勝負

普段TVで放映しているヨーロッパのサッカー(プレミア、ブンデス、セリエ、リーガなど)のトップチームのレベルはW杯を上回るものと言ってよく、あれだけのスピードでパスや選手が動くというのはある意味異常な世界だ。 ヨーロッパでも、いやヨーロッパだけでなく他の国・地域でもサッカー、特にここ一番のサッカーは「泥臭く」、「肉弾戦」の様相を帯びることが多い。

この日の千葉と東京Vの試合も正にそのようなものだった。
しかもそれに千葉のサポーターがエネルギーを注入しっぱなしだったのだからたまらない。 (あの「残留」というある意味わかりやすく、ぐさっと来る横断幕はJリーグの1シーンとして語り継がれるのではないか?)
家族との外出から帰り一っ風呂浴びて19時にTVの前でスタンバイしていたのだが、試合開始前、開始直後のスタジアムの雰囲気、選手の戦う姿勢を見て「この時間に帰宅して正解」と一人悦に入ったのであった(家族には理解不能だったろうが、それはそれでよし。一家全員こんなだったら今頃我が家は破産している)。

試合の方は一人の選手の判断ミスが勝負を分けたと言っていい。
東京Vの萩村の巻へのファウル(PKとなり1枚目のイエロー)と巻へのファウル(萩村は2枚目のイエローで退場)だ。

前者はある意味運が悪かったとも言えるが、あそこはハイボールに対しGK土肥の方が先に落下点に入っていたのだからあれほど手を使って巻を制する必要はなかったのではないか(巻の勢いが呼んだPKとも言えたが)。 後者は論外。スカパーの解説の川本氏は「あそこでは行かなければ仕方ない」と言っていたが、違うと思う。タイミングとしてはタックルのそれだったが、足の裏を見せてあそこまで深く行く必要はなかった。直前自分がイエローを1枚もらっていること、まだ時間が残っていたこと(PKで2−0となったのは後半23分)を考え合わせれば一番やってはいけないプレイが「2枚目イエロー」だったはずだ。

あとは名古屋から移籍した深井の頑張り。
以前どこかで、FC東京は元気の足りないチームで一番欲しい選手は深井(当時鹿島)や坂本(当時移籍前の千葉)と書いたことがある。なぜならこの2人は気持ちが前面に出るタイプで、他の選手にエネルギーを注入できるからだ。
この2人が今千葉にいるのはチームにとって大きいのではないか? 正直シーズン深まった今、現有戦力の粒では多少の戦術練習をしても残留はおぼつかない。であれば、コンディショニングを整え、あとは戦うガッツを見せるしかないのではないか? 上位チームに勝つのは容易ではないが、中位以下のチームには何とか御せるのではないか?

特に過去の栄光を背負ったジュビロ、マリノスがその栄光の重さ故か泥臭くなれなくなっているので千葉にはまだ残留のチャンスはあると見る。この名門チームのシーズン終盤の戦いからは目が離せないのだ。

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