【NPB】 アジアシリーズ雑感と私が巨人ファンの理由
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DIME
2006年11月13日 00:44 visibility112
ほんとに「無事に」をつけたくなるような優勝だった。
得点数を競い合う競技ではどれだけ守備能力が高くても慣れるのは「負けない」チームまでで、得点を取れなきゃ勝てはしない。
そして同時に一定以下の実力差程度なら0点になる確率が少ないくなる競技である以上、得点能力がある程度ないとどれだけ守備力が高くても負ける確率は結構上昇する。
こればっかりは野球というスポーツの特性である以上うまく付き合わなきゃいけないわけだが、この付き合い方が難しい。
勝って当然という試合を勝つということの難しさにかけては1・2を争えるスポーツだろう。そういう意味じゃほんと日ハムはよくやった。
チーム別に話すととりあえず中国代表チームは、夏場に遠征に来て2軍チームと対戦して行ったメンバーとほぼ一緒だったし、あのときは確か3勝8敗だったかん、とりあえずそのぐらいの成績だった。
その2軍チームにしても2軍でも出場機会の少ない若手中心だったりすることがほとんどだったので実態としては2軍半。となれば実力は社会人中堅チームぐらいか。
やっぱり他国にくらべてあまりに差がありすぎる。これでも結構すごい勢いで成長してるけれど、でも今の成長速度じゃ五輪には間に合わないな。
台湾と韓国チームに関してはあんまり印象が残らなかった。あえて言えば外国人選手ぐらいか。あーこいつどこかで見たなぁとか、こんな投球できる投手だったか×3名とか。
自分が一番気になったのは結局は観客数の方で。結果としては
11/9
台湾×中国:2127
日本×韓国:15147
11/10
中国×韓国:2024
日本×台湾:11038
11/11
日本×中国:12337
台湾×韓国:6445
11/12
決勝:24580
総平均:10528.3
日本戦平均:15775.5
日本戦意外合計(×平均):10596
ちなみに、去年の場合は
11/10
台湾×中国:2643
日本×韓国:27305
11/11
中国×韓国:2036
日本×台湾:18911
11/12
日本×中国:26564
台湾×韓国:6340
11/13
決勝:37078
総平均:17268.1
日本戦平均:27464.5
日本戦意外合計(×平均):11019
去年のロッテはなんていうか、ファン大爆発していたのであんまり参考にしにくいところがあるのですけど、それ以外の試合で微減しているっていうのが気になるところ。
平日とかじゃなくて祝日開催だったら値段からしても学生が来たりとかも出来るんだろうけどなぁ。
しかしアジアシリーズは日本でやらなきゃ採算が取れないとか言う話だったけど、こんな調子だったら韓国や台湾でやってもいいんじゃないのかなぁ。中継自体は時差もないしやれるだろうから放映権料収入はどこでやってもかわらないだろう。
入場料収入に関してはこんな調子じゃそう変わらない・・・・あぁ入場料格差の問題があるかもしれないな。いやでも日本でもほとんど外野の自由席しか埋まってないからなぁ、あれじゃあ1人平均2000円がせいぜいだろうし、それぐらいなら韓国でも可能だろう。
外国開催は検討できるかもしれない。その理由が日本でやってもどうせ収支があがらないからっていうのはむなしいところだが。
ちなみにテレビ中継で解説者が優勝チームのフランチャイズでやればいいのにとか言っていたけど、それをするのにいったいいくらかかるかわかっているんだろうか。
アジアシリーズのために12球団の全ての球場はとりあえず「仮押さえ」しておかなければならない。ほとんどの球場は球団もちじゃなくて自治体などに間借りしてる。この金額はびっくりするほど高い。
これにとどまらず、野球解説者ってひとたちは(元野球選手だから当然といえば当然だが)金銭的に途方もないことを結構平気で言っている。どうもアイディアを出すときに費用を考えるという概念がないらしい、まぁ無い人の方が多いけど。
ただ間違いなく言えることはそういう視点・考え方をしないような人は絶対経営者に向いていない。たまにプロ野球OBをもっと球団の中枢にすえろなんて言いだす人がいるけどそんなことしたらマジで潰れますよ。
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それにしてもこれぐらいだと間違いなく赤字だろうなぁ。コナミはあくまで冠の「協賛」だから損失補てんタイプでの契約を行っているとは思えないし、結局は読売新聞がかぶっているんだろうなぁ。
こういうことをすると「読売がしゃしゃり出て」とか言われるわけなんだが、じゃあ読売が出なければ誰がするのって言うと金のないNPBが出来るわけがない。
そのNPBにお金を持たせようとして全部の球団から集金しようとすれば「うちはそんなことに出すお金はない」。じゃあアジアシリーズなんて必要ないかって聞けば、「アジアシリーズの理念と必要性には賛同する」。でも泥は被ろうとしない、おかしくないか?
