
巨人の2014年ドラフトを振り返って(下) オールアマチュアNo.1打者という岡本の評価
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舎人
2014年11月25日 09:27 visibility7058
後半では指名された各選手たちについて触れていきたいと思います。今回は8名の指名でしたが、昨年同様、スポニチのドラフト翌日の紙面からデータをアップしてみました。また、ドラフトに発刊された雑誌2誌とスポーツ紙6紙の評価を表にしてみました。
巨人2014年ドラフト指名選手(データはスポニチ参照)
[本ドラフト]
1 岡本 和真 18歳[奈良] 183cm 95kg 内野(右・右) 智弁学園高
2 戸根 千明 22歳[京都] 173cm 93kg 投手(左・左) 日大
3 高木 勇人 25歳[三重] 178cm 88kg 投手(右・右) 三菱重工名古屋
4 田中 大輝 22歳[滋賀] 182cm 76kg 投手(左・左) 国学院大
[育成ドラフト]
1 篠原 慎平 24歳[愛媛] 186cm 95kg 投手(右・右) 今治精華高―四国・愛媛ー四国・香川
2 川相 拓也 23歳[神奈川] 174cm 71kg 内野(右・両) 桐蔭学園高―桜美林大卒
3 田中 貴也 22歳[京都] 178cm 80kg 捕手(右・左) 八重山商高ー山梨学院大
4 高橋 慎之介 20歳[千葉] 187cm 85kg 投手(右・左) 木更津総合高卒
野球太郎(◎→◯→△→なし)
アマ野球(AA→A→BA→B→C→なし)
日刊スポ(特A→A→B→C→なし)
スポニチ(A→B→C→なし)
報知(横綱→大関→関脇→小結→前頭1~15→なし)
サンスポ(A→B→C→なし)
デイリー(特A→A→B→C→なし)
トーチュウ(A→B→C→なし)
今年はスポニチもドラフト前に各選手の評価を付けていたので、今回はドラフト誌2誌及びスポーツ紙6紙の計8つの評価を一覧にしてみました。
岡本の寸評
野球太郎
・どんな選手?/注目度ナンバーワンの高校生野手。高校通算73本塁打がもちろん光るが、各大会で常に4割以上の打率を残してきた点も見逃せない。変化球を捉える能力も高く、追い込まれた後のしぶとさも備える。甲子園では見られなかったが右方向への打撃もでき、木製バットへの対応も問題なし。
・プロでの成功イメージ/バッティングに関して高校レベルでの死角は見当たらなかった。この先を思えば、145キロ級のプロの速球への対応が課題になってくるだろう。変化球への対応のうまさの反面、ストレートへの対応はやや課題を感じる点だ。それでも各球団待望の右の長距離砲。1軍で一塁を守るとなると助っ人との争いを危惧する声も当然だが、勝負できるだけのバッティングを持っている。
アマチュア野球
高校生No.1スラッガー。パワーだけでなく柔らかさも兼ね備えており、広角に長打を放つ。18Uアジア選手権でも全試合4番として5割近い打率を残し、木製バットに対する不安も払拭してみせた。
週刊ベースボール(2014.11.10)
高校通算73本を誇る10年に1人の右の大砲。巨人伝統の四番・三塁候補として育成する。
野球人
・通算73弾のスーパースラッガー。確かにそうだが、数字で表現してはいけない選手だ。春は心がけに感動した。試合前の素振り、彼は外を変化球で攻められるのを見越して、左サイドが開かないようなステップを繰り返して、2本放り込んだ。今夏、突っ込みすぎて後逸した三塁打で先取点を許してしまった右翼手が、下がって守ろうとするのを、指示をして前に出した。アロンになろうとした右翼手を気にかけたファインプレー。(チームプレー)とは、こういうものであってあってほしい。
・昨年は大阪桐蔭森友哉(現西武)を「オールアマチュアNo.1打者」に挙げた。今年は自信を持って、この称号を岡本にささげたい。どう応える。急ぐことは無い。3年後、(若き和製大砲)として甲子園に戻ってきてほしい。姿は見えている。
日刊スポーツ
通算73本塁打を誇る高校NO.1スラッガー。驚異的な長打力のみならず、柔軟な対応力も備える未来の主砲
スポニチ
高校通算73本塁打を誇る右の長距離砲。中堅から右方向への強い打球は特筆。将来の4番候補
報知
今春センバツで1試合2発した奈良の怪童。高校通算本塁打73本塁打を誇るパワーはプロでも即通用
サンスポ
高校通算73本塁打の世代No.1スラッガー
