連勝と連投
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DIME
2007年04月14日 11:26 visibility91
我が愛する巨人軍は今年初の3連勝。まぁ星の悪い相手には勝ってもらわないといけないですからそれはいいんですけど。
んでまぁ負けたら負けたで批判して、勝てば勝ったで心配するのがファン心理というもの。
一昨日あたりから出ているのが抑えを誰にするかということと、中継ぎ陣の連投。
前者に関しては豊田清が抑えです、それ以外を検討する必要性すらまだ見い出せていません。まだ1月もたっていませんしね。結論を出すどころか検討するにも早すぎます。この時期にするのはいたずらに選手全体への信頼度を下げることにしかなりません。
後者に関しては、しょうがないとしか言いようがありません。
「勝ち試合において信頼度の高い投手のリレーを固定する」これが現在の分業方式の投手起用における鉄則です。勝ってる試合では必ず彼らが登板してそのまま勝ちをもたらしてくれる、その積み重ねが信頼へと繋がります。
連投を避けさせるために自発的に選べる手段が2つと相手依存の状況が1つあります。手段の1つは大量得点をとって彼らを使わなくてもいい試合とする、もう1つは先発投手に完投させる、です。最後の1つは大差で負ける、ということです。こればっかりもまたどうしようもありませんが、ここでも大事になってくるのは「負け試合」とする判断という事になります。大負けする試合はそのまま気持ちよく勝たせておいて味方の疲労を最小限に抑えるほうが懸命です。
ここで使うべき場面でも連投を考えて自重するという選択肢を安易に選ぶのは下中の下です。それこそチームのベーシックストラテジーを大きく崩してしまいます。
目の前にある「連投」という、瑣末な問題を解決するためにチーム全体として持たなければならない戦略を枉げてしまうのは、はっきりいって指揮官として或いは経営者として失格です。それぐらいであればはっきり言えば1試合投げた方がマシです、先発に若手でも起用して負けておいたほうがよっぽどチーム全体としてマイナスにならない。
これが顕著に見られたのが昨日の阪神です。1点差まで追い上げましたがJFKは温存した。結果的に昨日の試合は負けてしまいましたが、144分の1という瑣末よりも、JFKの疲労蓄積を避けるという長期的な理を選択できました。
はっきり言ってしまえば、1巨人ファンとすれば昨日は出てくれたほうが(たとえその後逆転勝ちしたとしても)ありがたかった、最終的には阪神にとってその方がマイナスになりますから。
ただまぁ4連投ぐらいはシーズン中なら、少なくとも優勝争いを望もうとするチームならいくらでもありうることです。むしろ6連投はあるつもりでいないと、本当の意味で信頼できる勝ちパターンの中継ぎとはなりえません。
そういう意味でも、タイプ的に軟投派で、本格派よりは疲労が残りにくいであろう会田有志を中継ぎに回しているというのは非常に理にかなっています。前に言ったとおり、私は中継ぎに求める唯一にして絶対の適性はシーズン投げ続けても壊れない“肩”だと考えています。
とはいえ会田有志という投手が本当に連投がきくのか、あまり疲労がたまらないのか、これはもう実際に試してみないと最終的な結論は出ませんけどね、フォームを見る限り大丈夫だとは思っていますし、そういうのの見極めについてはあまり外したことはないのですが、まぁ素人目ですから。
それを実際に確認するという意味でももうしばらくはこのまま会田有志はがんがん使っていくべきだと思います。
早めに彼に白星つけてあげたいですね。
最後にもう1つ、前田幸長について。
彼がキャンプで腕を下げて「左キラー」に特化することで生き残りを図ろうとしているというニュースを最初に聞いたときに私は非常に疑念を抱きました、ここだったか他のところだったかは覚えてませんがそれを書いたと思います。
