第4アウトで掴み取った甲子園(高校野球 秋田大会決勝)
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tsukareguma
2019年07月25日 22:25 visibility1129
101回大会 秋田決勝
明桜 000000040 00 4
秋田中央 000002200 01x 5x
延長11回の死闘の末に秋田中央が45年ぶりの優勝。
この試合あまり話題になっていないが、延長11回表に起こったドラマは語りづぐべきだろう。
11回表状況は1死満塁。
打球は2塁手後方へあがったフライ。
インフィールドは宣告されないので、全走者スタート。
打球は前進してきた外野手が好捕で2死。
2塁転送、スタートしていた2塁走者フォースアウトで3死。
ここから話がややこしくなる。
まず3塁走者の好判断だ。
実は3塁走者は2塁フォースアウトの前に本塁生還していた。
おそらくこれはヤケクソのプレイではない。
この場合、3アウト成立よりも先に生還していれば得点がルール上認められる。
3塁走者はおそらくこのルールを知っていた。
2塁走者フォースアウトを読み切って、ならばそれよりも早く本塁に到達しようという好判断だった。
同様に守備側も冷静だった。
おそらくベースコーチだろうか、誰かの「戻るな~」の叫び。
守備側は3塁へボール転送し、3塁走者のノータッチアップをアピール。
もちろんこれは認められて「第4アウト」が成立、
同時に先の第3アウトと置き換えもルール上成立、かくして前述の得点が無効となった。
甲子園の懸かった決勝の延長という状況で、
このような判断ができた攻守両校の素晴らしさにとても感動した。
秋田といえば昨年の金足農の2ランスクイズを思い出すが、今年もこのような場面を見れて良かった。
実は漫画のドカベンでも同じ状況が描かれているが、
そこでは両校ともにこのルールを知らないという設定だ。
明訓の3塁走者岩鬼は、ヤケクソで本塁生還し、
守備側の白新は3アウト成立でベンチに引き上げる(ルールを知らないのでアピールしない)。アピールせずに守備側がラインをまたいだその瞬間に明訓の得点が成立したのだ。
秋田の決勝に話を戻すが、
守備側の秋田中央がこのルールを思い出さなければ、
11回表明桜に1点が入り、試合の結果は変わっていた可能性は高いと思う。
両校ともに最良の判断を素晴らしい攻防だった。
- 事務局に通報しました。
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