もちろん読売側にさ、球界を牛耳りたいとかそういう意図があってこういうことをしてるのもあるだろう。でもだからといって他球団に何にも問題ないか?むしろ本当に問題あるのはそっちだろうよ。
読売から主導権を奪いたいのであれば、こういうのをNPB主催にするときにみんなでお金を出し合って読売の出る幕を削ればいい。
なんで読売が出てくるか、他球団が金を出さないからでしょ、隙を見せるからでしょ、他球団が野球全体のことを考えたこういうアジアシリーズのようなものにお金を出すという行動をしないからでしょ。
読売に野球界の権力が集中しているのは、それを「削る努力」を他球団がしないからだ。読売がもたらす恩恵の分け前をいただいている方が楽だからと努力を放棄しているからだ。
読売が既にNPBも牛耳ってるから?コミッショナーも読売の息がかかっているから?ただの言い訳でしょ。それは他の球団が努力をしなかった結果としていま存在するものでしょ。その状況を導いたのは他球団だよ。
巨人に権力が集中しているのを改善したいのであるならば昔パリーグがそうして生まれたようにNPBから脱退して読売ハブにしてリーグ作ればいい。何故それが出来ない。それをしようとしない。
革命はさ、「支配者」側が社会構成が間違っていましたから改めてますって始まるものじゃない。市民が蜂起して起こすものだ。市民が格差社会に納得して安穏としている限りは革命はおきない。
プロ野球界に対して革命を求めようとしている多くの人は革命がおきないことに対して怒る対象が間違ってるよ。「支配者」側に対してあなたたちは間違っているから正しなさいと指導しても自分たちの既得権益がなくならないように正さないはずがないじゃん。
巨人は、読売は、自分の球団の利益の最大化を意図して全ての行動を行っているし、全ての権力を行使している。1球団の方針としてそれの何が悪いことか。
巨人に球界の盟主としてもっとプロ野球界全体のことを考えた行動を要求し、もし巨人がそういう行動をしたらどうなるか、結局根本的に巨人が支配者として君臨する構造は変わらない。
「支配者」に対して民草のことも考えた行動をしてくださいと要求して、よしんば「支配者」がそれを聞き入れたとして何らかの改善があっても、「支配者」が「支配者」であることは代わらない。
巨人に対してプロ野球界全体のことを考えて行動しろとか、巨人のことばかり考えるなと要求する時点でそもそもおかしな事を言ってるんだよ。怒るべきは他のチームでしょ、巨人になんでそんな暴挙を許してるんだと怒らなきゃ。
巨人にやらせている泥かぶりを、損失補てんを、全ての球団で負いましょうって他球団が言わない限り何にも変わらない。巨人が現在もっている権力はそのまま巨人が「プロ野球」に対して背負っている責任の裏返しだ。
その責任=金銭負担を奪わない限りは権力も奪えない。金を出されたままじゃ「じゃあ金を出さないよ」って言われたら動けなくなってしまう、そこに権力というものは生まれるんだよ。生まれるべくして生まれてる権力だ。
泥は巨人が被ったままで、でも権利と利益はわけろって言ったって巨人が手放すはずないし、表面上手放したとしてもお金を出している限りは実質的には手放したことにはならない。
今巨人は間違った行動をしているか、私はしていないと思う。
ここで巨人が球界全体のことを考えるような行動をして、もしそれで改善されてしまえば、それでひとまず問題がなくなってしまう。
問題が発生していないときに改革が起きるか。起きるはずがないのはこれまでのプロ野球界を見ていれば明らかだ。それでは根本的な構造問題の解決にはならない。またいつか同じ事が起きる。
このことは巨人側はわかっている。色のつけられた記事ではなく、インタビュー映像や記事など生の言葉を拾ってくれば巨人経営陣は改革を待っている。そしてその改革は巨人から始まってはならないことを知っている。
巨人がするべきはただ「悪役」に徹することである。巨人が改革の旗手になってはならない。
ただ巨人にも限界はある、限界が来れば自ら動き出すだろう。ただそれは「改革の始まり」ではなく「ゲームオーバー」だ。
だから私にとって巨人という球団は魅力的で面白いのだ。
- 事務局に通報しました。
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