デイリー(=トーチュウ:記者が連絡を取り合ったのかほとんど同じ)
高校通算73本塁打。大学、社会人を見渡してもナンバーワンの長距離砲だ。投手としても140キロ超の速球を投げるなど、身体能力は非常に高い。
岡本は野球小僧、スポニチ、報知、サンスポ、デイリー、トーチュウの6紙誌で最高評価。アマチュア野球と日刊スポーツも次点の評価をしています。これは巨人のドラフトでは少なくとも過去5年間で最高評価の野手だったことになります。安倍さんが編集した野球人や、それを参考にしたと思われるデイリーやトーチュウは、岡本のことを今年のドラフト候補生だった高校大学社会人全ての野手の中で、最も優れた打者だと紹介しています。安倍さんは時々、このオールアマチュアNo.1打者という表現で選手を紹介していますが、過去には森の他に中日に1位指名された高橋周平なんかも同じ表現で紹介されていました。
各紙の岡本についての寸評を見てみると、「長打は即プロ級、豪快さの中に柔らかさを兼ね備えている」一様にこんな感じの紹介をしています。その通り長打力に関しては文句の付けようの無い選手なのでしょう。また、大舞台で常に結果を出して来たということも評価されています。木製バットでも問題なしとのことで、これだけを聞くと何だか活躍を信じてしまいたくなります。しかし、そう言えば大田もドラフト時そんなことを言われていた気がします。どんなことが書いてあったのでしょう。
野球小僧 2008年10月号 大田について
「東海大相模で1年夏からレギュラーをつかんだ大田。緩急に苦しむ時期もあったが、ヘッドスピードを上げ、呼び込んで振り抜くスタイルを確立してまもなく克服。バックスクリーンの左右に大きく運ぶ豪快なスイングと、ダイナミックな守備・走塁は、1年目から1軍のレギュラーで使ってほしい希有の大器だ」
いくらなんでも持ち上げ過ぎの気がしますが、これがその当時の大田の評価だったのです。未来予想図はなんとヤンキースのD・ジーターだそうです!この評価をした安倍さんは2年前のドラフトで坂本のことを未来予想図はカル・リプケンだと評価し、それくらいのスケール感のある選手だからと話していました。この2008年のドラフトとは坂本が2年目にして早くもレギュラーに定着した後だったのです。私は大田も坂本のように早くから一軍のレギュラーを取るのではないかと疑うこと無く期待していました。
一方、アマチュア野球の方では大田について、小関さんは安倍さんとは違う評価をしていました。「高い潜在能力ながら、攻守に荒い」ということで、3番目の「BA」評価です。それでは小関さんのようが見る目があったかというと、大田の隣で同い年のスラッガー坂口が大田より上の「A」評価をされています。
ドラフト2008 坂口について
「今夏の甲子園では史上初の1イニング2本塁打をマークした。パワーと飛距離は高校生離れしており、スイングに柔らかさがあるのも長所」
これはまるで今年の岡本の寸評にそっくり!小関さんの坂口の評価は奇しくも岡本と同じ「A」です。この大田と坂口のプロ入りしてからの苦労を見ると、岡本に過度の期待をする事はいけないことだと思えて来ます。そうでなくても高校卒で右のスラッガータイプが巨人で大成した例は一度もないのです。井上は短命、吉岡は開花する前にトレードに出され、山本光は変化球打ちに苦労して行き詰まり、中井・大田は未だ開花の時を待っている状態。元木はスラッガータイプと思っていたら、いつの間にか小技の上手い「くせ者」になっていました。中井、大田、坂口、和田恋、そして岡本はこのイヤなジンクスに立ち向かわないといけない訳です。本人たちの頑張りに期待する事は言うまでもありませんが、球団もファンも我慢をしないといけないと思います。将来の主軸を期待する選手には、一軍の行動原理やニッチに当て嵌める起用方法ではダメになると思います。ファームで取り組んで来た事をそのままの延長線上でプレーさせ一軍に慣れされるべきです。
いつ頃一軍に定着しレギュラーになるかですが、 岡本も大田と同程度おそらく時間がかかる事でしょう。 変化球打ちは日本球界で成功する絶対条件で、その点では問題ないとされていますが、寸評や識者によると145キロを超えるストレートにはまだまだ対応力がないと指摘されています。一軍定着は順調に行って3年目、レギュラー確保は5年目ではないかと予想します。
戸根千明の寸評
野球太郎
