ラミレス獲得の可能性

  • DIME
    2007年12月19日 11:55 visibility236

まず枠の問題で、この前名前が出ていたオーストラリア代表の左腕か、ラミレスかどっちかしかとらないでしょう、それかゴンザレスと契約しないか。まぁそのあたりは流動的なんでこの際置いておきます。

んで、本題ですがラミレス獲得について。これに関しては最初の立脚点がどこにあるのかということで私の中では全く評価が変わってきます。
クルーンのときに書いたように私の考え方は第一段階として「チームに於いてどの役割や属性を持った選手を補強する必要があるのか」についてその構想を評価し、それを踏まえて第二段階として「その属性を満たした選びうる候補選手の中でどの選手を獲得するのが一番望ましいか」についてその活動を評価するという順番なんですが、この第一段階においてどう考えているかによって評価が割れます。
ちなみに第二段階については、現時点で取りうる選択肢がほとんどなくなった(新外国人かラミレスぐらいしか残ってない)ので今回は書きません。

話を戻して、どこで割れるかを具体的にいうと、谷佳知との兼ね合いです、谷佳知とラミレスの共存を図るのか図らないのか、これによって全く変わってきます。先に言ってしまえば、共存を図るなら積極的な賛成はしない、逆に共存を図る気が無いのであれば全く持って反対する必要を感じないって所ですね。

では、まずチームに於いてどの役割や属性を持った選手を補強する必要があるのか、について考えてみますと、野手に関しては今年は主力野手6名がチームの中心となったわけですから、まず当然考えられるのはその6名以外のポジション、具体的にはセカンドとセンターという事になります。
そこで一旦話も進められるんですがとりあえず置いといて、ではその次に考えられるのはどこかというと、主力野手6名のうち一番低い部分という事になってきます。
ちなみにその次に考えられるのは、主力6名のなかで離脱の可能性が有り、仮に離脱者が出た場合にバックアップする選手が小粒である部分の補強となるでしょう。


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で、主力野手6名のうち一番低い部分、それがどこかといわれればレフト、谷です。
谷佳知に関しては今年打率チームトップで、リーグ全体でも3位ということで復活の印象が強いかと思います。
ただ彼の場合は打率は良いですけど、四死球が少ないため、平均的な一流選手と比べて打率が高くても出塁率が低い特徴が有ります。
そのため全体の数字・指標と比べて打率だけが傑出して高く出てしまいますから、旧態依然の打率偏重の世界の中で評価される谷は実像とかけ離れています。
他の指標もあわせて見ていくと打率だけで見るほど優れた結果を残していたとは必ずしも言えません。
特に長打率です。シーズン後半8〜10月で長打率.345、レギュラーとして使うにはあまりにも低すぎます。シーズン前半7月までが.471、出塁率が.350ぐらいが期待できたとしても(結構シビアな要求だと思います)、前半ぐらいの数値は欲しいところです。
特に大きな怪我などもなかったのにこれですから、「年間を通して活躍した」と言い切るには疑問が残りますし、復活とはいっても、完全に主力と言い切るには少しまだ足りてないというのが実情だと思います。
もちろん2番打者として、数字に表れない貢献が大きくあったという評価も理解は出来るのですが、それがこの数字をひっくり返すほどの大きなものであるのかどうかは正直私はそう思えません。

総合指標などで判断する限り、今年の谷ははっきりいってレギュラーとして満足できるものでは有りません。
絶対値で見る限りでは、谷か二岡智宏かとなってくるのですが、遊撃は比較的強打者を置きづらいポジションであり、相対的に見れば今年の二岡(例年の二岡より出来は悪い方でしょう)でさえ、結果を残している遊撃手だと言えます。
それに対して、比較的強打者が置かれることの多いレフト(今年のセでは金本、ラミレス、森野、前田、佐伯他)で、今年の成績となると、やはり相対的な評価でどうしてもより低くなってきます。
現在の巨人の場合、本来ならあまり強打者が期待できないポジション、具体的には捕手と遊撃においてリーグでトップクラスの攻撃力をもつ選手が存在していますので、その分、通常なら強打者が据えられるポジション、1塁、3塁、レフトに多少攻撃能力の劣る選手を据えても問題は無いのですが、他によりよい選択肢があるのならば、そちらを選択する方が望ましいのはいうまでも有りません。

