お詫び&訂正とおまけ

  • DIME
    2008年06月02日 17:11 visibility116

先日二回にかけて書いた、西武ドームの考察ですが、その後にネット上で公開されたデータによると、どうも大きな間違いがあるようです。
私の日記から多数誤解を招いてしまったと思いますので、お詫びして訂正します。

具体的に言うと、西武ドームのPFの異常に対して、エアアウト=フライとの関連性があり、フライが多いことがホームランの増加(=PFの異常)に繋がっている、と論理を展開したんですが、野球記録あら?カルトの久保さんが詳しく調べたところ、ホームラン数とエアアウト比の増加に相関性は見られませんでした。
もちろん、全体のサンプル数がまだ少ないんで、「相関性が無い」と断定できるものでもないんですが、上記の私の論理展開には大きな疑問が残ると言うには十分だと思います。
私のデータの収集があまりに少なすぎたようです、15分ぐらいで済むのかもしれないんですけど、その15分が耐えられないんですよね(笑)

ただ、パークファクターは異常な数値を示しています、それは変わりません。
偶然とするにはさすがに言えない試合数になってきましたし、相変わらず打ってますから、何らかの理由はあると思うんですよね。

一つの可能性としてはそれを示しえるデータが我々の手に入る範囲にはないのかもしれません。
言い訳をさせてもらえれば、何故フライアウトも増えているはずだと考えたのかというと「ホームラン」の認定基準、つまり「外野フェンス」という区分けが非常に曖昧な基準だからです。
「ボールの落下地点」を散布図で残してみた場合に外野フェンスを境にして、その外側だけが多くなってその内側は全く増えないっていうのは奇妙なんですよね。「後付け」の区切りである外野フェンスが“キレイな”境目になるとはちょっと考えにくい。一定以上の距離が出ている外野フライとホームランとに客観的な区別を付ける事は難しいはずです、「一定以上」をどこにおくかにもよりますが。
ただ、久保さんのところで掲示されているデータを見る限りでは、「フライアウトが増加し、それに付随してホームランも増加している」とは言えないようです。
となってくると例えば、「フライアウト・ゴロアウト」という定義にそもそも問題がある可能性、「フライアウト」という括りがあまりに大雑把過ぎて正しくないって事があるかもしれません。
「フライアウト」という区切りではなく、フライアウトの中をもっと細かく分類して、ホームランに類するフライと類さないフライとに分けなきゃいけないのかもしれません。
そうなってしまえば、現状ではお手上げに近いです、AVMシステムに準じるようなより精密な打球の分類が必要になります。

改めて繰り返しますが、「フライを打つようにする」という対策に関しては「フライを打つ」事と、「ホームランが増える」ことに相関性が見受けられないので、怪しいようです、謝罪して訂正させていただきます。

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んで、ついでですが、パークファクターについて、いくつか。
ただ私も自信のあるところではないので、間違っていたらあしからず。その節はついでに訂正も頂けるとありがたいです。

まず基本中の基本ですが、パークファクターっていうのはホームチームの出来に引っ張られるんじゃないか、具体的にいえば、「西武の打線が調子が良い」だけで、西武ドームのパークファクターが上がって当然じゃないのかという誤解があるようです。
先に断っておきますが、面倒なんで交流戦は無視して、リーグ内だけで書きます、交流戦が足されても本質的なところでの違いはありません。

