シナリオがあるかのような

  • レキ
    2006年07月05日 21:52 visibility61


伝統的に守備の堅いチーム同士の対戦

 

開始10分間ほどはイエローがいつ出てもおかしくない、激しいボールの奪い合い。あのメキシコ人の主審はこれまでのジャッジどおり、流す傾向にあった。
さすがにこのペースは10分ほどしか続かない。

 

前半両チームを通じて、最もゴールに近かったシュートはシュナイダーが打ったものだ。これまでの試合でも彼のクロスは正確だし、シュートも正確に打てる。フリーでボールを持たせるとドイツ選手の中で特に危険だ。

 

イタリアが引いて堅く守って相手に得点を許さない守備偏重のチーム、というのはこの大会ではマスコミや各種メディアのつけたイメージにすぎない。
攻め上がりながらも走ることを惜しまない守備意識を持つうえ、守備能力の高い選手が多いだけの話だ。
最終ラインも高い時間帯が長く、コンパクトな陣形で戦う姿勢が見て取れた。

 

ただし、イタリアにカンナバーロというDFがいなかったなら、これだけ失点の少ないチームにはならなかったろう。
体格に恵まれないながらも、ポジショニングも完璧といっていいほどで、相手の足にボールが収まる一足前にカットする場面は今大会数えきれない。

 

自陣深くにDFラインを置いて体格のいい選手を多く後方に残しているのはドイツだった。前線と最終ラインが間延びしている場面はイタリアより確実に多くて長い。
この日の対戦ではゲームのペースをつかめた時間は少なかった。

 

クリンスマン監督の采配は疑問が残った。シュバインシュタイガーを先発からはずした。これは誰が見ても、後半イタリアが疲れたころオドンコルとともに投入し、両サイドを崩そうという意図だ。
ならば、今までどおり先発でなるべく長い時間シュバインシュタイガーを使い、決定機を多くすることを考えるべきだったのではなかったか。結局彼は初の途中投入で自分の持ち味を発揮することさえできなかった。

 

前半はイタリア、後半はややドイツ、というペースのまま延長戦へ。

延長戦で両チームとも交代カードを使いきり、総力戦。

采配が当たったのはリッピ監督だった。
試合開始からフォーメーションは崩さず、MFのところにFWのイアキンタ、デルピエロを投入。観ていて守備が破綻するのではないかと思ったが、そうはならなかった。

 

延長後半、イタリアは2本の決定的なシュートがポストとバーに嫌われた。こういう展開はその幸運の恩恵にあずかったチームが勝つパターンが多いが、結果はそうではなかった。

残り1分というところで、2得点を挙げたイタリア。
特にカンナバーロのボールカットから数秒で挙げた2得点目はイタリアらしいカウンターだった。

 

年齢的にもピークにある選手が多いイタリア代表。アメリカ大会以降でもっとも選手の質が高く、優勝を狙えるのは今大会だろう。
セリエの八百長問題が選手や監督のモチベーションを上げてしまっているかのように見える。

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