で、ラミレスです。彼も早打ち大魔王なんで四死球が少ないですがあれだけの打率があれば十分、2位と3位とは言え2部5厘も違います。出塁率と打率の関係性だけを見れば非常に似通っています。この点をマイナス評価するのであれば二人ともマイナス評価となりますので相対的にどちらがよいという理由付けには不適格です。
んで、もちろん長打力に関しては、圧倒的にラミレスの方が高いのはいうまでもないでしょう。

また、来シーズン以降に対して安定した結果が望めるかどうかについても、谷が去年までの数シーズンは怪我に泣き、今年ようやく復調してきたとはいってもシーズン後半は息切れしていたのに対して、ラミレスは去年は悪かったものの、ここ数年たいした離脱もなく、一定以上の成績は残しているわけですから、計算が立ちやすいのはラミレスでしょう。ちなみに年齢はラミレスのほうが1歳年下です。

以上から、谷佳知を使うぐらいならラミレスという意図を持って、つまりどちらかコンバートとかせずにどちらか1名のよい方を使い、だめな方を外すつもりでいるのだとすれば、ラミレスの獲得に反対する要素がほぼ見つからないかな。
むしろ現在の状況を「選びうる選択肢の中に、谷佳知とラミレスという2つの選択肢がある状態」と考えれば、ラミレスという選択肢を選ばない方が批判に値します。


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ただ、チームに於いてどの役割や属性を持った選手を補強する必要があるのかと考えた時に、まず考えられるセンターという役割を満たすための選択肢としてラミレス獲得を考えているのだとすれば、正直賛成しがたい部分が有ります。
具体的に言えば「1名をセンターにコンバートして1名をレフト」とか考えているんだったらってことですね。彼らのどちらか片方がセンターという補強ポイントを満たしうるかといえば疑問が残ります。
もちろん、守備力というのはどうしても客観的評価が難しく主観的評価にならざるを得ない部分ではあるんで、その理由を掲げることが非常に難しいのですけれど。

その中でも数少ない取っ掛かりとしてたとえば今年のレンジファクターを見る限りでは(数値に関してはリンク先を参照)、やはり谷の数値は結構低い、もちろんパークファクターをはじめ、補正のかかっていない数値だからどこまで信頼できるかは微妙なところですが、さすがにプロ野球の外野手の中で守備力は低い方に属することは間違いないでしょう。
往年のネームバリューがあるのでどうしても高く評価されがちですが、3拍子揃った守備力も高い選手だという見立てはもはや谷には持たない方が良く、むしろ、もしコンバートをするんだったらラミレスをセンターに回したほうがいいんじゃないだろうかと思うぐらい。
特に肩の具合がよろしく無い気がするんですよね、感覚的にクロスプレーになるなと思うタイミングの場面がまったくそうならない、あくまで私の主観ですがそう感じることが多かったです、この点に関しては肘のクリーニング手術がよい方向に影響を与えるかもしれません。
ただ清水隆行やホリンズのセンターで何とかなっていたといえば何とかなってましたからねえ、守備力というものをどこまで重視する必要があるのか、特に東京ドームを本拠地とする巨人の場合って所も判断を難しくさせてくれちゃいます。

あと付け加えるとすれば、「安易にコンバートをする前提で打撃から先に選手を決めていき、ポジションがかぶったら似通ったところに回してとりあえず解決を試みる」というのは、ここ数年巨人が行ってきて失敗してきたものの考え方である、という点はやはり注意喚起しておきたい。
それぐらいしか言いようが無いんだけれども、なんとなーく、コンバート前提でラミレスと谷佳知の共存を図るというのは微妙。根拠の無いことを言って申し訳ないですが。
チーム編成の考え方としては、そういう穴埋めで物事を考えるのではなく、他球団より高いレベルでのチーム内競争を誘発し、その中で勝ち残った選手を使っていくという戦略にたっていて欲しい。そういう意味でもどちらかをセンターに回してという安易な解決策は取って欲しくないなと感じます。

その他に付け加えるとすれば、2名に1塁守備を練習させておいて、上手な方を1塁手の離脱した場合のバックアップも兼ねるというのもあっていいのかなぁとも思います。最初の方に書いたようにバックアップメンバーが一番小粒なのはそこなので。
ただしこの場合は3塁手(=小笠原)が離脱したときに李承ヨプを3塁とかいうわけにも行かないので解決できるのは1塁手の方のみとなってしまうのですが、他に計算が立ちそうな選手がいない中で1塁手だけでもバックアップが出来るとすれば、多少はマシになるでしょう。

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