ホームタウンサミットIN大分
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太田町見付
2012年02月14日 22:49 visibility433
平成年月日(土)・日(日)の両日、大分市において第回全国ホームタウンサミットが開催された。平成年は大分市の市制施行周年であり、その記念事業の一環としてホームタウンサミットを誘致したものの、先の震災により当初月に予定されていた開催日が、本日に延期されたものである。
今回のテーマは「見ち、聞いち、感じちょくれ、大分んスポーツはあちぃ~(熱い)で!」。大分市は大分トリニータだけでなく、バレーVリーグの大分三好ヴァイセアドラー、フットサルFリーグのバサジィ大分、バスケットbjリーグの大分ヒートデビル(それぞれのクラブチームは今回の協賛となっている)と、プロスポーツをチームも有するスポーツ大国である。さりながら、その魅力が全国に十分発信されていない現実がある。そのような現状を踏まえた上で、地方におけるスポーツ文化の向上について活発な意見交換がなされた。
○基調講演
基調講演はサッカー解説者のセルジオ越後氏。演題は「スポーツにおける町づくり」。
氏からは、各地のW杯で作った競技場を持て余している現状を指摘、大分のその一つといきなりの辛口批評。仙台に至っては全く使わない。J2草津もJ2だから前橋を使わざるえない現状がある。草津で3000人集めたほうがよほど効果的である。
Jリーグが発足して年、企業から地域への理念は素晴らしいが、結局現状は変わっていない。親会社が業績不振になるとスポーツが活動を自粛する、廃部になることをみてもそれがわかる。そして一度撤退したら、業績が回復しても戻ることはない。あのヴェルデイでさえ、読売・日本テレビが撤退したら消滅の危機に見舞われた。それはプロ野球でも同じこと。そろそろ親会社から離れる「親離れ」が必要ではないか。年もたったのだから今度は親に援助するくらいにならなければならない。
現在、日本の教育は種目ごとの縦割りとなっている。サッカーならサッカー。野球なら野球。バスケットならバスケット。他のスポーツ間の連携が全く生まれてこない。私がアイスホッケーのSDを引き受けたとき、周りの反応は冷ややかであった。他の種目を知ることにより、その知人友人をサッカーに連れてくることができるのではないか。人を知ればそれが倍、倍になっていく。
日本の犯罪検挙率が低下したのは高度情報化により他人に関心を持たなくなったからではないか。他人と接することなく暮らせるのが今の日本であるが、それではだめ。挨拶をかわす。そして会話を重ねる。人と人が接することにより、そこに文化が生まれる。それが財産となる。
テレビ、雑誌でおなじみの辛口批評は日本における文明批評にもおよび、人とのつながりが地域再生、日本再生のカギとなることを説いていただいた。
○分科会
分科会は、「クラブ運営について」を選択し、聴講した。
大分トリニータの青野社長より「大分フットボールクラブの運営状況」、大分市に拠点を置く少年サッカークラブNPOカティオーラ理事長斉藤氏より「地域に根差したクラブ運営」とつの事例報告を題材に、ゲストコメンテーターとして桐蔭横浜大学助教授有本氏よりイングランドのホームタウンのあり方を紹介していただいた。
青野社長は、県より出向した際、債務超過に陥り経営破たんした状態であったが、3年で現在1億の利益を出すまでになったことが紹介された。従来の経営は勝利することにより観客動員を増やしていくものであったが、ナビスコ杯優勝を機にその手法も破綻し、ようやく地域に根差した活動をするようになったこと。また同時に、信頼回復に向けそして、自信を失った社員達に自信を取り戻すべく社内改革を進めていることが今の利益1億は債務返済に充てているが、3年後、4年後はそれが資本となりチーム強化の資金にかわるものとなる。3年後、4年後は勝負の年と思っている。チーム再建の決意を合わせて述べられた。
有本氏からは、チーム、スタジアムにはそれぞれ地域性、特殊性がある。それは場合によっては作られたもの幻想にすきないかもしれないが、それらがあることによってその独特の雰囲気が醸成され地域と一体となるのではないかと提言された。また、スタジアムのネーミングライツにも触れられ、場合によってはサポーターが出資し企業から名前を取り戻してはいかがだろうかと提案があった。
○地域活動報告会
2日目は、地域活動報告として、大分銀行の徳永氏、大分朝日放送の佐保氏より、「ワールドキャッチボールクラッシック」と題した、県出身者を中心としたプロ野球選手と、市民のキャッチボールイベントの開催経緯とその後の反響について報告がされた。
このイベントは他のプロスポーツはあっても野球選手とのふれあう機会のない大分で何か発信するツールがないかと企画されたものである。そして、このイベントを機に、スリランカに野球道具を送るという活動に発展したことが紹介された。
2つ目の地域活動報告は、九州のJリーグ5球団社長が一堂に会しての「クラブ運営の活動と連携について」と題してのパネルデスカッション。
他地域から九州はひとつと思われがちであるものの、そこには連携協調と切磋琢磨しあう現実があることが社長の生の声で発表された。
そして、九州全体で集客力を向上するために「九州だJ」という共通のキャッチコピーを使い様々なイベントを企画し実践している現状を、時には笑いを交えながら報告された。
○まとめ
閉会にあたって、次回の開催地の発表がされ、次回は横浜市がホストとなることが宣言された。
2日間を通じて、地域に根差したクラブ運営が必要であること、それでいながら、各地方クラブは同一の問題点を抱えている現状を再認識した。
ただ残念なことに、せっかく大分のプロスポーツが4つあるにもかかわらず、その4社の具体的な連携の内容、活動状況の報告等がなかった(展示スペースは設けられていたが)のが残念である。
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