パークファクターを計算式で言うと【(本拠地球場における本塁打+被本塁打)/(他球団本拠における本塁打+被本塁打)】になります。
誤解のあるところとして、直感的に「ホームでの試合は、他球場と比べて西武が5倍試合数が多いのだから、その分西武のチームとしての結果に引っ張られる」って思ってしまいがちです。実際はそんなことはありません。
考え方としては、「本拠地」を1つの球場とし、その対比として「その他のチームの本拠地球場を全て平均化した球場」を仮定し、その2つの球場を比較していると考えてください。
具体的にいえば、西武でいうなれば「西武ドーム」と「(札幌+宮城+千葉+大阪+福岡)/5 球場(=平均球場)」という感じです。
で、このとき分子の「西武ドーム」でやる試合に参加する打線はといえば、西武が60試合、その他の5球団が12試合ずつです。
それに対して分母の「平均球場では」まず札幌で日ハムが12試合、西武が12試合です、以下同じように「その他が12、西武が12」となります。これを最終的に合計すると、その他の5球団が12試合ずつで西武が60試合です。
なので、【(本拠地球場における本塁打+被本塁打)/(他球団本拠における本塁打+被本塁打)】という計算式において、西武も含めた各球団の打線が、それぞれ分母・分子に占める比率は同じです。
当然、「本拠地の方が西武打線が参加する割合が多いのだからそれに引っ張られるはずだ」なんてことはないわけです。

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で、もう1つ。パークファクターは「実数」ではなく「比率」です。この点を誤解しないでください。
現在発生している、「西武ドームでパークファクターが大きくなっている」という現象は、「西武が多数のホームランを打っている」事とはある意味、無関係です。
もし仮に「西武打線が調子が良い」だけであれば、“パークファクターは”異常を示さないんです。異常を示すのは“ホームランの本数”です、それを異常と表現するのは変ですが。
先に断っておきますが、以下では、わかりやすくするために「西武打線」だけに限って説明していますが、実際のパークファクターはもちろん「他球団の打線」も計算の中に入っています。そして前述の部分で説明したとおり、「他球団の打線」も分母と分子に同じように加わっているわけですからその反映のされ方は西武打線と同じです。

もし「西武打線の好調」が本塁打増産の原因のほとんどだとすれば、今の西武打線はむしろ西武ドーム以外のところでもっともっと打ってなければおかしいんです。
たくさん打ってる、それは打線が好調であるとみなせるでしょう。でも本当に「調子が良いだけ」なら、西武ドームで倍になれば、当然「平均球場」でも倍になってなきゃおかしいんです。
具体的に例えれば西武ドームで60本、平均球場で40本、合計で100本打てる打線が、倍の200本打てる打線になったとします。
この時、ただ「打線が良くなった」だけが理由だとすれば、それぞれの球場で倍になり、本数は西武ドームで120本、平均球場で80本という結果になるはずです。そして、この時は60/40=120/80ですから、パークファクターは変わりません。
ところが今年の結果は「本数も増加」していますが、同時に「パークファクターも増加」しています。そういう数字が出るためには、例えば西武ドーム140本、平均球場で60本などという結果が必要です。
この時は「打線が良くなった」だけでは説明できません。2つの球場で「増加率」が違いますから、こうなると「打線」そのものではなくて「球場」による違いがあるのではないかと考えないと理が通りません。パークファクターが増加するとはつまりそういうことです。
そして、今の西武の数字は後者です、単純増加はもちろんですが、「西武ドームが平均球場に比べて増加率が高い」んです。そこが“パークファクターの異常”の本質です、けっして“数が多い”が本質ではありません。
繰り返しますが、「打線が好調」なだけなら、平均球場、つまり他の本拠地で西武打線がもっと打っていなきゃおかしいんです、西武ドームに比べればその多さは全然足りないんです。
もし仮に、西武が現時点で40本ぐらいしか打ててなくても、その内訳が今と同じような比率であれば、パークファクターは同じように異常を示すんです。比率ですから。
今の西武打線に「異常なほど打っている」という要素は間違いなくあると思います、これを否定する気はありません。
しかし、「西武打線が打っている」事だけでは、「西武球場だけ比率が高い」って事の理由にはなりません。ここは誤解しちゃダメです。

補足しておきますが、「ある意味」無関係だといったように、「パークファクターの数値が高くなる」事が「ホームランの実数が多くなる」事とは全く無関係ってことはありませんので。
「打線と平均球場に変化はない」と仮定した上で「パークファクターが高くなった」とすれば、分母は変わらないのですから、分子が増加する以外に考えられません。なので実数は増えてるはずです、当たり前ですが。

う〜ん、正しく説明できてて、他人に理解してもらえる文章になってるかなぁ・・・自信が無い(笑)。
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