうとは言え平凡な選手が運だけで達成できるような成績ではない。とりあえず将来性を見込んで囲っておきたかった選手だろう。

またもちろん四国ILから最初の指名であったということもうれしかった。彼の契約金の20%が四国リーグに入ることになるがこれまでの巨人の契約金の相場からすれば6000万ぐらいになるだろう、これで1200万がリーグに入ることとなる。今年のリーグの赤字は1.5億、この削減の少しでも役に立てばこれもまた喜ばしい。 

 

 

最後に、長野選手の態度が軟化してるなんて言うニュースを聞いた。まぁ話を聞くだけ聞くところまでは礼儀としてするべきだろうからこれは正しい事だと思うし、私は入団を選んでもいいんじゃないかと思う、他球団が損害をこうむるのはちょっと見たくない。

残念ながら現在のドラフト制度では彼のような犠牲者が出てしまうのは避けられない、申し訳ないが「戦力均衡」とかいうお題目のため(であるかのように見えているだけ)にはこういうことが存在するのはしょうがないと思っている人のほうが多数派なのが現状だ。

ただ昨年の福井のように入団を拒否するのも選手としての正しい権利だ、別にプロ志望届は指名された球団に必ず入団しますという誓約書ではないから。他球団が損害をこうむるのを見たくはないけど、本人がどういう選択をしようとも尊重するし、しなければならないのが球団とファンの正しい姿勢だよ。

日本ハムにはあんまり深く追い込み過ぎないようにして欲しいものだ、去年の巨人のように理性と理解をもった行動を望みたい。

 

ちなみに日ハム側が「本人に直接会って本人の言葉を聞きたい」という主張をしているようだがこれに関してはちょっと待って欲しい、それは言葉だけ聞くと正しそうだけど正しくない主張だぞって思う。

「本人に直接会いたい」という言葉は一見当然の主張のようだが、それは密室の中で1対多の状況において圧力を掛けることで思考力を低下させる戦略であったりもする。

「本人の言葉が聞きたい」というのは一見正しいが、本人の言葉は本人しかいないところでしか出ないものではない、むしろ逆に考えてみればいい、“味方がいなくて敵ばかりのところで「本人の言葉」がでてくるか?” 私は正常な思考能力と判断力が奪われてしまうと思う。

個人的な経験で言えばむかーしむかし大学系サ○クから出たくても出られないとSOS出してきた友人を引き剥がしてきたときにこの主張を押し通されてしまい、これをやられてしまった。何時間も1対多の部屋に篭城され、最終的に「本人が戻りたいといった」と言い出して無理矢理つれていかれてしまった。今でも苦い大失敗の思い出だ。

本人の言葉を聞きたいという主張に対しては手紙・書簡による通知・連絡などをすることをオススメする。本当に自分で考えて冷静な結論を出したいのであれば軽々しく一人であったりはしないほうがいい、そんな状況下でした結論に従って行動してもあとから後悔するだけだ。

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