今日の甲子園…(第3日)

今日は何と言っても地元福岡飯塚と沖縄浦添商の対決でしょう…

 昨日の注目選手でも挙げていた通り、私は地元ということもあり飯塚を高評価していました…福岡県の決勝戦を観戦し、このチームなら全国でも戦える、と感じたのでした。しかし結果は…

浦添商
002020300:7
000000000:0
飯塚

 昨日の城北−宮崎商と同じような展開。まさかこのような点差が開くとは思ってもいませんでした。ではこの試合を回顧してみたいと思います。

 まず飯塚の左腕エース辛島君の立ち上がり、いきなり1番山城君にいい当たりを左中間に打たれます。ここでキャプテン伊藤君がダイビングキャッチ!!!助けられます。
 それから2回までは打者6人で打ち取り、球数はわずか15球。カーブのコントロール抜群で、スライダーのキレもかなりあり、この時点でやはり今日は投手戦になるな、と思っていました…

 浦添商エースの伊波君は初回を3人で打ち取りますが、2回に先頭打者4番今塩屋君にレフト前へヒットを打たれます。盗塁と送りバントで1アウト3塁、6番辛島君の3球目、カットボールを空振りした辛島君。ボールはワンバウンドとなりキャッチャー山城君が後逸…もちろん3塁ランナー今塩屋君はホームへ!!!
 しかしキャッチャー山城君の動きは素晴らしかった。素早くボールに追いつくとスライディングでボールを掴み、すぐにベースカバーの伊波君へ…タッチアウト!ピンチを救いました…
 動きが違うな、と痛感させられたプレーでした。

 辛島君は3回に捕まります。ただ私は打たれた、とは思っていません…この日飯塚は3つのエラー…これが痛かった…やはりエラーしたチームが負けますね。1アウト後、8番嘉陽君の打席でセカンドがトンネル…その後、送って2アウトながら2塁。ここで先ほどナイススプレーの1番山城君。あたりはボテボテですが、無常にもレフト前に転がります。ボテボテだったため2塁ランナーはホームに生還、浦添商が先制点を挙げます。
 続く2番漢那君の打球はショート後ろへのフライ。完全に打ち取った打球。ショート金君が後ろ向きでグローブを出しますが、捕れません…
 ここで注目は浦添商の走塁です。このテキサスヒットの間に、ランナーは全力疾走で2・3塁とするのです。この走塁が、次の打者3番伊波君のレフト前で1点追加という結果を生み出しました。伊波君の当たりも決して良くなかったんですが…
 この回辛島君は3安打を打たれますが、私はヒット性の当たりは1本もなかったと思います。普通に守っていれば、点は取られていないでしょう…悔やまれます…

 そして5回表浦添商の攻撃。この回は確実に辛島君が打ち込まれます。2本の3塁打とヒットで2点を献上…4−0となります。
 辛島君はこの回辺りからボールが高めに浮き出します。それと私が見た福岡決勝で素晴らしい投球をしていたチェンジアップをほとんど投げないのです…

今日のポイント�
 高めに浮くボール。智弁和歌山の岡田君のところでボールが高めに浮くのは、という話をしましたが、高めに浮く原因はいろいろあります。辛島君の場合はしっかり体を使って腕が振れていないためにリリースポイントが後ろになり過ぎていたように感じます。
 彼の投球でいいところは7〜8割の力でストレートや変化球を投げ、コントロール良く冷静に投げるピッチングです。ここで重要になるのが7〜8割の力と言っても全身はしっかり使って投げる、ということです。力の入れ具合が7〜8割というだけであって、投球フォーム自体、フォームの大きさは変わってはいけないのです…
 しかし今日の辛島君の投球フォームは5回以降フォロースルーが小さくなっていました。そうなると腕が振れていない状況となり、ボールを低めにコントロールできなくなってしまうのです。
 もっとしっかり肩甲骨をキャッチャーに見せるように全身を使えていれば、リリースポイントは自然と前に行き、低目へコントロールできていたはずです…いつもの辛島君ではありませんでした…