・どんな選手?/普段の食事やわざわざ取り寄せるプロテイン、ストイックなトレーニングで、大学入学時から体重を20キロ以上も増やした筋骨隆々の巨漢左腕。サイド気味の腕の振りから放たれる140キロ後半のストレートとシンカー気味に落ちるチェンジアップが武器。ストレートと左打者に有効なスライダーを磨けば大化けの可能性もある。幼い頃、辰吉丈一郎に憧れボクシングの道を歩もうかと本気で迷ったほどの、負けん気やヤンチャな雰囲気もプロ向きだ。
・プロでの成功イメージ/巨漢ではあるがスタミナもあり、先発、中継ぎ(ロングリリーフ含め)どちらでも力を発揮出来るタイプだ。
・プレーヤータイプ/杉山賢人(元西武ほか)。
アマチュア野球
変則フォームから投げ込む重い速球が武器。2部ながら注目度は高い。
週刊ベースボール(2014.11.10)
最速148キロで、体格を生かした力強い投球が魅力の巨漢サウスポー。投げっぷりも良し。
野球人
・構えたミットに来るのは半分ほどだが、ストライクになっていればプロでもそうは打たれない。(ゾーン)の中で勝負できる球威の持ち主だ。肩甲骨の可動域の広さがハンパじゃない。これが生み出す腕の振りの運動量がそのまま145キロ前後の剛速球のエネルギーに。三塁線のセフティ処理に見せるすばらしい伸びのスナップスロー。この器用さが試合を作る。はっきり上体で投げるタイプだけに、リリースがブレ始めると修正困難に陥ることもあるが、スライダー、ツーシームとの緩急は一級品だ。
・これだけグルングルン、肩が回ればダメージも来るから、細く長くのタイプとも思えない。プロでいえば、ヤクルトのストッパーで活躍していた石井弘寿だ。ならば一刻も早くプロへ。アバウトに見えても、けん制動作など器用なものだ。
日刊スポーツ
サイド気味のフォームから繰り出される重くキレのある速球と変化球を組み合わせて凡打の山を築く。負けん気の強さも売りの1つだ。
スポニチ
がっしりとした体格から球質の重い速球が武器。ピンチに強くプロでは先発、救援にフル回転
報知
体の大きさを生かした力強い投球が持ち味の148キロ左腕。物おじしない強気な性格はプロ向き
サンスポ
巨体を生かした球威抜群の重い直球が魅力
デイリー(=トーチュウ)
母がフィリピン人のハーフ。サイドから力のある直球と変化球の緩急で打ち取る。巨漢ながら50メートルを6秒ジャストで走るなど、瞬発力もある。
2位指名の戸根と4位指名の田中ですが、揃って大学生のサウスポーです。ポスト山口が喫緊の課題だということがよく伝わってきます。戸根は上背が無いものの、がっしりとした体形から重そうなストレートとスライダー、チェンジアップが武器とのこと。野球太郎はタイプとして西武にいた杉山賢人、野球人では石井弘寿としていますが、私は何だか巨人にいた河野ゲンちゃんような投手を想像してしまいます。あるいは負けん気の強さの点では河本育之ような投手でしょうか。4位の高木は高校時代にすでにドラフト誌で名前が登場していますが、戸根はどこを探しても名前が見つかりません。高校時代は体も小さかったそうですから、特に注目されていなかったのでしょう。その後戸根はアメリカからプロテインを自ら取り寄せて肉体改造をしたのだとか。そのあたりは澤村と気が合いそうな感じです。なんでもネットスカウトの間で戸根は密かに評価され、注目されているのだとか。迷スカウトの蔵建て男さんは今年の左腕投手で最も評価していると話しています。1年目の高木京程度の活躍を期待したいと思います。
ところで、私はアマの野球に疎いため、戸根のことは今回のドラフトが終わるまで特に知らず、どんな投手か見たことも聞いたこともないと思っていたのですが、実は昨年のプロアマ交流戦で登板し、巨人のファームの打者と対戦していたのです。それをどうやら私はその後チームの投手になるとは知らず実況をしていたのでした。
2013年8月21日(水) プロ大学交流戦 巨人対日本大学(inジャイアンツ球場)
3イニング(五回裏〜八回裏) 52球 被安打2 奪三振1 与四球1 無失点 MAX141キロ(4度)
登板してすぐの五回にヒットと四球で一死満塁にしてしまいますが、その後、後続を断っています。六回、七回は三者凡退。3イニングを投げて無失点でした。しかし、何の印象も残っていません。茶柱さんが日記の中で松冨との対戦をYouTubeにアップして紹介しています。近日中に隠善から奪ったという奪三振シーンをアップしてもらおうと思っています。
