甲子園3つを2勝1敗

  • DIME
    2007年04月23日 04:07 visibility59

急に更新とまってすみません、体調がちょっとまた変でして。

先日Toraoさんが、「ナゴヤドームでのノルマは3連戦で1勝」というようなことを書かれていましたが、個人的に同じようなことを巨人に対しても思っていて。ナゴヤと甲子園ではとりあえず3タテされなければいいと。
まぁそういう意味では2勝1敗なのでこれで1回は3タテ喰らってもいいかなぁとか思っているわけですが。もちろんこういう考え方は東京ドームでちゃんと勝ってこそなので次回のナゴヤはノルマは2勝と大変だけれど。


さて、この3試合、なんというか一筋縄では行かなかったものだったと思います。
初戦のような嫌な負け方をした試合、こういう試合が得てして「シーズンの重要なターニングポイント」になったと評されるものですが、それは決して正しくないというか、ポイントなるかどうかはその試合によって決まるのではなくその後の戦い方次第で「ただの1試合」になるか「シーズンの重要なターニングポイント」になるかが決まるのが真実です。
そこからずるずる負けてしまえばポイントになるし、気にせず次の試合から普通に試合が出来たようなら、いつの間にかそんな試合があったことは忘れ去られてしまう。
結果的に後に響いた試合だけが記憶に残り、「あぁいう嫌な負け方をした試合は重要なポイントになるんだよね」と順番のずれた考え方が、さもありなんとはびこってしまう。
そういう意味ではその後の2戦、非常にいい試合運びで初戦を「ただの1敗」に出来たと思います。

その初戦についてですけど、豊田清を落とすにしても、彼だけ特別扱いしないためには前田幸長が5戦連続失敗(後を次いだ投手がぬぐって直接的な失敗ではない試合もありましたけど)して初めて落ちたぐらいですから、どっかで2つか3つは失敗つまり負け試合を作る必要があったでしょう。
もちろん豊田清がしっかり使えて、初戦のような試合は全然必要ないってのが最善ですが、もし豊田が使えないのであれば、それを確定させるためにあぁいう必ず負け試合が必要となる。
抑えとして登板すべき場面以外でテストをするのは、それは“模擬試験”でしかなく、実際の試験ではない、実際に試験で合否判定を出さなければ誰しもが納得できる結果は導けない。
つまり抑えという存在を見極めるためには金曜のような試合は次善としては避けられない存在、金曜の試合に関しては相手や場所が違えどいつかはシーズンのどこかで起きることが必然だったであろうチーム全体として必要な負けです。

年間どんなチームでも60試合はつかえる「負け試合」というカードは必ず行使しなければいけません。それを行使せずに判断してしまうのは拙速による判断ミスを招きかねません。
先日の日記でも書きましたが、私は野球というスポーツは特性的に拙速によるミスよりも巧遅によるミスを受容する方が望ましいと思いますのでこれぐらいでいいと思います。
あれをなし崩しに他の投手で抑えておけば目先の1勝は得られたでしょうが、シーズン全体を見据えた長期的なビジョンが狂ってしまいます。
それよりも、1敗はしたもののそういう負けを引きずらないで済んだことのほうが1勝よりも大きなものだったと言えるでしょう。



んでまぁ2戦目、非常に判断が難しかった試合であったろうと思います。
私は豊田を出してしまえばいいと思っていました、打たれるなら打たれたで目先の1敗を犠牲にしてもそれで豊田に対するチームとしてのけじめは果たせられるであろうと。3戦目には高橋尚成が控えておりましたし、ノルマ1勝はそこに賭ければいいかなっていうのが正直な気持ちでした。
ただ結果的には豊田を使わずに勝利。これに関してはどっちを選択するにも十分正当な理由がありますし、判断がおかしいとは思いません。私が重視するものと、原監督が重視するものとが違っているためにどこに比重がおかれるかが違ってくるのでしょう。特に原監督は甲子園での試合というものに関してプレミアムをつけているようですし。
ただ戦前に、最初から今日は豊田は使うor使わないというのを決定した上で試合に臨んだことは正しかったと思います、それをせずに試合展開でなし崩しとかやっていたらたとえ使っていたにしても非難したでしょうが。
ただこれで豊田に関しては連投をテストする必要性が生まれました。週1登板で完璧に抑えられるなんて投手は抑えじゃないですから。そういう意味でも連続登板させたほうがついでに見極められたので楽だったのになぁと思うんですけどね。

んでまぁもう1つ、野口茂樹の中継ぎテストという意味合いもあったのだろうと予測できます、ここでいう中継ぎは“負け試合担当”ではなく“勝ち試合担当”のほう。
豊田離脱を見越して林昌範を抑えに回すのであれば(個人的には最も優れた中継ぎは抑えの1つ前が理想だと思うので賛成できないけどそれは別の話なのでここではおいておく)、どうしても左腕が足りなくなってしまう。
抑えは左右関係なく登板させるでしょうがその前の中継ぎは左右揃っていた方がよく、特に会田有志が左打者があまり苦にしないとされるアンダースローならばなおさら左腕の必要性は増してきちゃう。
ただこれも前に触れたように絶望的なまでに左腕が足りてません。個人的には無茶だと思うけれど、これからも野口茂樹をテストすることは何度か続くんじゃないかと思われます。



