【サッカー 甲府】 通帳のケタも足りず ATMじゃもうおろせない

 「初物を食べると75日寿命が延びる」ということわざをご存知か。


 初物はやはり新しい生命の力をいただくから長生きできるのであろうが(諸説あります)、その恩恵にあずかることができないのが我が甲府。J2リーグ発足当初からいる甲府にとってその後、順次J2昇格してきたチームと対戦するとその初戦は勝利できないとの情けないジンクスがある。逆に相手チームは間違いなく勝ち点1はゲットできるという寸法。


 


 昨年J2に昇格したガイナーレ鳥取とは、今季になってようやく同じカテゴリーでの戦い。だから、対戦は今回が初めて。あの忌まわしいジンクスが発動するかもしれない。それはサポ仲間も十分承知。対戦前にする話題といったらこればかり。スタジアムで販売される大山Gビールの恰好のつまみ。


 


 ゲームは、まさにガイナーレ鳥取の術中にはまったようなゲーム。


 当然のことながら、審判のジャッジについてはいろいろ言いたいことはあろうが、局面の打開ができなかった自分たちを呪うばかり。


 


 ボールをダヴィに集めるものの、そこにDFのみならず中盤の選手も上がってきて仕事をさせないように囲む。当然のことながら、振り切られる場面も往々にみられるが、何とか攻め手を封じようとする。


 セカンドボールも拾えるものの、人数をかけた守備を崩すことができない。かといってカウンター攻撃が通ずる相手ではなく、佐藤主審のジャッジと相まってフラストレーションが溜まる。


 高崎、ダヴィの2トップが仕事をさせてもらえない中、柏や、永里らがゆさぶりをかけるべきものだが、それも十二分に発揮できない。つまるところ、すべての選手がガイナーレのプレーに合わせてしまっている。これは甲府の悪い癖。左右のゆさぶりをかけるためにも、佐々木や井澤らの飛び出しがあってもよかったように感じる。


 結局、攻撃の引き出しが固定しつつあるため攻め手に欠くは、まるで、北九州戦と同様。周りののどかさ、田園風景の緑に騙され切迫感のない試合になってしまった。それこそ、山陰に巣食う妖怪たちにタブらかされた感じ。


 大体、ゲーム前に山陰信販の鬼太郎Edyカードの紹介があり、アウエイゴール裏全員で♪ゲゲゲの鬼太郎♪のフレーズを歌ったのが悪かったか。


 


 考えてみればバードスタジアムはとりぎんバードスタジアム。銀行だけに簡単に勝ち点を卸してくれることはなかった。別の意味での銀行ダービー(ヴァンフォーレのホームは山梨中央銀行スタジアム小瀬)、引き分けに。


 鳥取銀行では、ATMでもうおろせないし、もく来なくてもいいとささやかれる。


 運も厄も脇を素通りで、勝ち点1しか持っていけない。あてにしない、保証もない、頼って良しは嗅覚だけ。


 


 スタジアムを後にするとき、ガイナーレのスタッフに「もしかしたら、来年も来るかもしれませんから」と声をかけたら「来年はチームがないかもしれませんから」お互いに、自虐ネタが好きなようで。


 


 


 

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