今日のポイント�
 チェンジアップを使わない???テレビの解説者も言われていましたが、『チェンジアップが良いと聞いていたのですがあまり投げませんね』と…私も同感、あれだけ良かったチェンジアップをほとんど投げていません。この理由を本当に知りたい…
 決め球として隠していたのか?まさかそんなことはないでしょう。キャッチャー松本君の判断(リード)なのか、辛島君の調子(チェンジアップを投げれなかった何か理由)が悪かったのか?
 本領を発揮できないまま負けてしまった辛島君を見て、こんなはずじゃなかったのに、と思った福岡県民は少なくないでしょう…
 あと気になったのは、キャッチャー松本君のポジショニング。凄く動くんですね。内角に構えていたかと思いや外に動くといった感じ。あれでは辛島君が安心して投球できないだろうと感じていました。もっと堂々と構えて欲しかったですね。
 結局あれだけポジションを動いても、浦添商は横目でキャッチャーのポジションを把握し、しっかりとボールを叩いていましたからね…

 飯塚打線は好投手伊波君相手に打ち負けてはいませんでした。結局8安打を放つのですが、無得点…バントを決めれない?やらない?のが結局後に響きました…4回5回は1アウトから連続でダブルプレー…これでは点は取れません…
 吉田監督も試合後『点差が離れればバントでは追いつけない、打つしかなかった』とコメント。
 4回は1アウト1・2塁でバッター県予選で当たっていたピッチャーの辛島君。ここで強打はしょうがないか…結局4・6・3のダブルプレー。
 5回は0−4と4点ビハインドとはいえ1点を取るためにやはり送った方が良かったのではないかと、結果論ですが思ってしまいます…

 伊波君は9回を1人で投げ抜き91球の省エネ投法。低めに投げるピッチングで打たせてとり、三振は0ですが、無四球で完封。18個の内野ゴロで飯塚打線を抑えました。ストレートは146キロ出し、カットボールは低めに決まっていました。
 いいピッチャーではありますが、打てないピッチャーでもないと思います。今後は打たれても自分のピッチングを行い、ゴロを打たせられるかがカギとなるのではないでしょうか?

 浦添商の攻撃陣ですが、印象に残ったのは走塁。かなり速いタイムでダイヤモンドを駆け抜けます。9番上地君は1塁到達3秒99と4秒を切ります。3塁打では11秒38、12秒20で速いと言われるタイムでこの速さ。残りの3塁打2本(漢那君、宮平君)も12秒09と12秒12というタイム。
 選抜優勝の沖縄尚学も素晴らしい走塁をしていましたが、浦添商も負けてはいません。沖縄の選手は全力疾走する選手が多いんですよね。

 ということで、私が初戦で1番注目していたカードは予想以上の点差がついてしまいました。そこでこの試合のポイントは…
�辛島君のピッチングフォーム
�松本君の配球(チェンジアップを投げていない)
�ヒットが出ても点が取れない戦術 ではなかったかと感じております。

 福岡県は最近なかなか上位に食い込めません。県内の選手が県外に出て行っているのです。福岡県から甲子園に出場するには数多い有力校があるため非常に難しい状況です。
 そのため、高校数の少ない県や、他県の強豪校に留学するのです。今年の選抜大会では福岡県の高校は出場していません。しかしながら福岡県出身の選手は16人もいたのです。
 これでは福岡県は全国では勝ち上がれないのでは…と思ってしまいます。慶応にも横浜にも大阪桐蔭にも広陵にも青森山田にも福岡県出身の選手がいるのです。もちろん大分、熊本、鹿児島にもいます…

 福岡県高野連も、何か対策を考えないといけないのではないでしょうか?

 早々と福岡県勢がいなくなり、淋しくなった甲子園ですが、まだまだ熱い戦いが続きます!!!<!-- __entry_body_end__ -->

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。