<続>羽生と水野(その2)
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ラスタマン
2006年11月03日 20:24 visibility57
後半。
さすが名将マーク・アウレリオ。千葉のハースが前半負傷退場したのを見、後半、千葉の左サイド=鹿島の右サイド、千葉坂本のウラのスペースを徹底的に突いて来る。
前半は千葉の左サイド山岸がやや下がり目でその後ろに殆どスペースがなかった。しかし、ハースが負傷退場した後は巻のワントップ。当然山岸は上がり目になる。ハースの代わりで入った坂本が中盤左サイドに位置するが、そのウラのスペースを誰が埋めるのか(3バックの左の選手が埋めるのか、ボランチの佐藤勇人が埋めるのか、坂本が下がるのか)はっきりしない間に、鹿島が攻める。
中盤を千葉に制せられているため、アレックス・ミネイロが中盤まで頻繁に下がり、上手いポストプレイから味方に素晴らしいパスを送り続け、野沢、深井がチャンスを作り、シュートを打つも千葉のゴールを破れず---。 振り返ってみれば、鹿島が勝つとすればこの後半の立ち上がり15−20分に得点を決めるしかなかった。が、決められなかった。 アレックス・ミネイロはゴール前で最も怖い選手で、あれだけ中盤に下がって来るようではこの日鹿島にはチャンスがなかったということか。
・・・それにしても柳沢の今日の不出来はどうしたものか。元々シュートは下手くそな選手だが、この日はウラをつく動きも、ポストプレイもチャンスメイクも、どれもダメ。90分間ピッチにいたが、殆ど可能性を感じなかった。寂しいというか、何と言うか−−−。
あのニュルンベルグのクロアチア戦が間違いなく、彼の代表での最終戦だろう・・・。
えっと、感傷に浸っている場合ではない。ナビスコよ、ナビスコ。
鹿島がこの試合の中で主導権を握っていた後半立ち上がりの15分、20分が過ぎると再び千葉が攻勢に出る。そして、後半35分・通算80分。ついに千葉が得点を決める。千葉からみて左サイド坂本から右サイドの水野に素晴らしい展開からパスが出、水野がゴールに向かってボールを受ける。千葉のファビオ・サントスがタックルに行った瞬間、水野が右足を一閃した。ファビオのタックルが一瞬ブラインドになったか、名手曽ヶ端が右に飛ぶも、水野のシュートがファーサイドのサイドネットに突き刺さったのであった。
千葉の2点目は阿部。CKからのヘディングだったが、キッカーの水野が蹴った瞬間、得点が入ることを確信した。小生、バックスタンドの千葉寄りで観戦していたため、ボールの軌道、阿部の走りこむコース、角度がよく見えた。 そう、日本代表が新潟ビッグスワンでイエメンを沈めた試合のあのヘディングシュートの残像が頭に浮かんだのだ。 歓喜する千葉のサポーター。
あとは時計の針を進めるだけだった。 千葉2連覇。
昨年のPK戦も生で見たが、90分で決まった今年の試合も格別だった。
Jリーグのできる前の古川電工を見、92年の第1回ナビスコ杯、93年のJリーグ開幕。その頃の千葉を知っている者からすると、今回の2連覇は本当に感慨深い。
あの僻地の市原臨海で無様な試合を続けたチームがこうも変わるか、と。
今更ながらオシム親子に感服である。それにもまして、この日90分間素晴らしいプレイをした水野、そして足がつるまで走りまわり、シャドーの役割をしたCat’s Eye羽生には大きく「乾杯!」である。。
- 事務局に通報しました。
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