んで3戦目、非常にいい勝ち方でした、高橋尚成に失点がついたことが一番個人的には良かったです。
先日の内海哲也の投球もそうでしたけど、ノーヒットピッチングなど個人記録がかかっているところでそれが途切れてしまうと、そこにエアポケットが生まれてしまってガタガタと行ってしまい易いものですから。
長いシーズンで先発で何イニングも投げておきながら防御率0.00で終わるなんてのは、すごいを通り越して化け物も通り越して、漫画かアニメの世界。どっかで点を取られるのだからだったら上手な失点の仕方だけはしておいてもらいたかった。
そういう意味で言えばなんだか阪神に助けてもらったなぁという感もぬぐえなかったのがその失点の場面。テレビニュースでも須らくこの場面が取り上げられていた、まぁそれだけ素人目でもわかる勝負の分かれ目だったのだろう、福原に代打を送らなかった場面。
個人的に言えば、代打を送らなかったことも十分理解できます、代打を送っていても成功しているとは限らないし、送らないだけの十分な理由も幾らでも考え付く。今から「あの場面が分かれ目だったね」とまではいえるが「代打を出すべきだったね」とまでは言えないでしょう、それは結果論に過ぎないから。

そのうえで。あまり深く見ても居ないのに他チームのことを安易に批判することは避けたいけど、ただこうなってしまう遠因はあったはずだと私から見ていても感じます。
4回裏は5番からだったのだから1回か長くても2回までの中継ぎという想定で起用すべきだった、じゃあなぜそういう投手を使えなかったか。それは前日までの試合でその位置にいるはずの江草を本来とは違う場面で起用したからではないのかな。
金曜日のウィリアムスにしろ(あれも打順を考えて野手と入れ替えて2イニング投げさせていればそもそも12回までJFKだけでまかなえたはず)、土曜の江草にしろちょっと不可解な起用だったと思う。そのつけが本当に中継ぎが必要だった日曜の場面で登録したばかりの福原を投入せざるを得ないことに繋がったのではないのでしょうか。

巨人にはこれを他山の石として欲しいもの。豊田がこの調子ならば、しばらくは会田有志と林昌範に過剰な負担がかかるのは避けられなくなっちゃう。ただそこで安易に頼りすぎてしまえば、本当に必要な時につかえなくなってしまう、その方がよほどマイナスになる。
試合が壊れてしまうことを覚悟の上で、同点や1点ビハインドなど微妙な場面ではできるだけ会田や林以外の投手に任せるということもより必要になってくるでしょう。

ついでといってはなんですが、解説があまりにも面白かったので。5回表の阿部が犠打を失敗した場面。ランナー1・2塁の場面。
「この場面では阿部に送ってもらう方が阪神からすればありがたい、しかもバントが下手」といいながら、次打者の場面で「ここでは阪神からすればゲッツーが一番欲しいですね」って矛盾してるのに気づかないのかなぁ。
次打者に回った時の状況は「相手にとってゲッツーが一番欲しい場面」となるのが自明だから、その場面でゲッツーだけはないように前打者の阿部に犠打を選択するんでしょ。
阿部はもともと併殺が多い打者だし、次打者のホリンズは前の打席で併殺打、しかしここ最近良く打っている、けれど打球はほとんどがセンターより左、つまり併殺の危険性が高い。その次の打者の木村拓也は阿部・ホリンズ・木村のなかで一番足が速くゲッツーの可能性が低い。
次に状況だけれど中盤の5回、相手が直前の4回裏で1点を返しているが2点はリードしているという状況。となればここでは「点数を取る」のではなく「1点を取る」方が望ましい。
以上の条件を重ね合わせて考えていけば、ここで出すシナリオでは、阿部送って1塁を空ければ、ホリンズとは積極的には勝負してこないはずなので四球狙い、積極策はないように。犠打が成功していれば併殺はないので木村拓也まではまわせる。その上で木村拓也も決して調子が悪いわけでなく今日も1安打打ってるから期待できるってのが私なら通常描く基本中の基本シナリオだと思うんですけどね。
ちなみに例えば阿部が7番でホリンズ、投手とか続くならもちろん基本シナリオは全然違いますよ、他の条件も同じもし木村拓也が1本なければ阿部強行になりますし。
まぁ結果的に走者送れずでホリンズ勝負となって、ホリンズが打ったわけなんで全然シナリオどおりじゃないんですが。
あと実際にうまいかどうかは別として、伊原コーチが阿部のバントについてはキャンプ中から何度か「レギュラーの中でもっともうまい選手の1人」だと評していることぐらいは解説者として知識があっても良いんじゃないかと思います。
実際に巧いのかどうかはしりませんよ、私専門家じゃないんで。ただ伊原コーチは発言を信頼するに足る専門家だとは思いますが。

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