中村問題 これは「悪魔の囁き」だよ

  • DIME
    2007年02月13日 00:31 visibility123

先に断っておきますが、私は中日を批判したい心づもりはありません。むしろこのニュースを見た時に、さすがは中日、と思ったほどです。

ただただ中村が損をするということは交渉相手の中日にとって得をするって事に過ぎません。となればこれは損だぞって指摘すれば中日が得をするぞって指摘することになるってことだけですから。

 

はじめてこのニュースを見た時に思ったのは「育成契約だったら契約しない方がいい」ってことでした。

育成選手に関しては散々規約を読み込んでいますから人並みには知識があると思いますが、ここで育成選手契約をすることは中村選手側にとってはメリットがあまりないんですよね。

  

ここで大事なのは「最初から育成契約で考えている」ということです。これはつまり現時点での戦力構想には入っていないが万が一怪我人などが出て戦力が構想内で足りなくなった場合(以降事故と称します)に(これが良くあることなのはこちらで説明したとおりです) カバーできるようにっていう意図だと考えられます。

 

ちなみに前年度支配下にあった選手を育成選手として契約する場合は“必ず”1年後に支配下選手にするか自由契約にしなければなりません。今の中村の立場(前年度支配下枠選手)は育成選手として数年間抱えることは不可能です。 

 

ただ“事故”が起きる原因は「70人枠の限界」ですからどの球団でも十分考えられるわけです。だったとすればここで中日と育成契約を結んでしまうと他球団にもし“事故”が起きた時に、当然中村は他球団と契約を結ぶことは出来ません。

 

そしてこの“事故”はだいたい年に1球団以上に起きています、“事故”であく穴が中村と被るかどうかは未知数ですが。

そういう状況を踏まえると、中日がこの段階で中村を育成契約で囲っておくことは誤解を恐れずに言えば「飼い殺し」戦略であるといえます。自球団での可能性に備えると同時に他球団にその可能性が生じた時に「中村」という選択肢を選ぶ事が出来ないようにしておくわけです。

繰り返しますが私はそれを非難する気はありません。現在の制度上そうすることは可能なのですから可能な手段は全て検討するのが有能な球団というものです。

 

 

 

 

この件に関して中村側から考えれば、中村本人やその周辺が「十分1軍でやっていける」と確信しているのであれば、ここで育成選手として契約しておくのは「12の可能性を1つに減らす」ことにしかなりません。

逆にメリットとしては「浪人じゃなくなる」って事ぐらいしかありません。そのメリットがどれほど重荷であるのかは他人の私には計り知れませんが、私はするべきでないと思います。

もし仮に「1軍で活躍できるだけの状態に戻るのはもうしばらくかかる」状態であるのであるならば1年間中日に育成選手として囲ってもらうのは十分アリ(というか1年後は自由契約が確約されてるので最高)でしょう。 

逆に中日側とすればこの1年間を育成選手のまま抱えておくことには何のメリットもないのでもし「1軍で活躍できるだけの状態に戻るのはもうしばらくかかる」状態であればそもそもテストで合格しないと思います。しかし「十分1軍でやっていける」と踏んでいるのであれば中日側は大きなメリットがありますから育成選手契約を結ぼうとするでしょう。

 

しかもこのタイミングであれば「中村のワガママ」と嵐のように吹き荒れた批判もピークを過ぎ、逆にだんだん同情論が昇ってくる頃です。

このタイミングで手を差し伸べるのは見た目としてはホワイトナイトに見えると思います。育成選手契約についても多くの方に知られているものでもありませんし。そういう点から考えてもやっぱり中日は上手だなぁと思います。

例えばヤクルトの古田監督の手の差し伸べにしても今ぐらいのタイミングでやっていればまだうまくいった可能性があると思います。

中日のこの行為はほんとに機を見るに敏、特に親会社もあってマスコミを通じた風評の機に関しては素晴らしいんじゃないでしょうか。

 

浪人している時にこういう手が差し伸べられるとそれが非常に「甘美な囁き」に聞こえてしまうでしょうが私はこれは「悪魔の囁き」だと思いますね。

ただ「浪人」であることの辛さは私には計り知れません。体の本当の状態も知りませんからあくまで傍から見ただけの無責任な意見であり、ここで中村選手が育成選手の道を選択したのだとしても私は応援したいと思います。

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