甲子園 これまでで一番熱い決勝戦

まだ8月なのに今日の空気はまるで秋のようだ。



その分甲子園ではこれまでにない、熱い決勝戦が見られた。


 


 


途中までまさに決勝戦にふさわしいシーソーゲームだった。


 


ところが6回、中京大中京は一気に6点を入れて8-2。


 


意外とワンサイドゲームになってしまったという感じ。


 


これで勝負が決まったと思った。




その後、両チーム2点ずつを入れて、10-4で9回表。


 



ここを抑えれば、中京大中京の優勝が決まる。


 


マウンドには一旦外野の守備に就いていた、エースの堂林が上った。



すんなりと2アウト。


 


ところがあと一人、2ストライクまで漕ぎ着けながらフォアボールでランナーを出す。


 


日本文理にとって逆転することは絶望的な状況。


 


それでもエースの伊藤は9回裏の守りに備えて投球練習をしている。


 


打席には今日3安打と当たっている2番高橋。



私は思った。


 


せめて1本でもヒットを打って、出来れば1点でも返して終わって欲しいと。


 


高橋は2ストライクまで追い込まれながらも、ファールで何度も何度も粘る。


 


もう勝ち目は無いはずなのに。


 


彼がヒットを打って1点を返したとき、私は感動した。


 


涙が出そうだった。


 


だがその後も日本文理打線は延々とヒットを打ち続ける。


 


中京大中京からすると


何とか2ストライクまで行くが、最後のストライク一つが取れない。


 


ついにベンチが動いた。


 


エースの堂林を再び外野に移し、再び2年生の森本をマウンドに送る。


 


 


6番ピッチャーの伊藤に打席が回った。


 


これまでの3年間決勝では敗れたチームのエースが最後のバッターになっている。


 


私は思った。


 


今回の伊藤もそうなってしまうのだろうか。


 


誰も知らないジンクスだが、伊藤はそれを跳ね返しヒットを放つ。


 


 


その後もヒットは続き、ついに10-9と1点差に。


 


9回2アウトとは言え、試合は全く分からない。


 


打者一巡で打席には8番キャッチャーの若林。


 


彼は左方向に痛烈な打球を放つ。


 


それをサード河合がライナーで取って、結局ゲームセット。


 


個人的にはあの打球が抜けて欲しかった。


 


そうすれば、同点にはなったと思う。


 


逆転まで行ったかもしれない。


 


そうすれば2校の立場は入れ替わっていた。




私はそれを見たいと思っていた。


 



日本文理の北陸勢初となる優勝は幻と消えた。


 


でも失望はしていない。


 


「野球は2アウトから」、「最後の1球まで分からない」と言われる。




そのまさに醍醐味を、怖さを見せてくれた。




「最後まで諦めてはいけない」ということを示してくれた。


 


今年の決勝戦にふさわしい試合だった。

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