暑さを制する者がゲームを制す

  ビックアイ。大分銀行ドームとその名前を変えてもその容姿は従前と変わらず。


  ビックアイでの観戦はこれで3度目となるが、過去2戦ここで勝ったためしがない。ちなみに2試合ともトリニータVSエスパルスであった。


  トリニータVSヴァンフォーレを大分で観戦したのは2002年の夏の一回のみ。それも会場は大分川沿いの市営陸上競技場。この試合、1点を守り切っての勝利。J1昇格の最有力候補大分に勝利するなぞ当時の甲府では考えられないこと。そんなすすけた記憶をひっぱり出さないといけないほど私自身大分との相性はあまり良くない。


 


  南九州のみまだ梅雨が明けない18日の大分は、南から湿った空気が流入してくるのであろうか、晴れて太陽が出ていたかと思えば、スコールを思わせるたたきつけるような雨が降るなど、トリニータのチーム状態のごとく全く安定しない天気であった。


  このような時は屋根付きスタジアムはとてもありがたいのだが、屋根が閉じられた分、うだるような暑さと熱気がこもった状態に。雨が降って涼しくなるかと思いきや、あにはからんや暑さをもたらすのみ。公式記録では湿度90%と不快の限り。


 


  ゲームといえば、前半戦は完全にトリニータペース。二人がかりで上手に攻撃の芽をつぶしていき、かつ巧い具合にサイドチェンジを交えて攻撃を仕掛けてくる。中盤でのゲームの組み立ても小気味よく、守備との連携を見る限り中位に低迷するのが不思議なくらいである。


  逆にヴァンフォーレの中盤・DF陣の粗雑さが目に余る。カードが出てもおかしくないようなファールが随所に。岡田主審も開始直後ファールをいくつかとっていたことから、ここで選手は考えなくてはいけないのにもかかわらず、暑さで思考回路が鈍っていたのかその軌道修正も図れず自身で相手にチャンスを与えてしまうことしきり。吉田と臣は良い守備もあったがやはり雑なプレーは一度や二度ではなかった。


  それでも、GK荒谷の好セーブと、トリニータのつめの甘さに助けられ前半を0-0でおりかえした。


 


  後半に入り、フォーメーションを少し修正したのが功を奏し、徐々にヴァンフォーレペースになっていく。片桐のシュートもバーに嫌われたのだがこれが決まっていればその後の展開はもっと楽になっていたはず。


 


   残り15分、ある程度スコアレスドローも覚悟しつつあった時間、片桐のCKをマイクが決め切れずそのこぼれ球をゴール。甲府の「こぼれ球王子」(あるサポに言わせると王子というがらでもあるまいにと)こと秋本が巧い形で拾いゴール。で、これが決勝点に。


 


   トリニータとしては、前半の時点できちんと決めることができたのならここまで苦労することはあるまいにと思ったはず。事実、後半になると徐々に動きが緩慢になり最後にはとまってしまう選手が幾人か。


  それに対し、ヴァンフォーレの選手は、動きに緩急をつけ、それこそ90分間走りぬけた。


  体力勝負がものをいう夏場のゲーム。フィジカル面ではヴァンフォーレが一歩も二歩も先んじていた証し。


  応援するサポーターもそれこそプレイヤーと一身同体。応援で流した汗に選手が応えてくれた。体全身から噴き出すほどの流した汗が多ければ、勝利の喜びはまた格別。


 このようなゲームもものできるようになったのは進歩の証。怖いのは慢心だけ。それでも、秋本の試合終了後のインタビューを見る限りそれはないであろう。


 


  ゲーム終了後、サポ仲間とともに訪れた居酒屋。そこには既に大分サポが。一触即発とならず、みなさんから大分の美味しいものを進められたのはいうまでもない。関アジ、関サバ、りゅうきゅう、そしておなじみとり天。山梨にはない海の幸を堪能。(私自身住んでいるのは山梨ではないが)


  来月の再会を約したのはいうまでもない。 


  今度大分を訪れるのはいつだろう。大分駅は久大本線・豊肥本線が高架となっていたが、すべての工事が完成した頃に訪れることとなるのだろうか。


 

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