
2011 開幕前 巨人戦力分析 右腕 後編
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前ROM人
2011年03月07日 20:18 visibility164
※これは私のやっているスポナビブログ「巨人とかドラフトについていろいろ」の転載です。
選手登録90名の1/3を占める30名の右腕を分析していく2回目です。後編は推定年俸下位16名です。彼らはファームで結果を出さないと一軍には呼ばれないでしょう。育成選手は第2の二軍(実質三軍)での登板が多くなりそう。一軍選手に比べて直接見たことが少なかったり、なかったりするので選手評もそれなりです。
土本恭平と小野淳平は勝負の2年目を迎える。社会人からの入団や大卒にとっては、2年目といえどもある程度の結果を求めたい。入団した時点では土本の方が高評価だったのだが、今の時点では小野の評価が上がり逆転してしまっている。土本は昨季背番号19を与えられ、期待されたが結果を残せなかった。ファームでの成績も良くなく、完全に自分を見失ってしまった感じ。今季は変更された背番号(46)以上の登板を目指すらしいが、ファームでも打たれている今の時点では厳しいだろう。まずなによりも球威をあげて欲しい。直球を磨けば得意のフォークも活きてくるはずだ。小野は昨季怪我に泣かされたが、現在開幕一軍をかけてオープン戦に登板している。正直残れるかは微妙だが、度胸のありそうな投球は可能性を感じさせる。今季一軍登板を果たして欲しい。中継ぎからになると思うが、結果を出せば谷間の先発などを任せてもらえるかもしれない。中継ぎは入れ替えも激しいので2人にも十分チャンスがある。
中里篤史は背水の1年になるだろう。昨季ファームではそれなりの結果を残したが、一軍では2試合の登板に終わった。今季同じような結果に終われば戦力外の筆頭候補だろう。直球のキレを取り戻し、短いイニングに全力投球して欲しい。もう長いイニングは厳しいと思っているので、連投などを考慮しても中継ぎに活路を見いだして欲しい。上記2人のように中継ぎならチャンスをもらえるだろう。ただし、与えられる少ないチャンスを物にできなければ生き残ることは無理だろう。
小山雄輝、宮國椋丞、田中太一は新入団のルーキー達である。まずは怪我をしないような体作りからだろう。プロのシーズンを乗り切れる体力を早く身につけて欲しい。去年の本ドラフトでは先発完投型の投手を評価の高い順に獲得した。ただ、ファームでどのように育成するのかまだわからない。大卒の小山は素材型ながら、開幕からファームのローテに入る可能性もあると思う。良い成績を残せたら、どのような形でも一軍を経験できるだろう。体作りが主になる高卒の2人はファームで、後半戦から先発として投げられればいい方か。宮國には大きく育って欲しいし、田中太は実践力を磨いて欲しい。数年かかるだろうけれど、3人とも90kgくらいには体重を増やして欲しい。
笠原将生と齋藤圭祐の2人は巨人期待の若手右腕です。高卒3年目の同期で、ドラフト順位は笠原の方が下位でしたが、年俸は逆転しました。笠原は昨季ファームでの活躍により、期待されているのでしょう。先発としてファームのローテを1年間守りきりました。成績を見るに内容は正直物足りないですが、大型先発投手として順調に成長しています。斉藤は昨季ファームで後半からローテに入り、良い投球を見せたようです。今季は開幕からファームでローテピッチャーとして多くのイニングを投げて欲しい。動画を見るとややもっさりしている印象で、もっと躍動感はでないものか。彼らには今季か来季に一軍で先発としてのチャンスが来るように思います。
ロメロは開幕一軍を争っています。昨季ファームで抑えを任されました。一軍登板を果たし、初勝利も手にしました。高身長で長い手足を駆使して、昔の岩隈のように手を下げるようなフォームから角度のある球を投げ込みます。球威があり、良いフォークを持っています。ファームでの成績は申し分なく一軍でも活躍できると思いますが、外国人枠の関係で必死にアピールする必要があります。抑え候補で獲得したアルバラデホの調整遅れにより、開幕一軍もあり得ます。推定年俸はアルバラデホの1/40以下ですが、首脳陣には調子を優先して欲しいです。一軍で中継ぎや抑えでの活躍が期待されます。
木村正太は育成選手として開幕を迎えそうです。プロ入りしてから順調でしたが、昨季怪我で1年間を棒に振りました。まずは投げられるようになって欲しいです。特徴的なカーブを駆使した以前のような投球ができるようになれば、すぐに支配下登録されるでしょう。木村と内野手の伊集院が年俸的にも支配下に近い存在です。復活すれば十分一軍の戦力になり得るでしょう。