彼自身が自分の生き残りをかけてそうやって進化しようとしていること自体に疑念を抱いているわけではありません。私が疑念を抱いたのは首脳陣の方です。
現首脳陣は投手起用の特徴として、左右関係なく調子のいい投手から起用しかつワンポイントのような起用は行わず出した投手には基本的に1イニングを任せるという傾向があるというのが私が巨人を見てきた感想です。実際に原監督もそういう起用が理想的であるという話をインタビューで何度かしていたのを見た覚えもあります。
そういう首脳陣の元で、果たして「左キラー」に特化しようというのはメリットにはたらくのかデメリットにはたらくのか、私にはどうしてもデメリットになるという疑念を払拭できませんでした。
現在の前田幸長は本人の調子が今ひとつということもあるかとおもいますが、やっぱり右打者を徹底的にぶつけられて調子を崩している気がします、それは逆に言えば右打者をぶつけられないような起用方法を首脳陣ができていないということでもあります。
結果的に前田幸長を端緒にして会田有志や林昌範の起用も、イニング途中からの起用になったり逆にイニングをまたいで起用となったりしています、これはあまりよろしくありません。
個人的には、左右関係なく起用する、という起用方針は賛成です。そういう基本方針を1名の投手によって乱されてしまうようであれば、その投手が能力があろうと起用しないほうが全体的に見て望ましいのではないかと思います。
んでまぁその前田幸長の状況に伴ってということですが、そろそろ山口鉄也を検討すべきでしょう。
現在の左腕は、ちょっと先発に持っていかれすぎていて頭数が足りません。ローテーションに入っている内海哲也、金刃憲人、高橋尚成はもとより、ロングリリーフ=準先発として控えている野口茂樹、2軍で先発としての適性を見られている深田拓也、
これに怪我の辻内崇伸と既に中継ぎに入っている林昌範と前田幸長を入れると残るはルーキーの上野貴久と深沢和帆だけです。上野貴久に関してはオープン戦で結果が出ずに再調整中ですが2軍でも結果は出ていませんし、深沢和帆に関してはまだ2軍でも登板がありませんから、キャンプ時の怪我がまだ治っていないと思われます。
以上から、前田幸長を落とした場合の選択肢がありません。やるなら、先発として名前をあげたところをどこか削るしかないでしょう。
ただ野口茂樹に関しては私は彼は中継ぎはできないと思いますから却下、深田拓也に関しては今年の投球スタイルであれば中継ぎはできませんから却下、やるなら金刃憲人か高橋尚成を回して他の先発候補をその穴にあてるというのが現在の選択肢の中では上策だと思います。
はっきりいってこういう状況になるというのは容易に想像が出来ていたので、2軍開幕が深田拓也だときいた時は、左腕が先発だらけなのにさらに先発に回すなんて何を考えているんだと思っていたんですけど、見てみると全然去年とは違う投手になっていて、2軍コーチ陣の適性の見極めと育成に頭を下げざるをえませんでした。
少なくとも日米野球の時の深田拓也を考えている人はイメージを完全に捨てたほうがいいです、あれが去年の深田だったのは間違いないのですが、でもはっきりいって今の深田のほうが戦力となるのも確か、そして今のピッチングスタイルでは中継ぎは無理だろうというの確かです。
かといって先発で結果を残している金刃憲人や高橋尚成を中継ぎにまわすのもチームとして不協和音を発生させる要因になりかねません。私は先発から勝ち試合の中継ぎに回るのは「昇格」だと思いますけれど、一般的にはそう思われていないでしょう。少なくとも金刃と高橋個人はそう思っていないようです。
以上から、山口鉄也の支配下登録を検討すべき状況にあると思います。まぁ個人的には別に左右にこだわらず中継ぎは使っていればいいと思いますので、前田幸長のかわりに誰か右腕をいれれば別にいいと思うんですけどね。
P.S
結局、中継ぎの方が薄かったでしょ(笑)>yakyutukuさん
- 事務局に通報しました。
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