イーハウとツーロンの台湾から来た2人は期待させるものを持っています。彼らは若いながら昨季一軍登板を経験しました。一軍での結果は出せませんでしたが、ファームで良い成績を残しました。ロメロと同じように外国人枠の関係で、実績ある選手達と争っていかねばなりません。ベテラン外国人と同等に扱うようなことはないと思いますが、彼らの成長によって外国人でも世代交代が可能になるでしょう。イーハウはサイドから球威ある球を投げ込みます。昨季ファームではいろいろな役割で投げたようですが、成績を見ると球威や決め球(変化球)は良さそうで課題は制球力のようです。ツーロンは力感あふれるフォームで、ファームでは先発としてよく投げていたみたいです。彼の場合は制球よりも球威に課題がありそうです。2人とも新統一球により成績が良くなるような気がします。今季は多くの外国人がいて厳しい枠の争いになりますが、より成長した姿で一軍での登板を見たいです。
神田直輝、杉山晃紀、福泉敬大、成瀬功亮の育成選手4人はまず支配下登録を目指すことになるでしょう。一軍登板というスタートラインに立つには、第2の二軍で結果を出し、ファームの試合で結果を出さなければいけない。右腕の層は厚いので、よほど良い結果や内容でなければ無理だろう。神田、杉山、福泉の3人は死に物狂いで取り組んで欲しい。成瀬は同じ高卒の宮国や田中太と一緒に1年目は体作りからだろう。入団時の評価が低くても練習し成長すれば活躍できる。それは東野が証明している。育成選手は今季や来季といった短いスパンではなく長い目で見ていきたい。
右腕の合計推定年俸は9億6620万円で選手の総推定年俸38億7780万円の1/4程度です。選手数は1/3ですので少し安上がりかと。最高額がMICHEALやバニスターの1億2000万円というのも寂しいですし上位は外国人が多く、依存しているとも言えます。日本人の1億円超えはいなく、台頭が望まれます。東野や澤村などエースになり得る存在はいるので、今季主力として活躍して欲しいです。年齢のバランスは良いと思います。20前後の期待の若手(台湾組、笠原、宮國など)、戦力として期待する20代の若手~中堅(澤村、東野、朝井、越智など)、実績のあるベテラン(グラシン、ゴンザレスなど)がいて、さらにはメジャーや3Aでの実績を持つ比較的若い新外国人達(バニスター、アルビー、トーレス)、30前の伸び悩み組(野間口、福田)など層は厚いです。本格派の投手が多く、サイドハンドや変則的なタイプは少ないです。今季主力の活躍や若手の成長によっては多くの補強を必要とはしないでしょう。
補強が必要なのか優先度を設定してみました。(☆が多いほど優先度が高い)
巨人の右腕は期待の若手も数多く、外国人や育成を除くと戦力外候補も数人だと思います。現有戦力の底上げで十分と考えられ、補強の優先度は低いのではないか。ロメロや台湾組など外国人も育成していて、彼らが成功すれば同様の(若い選手を連れてきて育成契約する)ケースは増えるでしょう。高齢の外国人を切ることができ、また不確定要素の多い新外国人に頼ることもなくなると思います。
ドラフトでは即戦力以外では補強の必要性を感じません。どの球団も即戦力投手は欲しいはずです。巨人もそうですし、現に今年のドラフトでは菅野智之(東海大)の1位指名を確定しています。菅野は原監督の甥で、大学BIG3と呼ばれているドラフトの目玉の1人です。私は菅野をかなり評価しているので、この指名には賛成です。澤村と比べても遜色なく、むしろ実力は上かと。MAX157キロの直球は澤村のように重くはないのですがキレのある快速球で、先発でも150キロオーバーをポンポンとマークします。変化球と制球は澤村の2割増しの印象で、今年さらに成長して大学日本一になって欲しいです。ドラフトの超目玉が現監督の近縁者とはすごいことです。巨人としてはどうしても譲れないところで、どんな手を使っても獲得したいでしょう。また報道などを使えば批判も出てくると思います。私達はどうすることもできませんが、本人が納得する形で将来を決めて欲しいです。背番号も19をあけて待っていますし、澤村と18をかけて争うのかなと今は妄想しています。
今年のドラフトでの即戦力右腕は高校生にはまだ見あたりません。大学生では上記の菅野、もう1人のBIG3の野村祐輔(明治大)、社会人では大塚椋司(JX-ENEOS)や守安玲緒(三菱重工神戸)くらいでしょうか。2年目くらいで台頭しそうな大学生の中根佑二(東北福祉大)もいます。もしも菅野がとれなければ外れ1位として指名するかもしれません。多分野村以外は残っているでしょう。去年の本ドラフトでは将来性のある投手を右腕ばかり4人も指名したので素材型の投手の指名にはあまり賛同できません。若手もまだまだ一軍レベルの投手になるには時間がかかりそうですし、いくらファームの試合を増やしたところで十分な登板機会があるかは疑問です。吉永健太朗(日大三高)や釜田佳直(金沢高)など選抜でも投げるであろうドラフト候補の投手でもよほどの成長や可能性を示さないと指名されないと思います。本ドラフトでは菅野を含めても右腕の投手は1、2人の指名で終わるのではないでしょうか。
次は左腕編です。
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