茶柱さん日記 愛しの君はキシとはとこ(2013-08-20,21巨人二軍観戦記)
巨人松富倫ヒット&天秤打法になった左打席!2013-08-21(投手戸根)
高木勇人の寸評
野球太郎
・どんな選手?/度重なる指名漏れを経て、高卒7年目にして当確ランプ。今年の都市対抗予選、最後の代表枠を懸けた大一番で投げっぷり良く完封勝利。力のあるストレートを堂々と投げ込み、横に曲がるスライダーも敵を寄せ付けず。150キロ右腕自身は下位でもオーケーというから、各球団の腕の見せ所でもある。
・プロでの成功イメージ/クイックや牽制も巧み。中継ぎでフル回転。
・プレーヤータイプ/安藤優也(阪神)。
週刊ベースボール(2014.11.10)
高卒7年目。6度目の正直でプロ入り。最速153キロの直球に加えカットも覚えて安定感が増した。
野球人
社会人7年目、試合を作れる頼れる投手に変身。春から公式戦で完投、完封を何度も。晩成型
スポニチ
キレのいい直球を両コーナーに投げ分ける。社会人で経験を積んだだけに1年目から期待
日刊スポーツ
最速153キロの直球を軸に力で打者をねじ伏せる本格派右腕。タフさも魅力であり、中継ぎとして即戦力の期待も大きい
報知
社会人で急成長した最速153キロの剛腕。鋭いフォークが売りで即戦力の期待十分
サンスポ
安定感を増し、入社7年目で念願の指名
デイリー(=トーチュウ)
社会人7年目で念願のドラフト指名。最速153キロの剛腕ながらシュート、フォークなどの多彩な変化球も武器。セットアッパーの即戦力候補。
今年のドラフトで来シーズンに限って言えば最も期待できそうなのがこの高木です。すでに社会人7年目ということ。世代としては菅野や中井、藤村たちと同じのようです。今までは球威はあっても制球力が無く、不安定な投手だということでプロからの指名を見送られてきたようです。こういったオールドルーキーは実力はあっても江柄子のように下位指名でも十分ではないかと思われるのですが、そのあたりの事情を日刊ゲンダイが記事にしていました。
巨人ドラフト“隠し玉”は「指名待ち6度」の社会人・高木勇人 (日刊ゲンダイWeb 2014年10月22日)
巨人の“隠し玉”が発覚した。23日のドラフト会議の指名候補に、三菱重工名古屋の高木勇人(25)を即戦力投手としてリストアップ。21日にスカウト会議を行い、指名を確認したもようだ。
1位は早大の有原回避が濃厚。とはいえ、原監督とすれば即戦力投手も欲しい。そこで2位以下で獲得したいのが、この最速153キロ右腕だ。
三重・海星高から入社して7年目。無念の指名漏れを経験した高校時代と合わせると、何と6度目のドラフトを待つという変わり種だ。「永遠のドラフト候補」の異名を持つ。球威はあるものの制球が悪く、毎年のように指名を見送られてきた。それが、今年に入って大きく改善されたという。
■密かに阪神もマーク
これまでは主にリリーフだったが、6月の都市対抗東海地区2次予選では、最後の第7代表決定戦で先発。ヤマハを4安打完封した。本大会では救援で3回3分の1を8奪三振。急成長を遂げた姿を、巨人の山下スカウト部長は高く評価しているという。球団関係者がこう言う。
「先日視察して最終チェックした部長がお気に入りで、『上位でいこう!』と言ったんだけど、担当スカウトが『いやいや、5位で大丈夫ですから』となだめたみたい」
別の関係者によると、「先発もリリーフもできる。母子家庭で育ったため、ハングリー精神が旺盛。プロ向きの性格」との評価もある。それが、「5位」では獲得できない見込みになった。先日のCSで4連敗を食らった因縁の阪神も実は密かに目をつけていて、指名に踏み切る可能性が浮上したからだ。3位が争奪ラインとみる関係者もいる。
野球専門誌の「ドラフト候補100人」に名前は入っていない。この隠し玉投手を巡り、巨人と阪神の水面下での綱引きが当日まで続きそうだ。
どうやら今年に入ってから急成長し、急遽、上位での指名が検討され始めたようなのです。阪神が4位までで指名することを恐れて巨人は3位までに指名したようですが、即戦力という点では申分のない対象です。もしかしたら阪神以外にも指名を予定していた球団があったかもしれません。
この6度目の正直ということは過去に6度のドラフト対象選手だったということですが、それを遡ってどんな評価をされていたのか調べてみました。
2007年
野球小僧 なし
アマ野球 C
2010年
野球小僧 ◯ 主審が怖がる140キロ台の速球とカウント球にも使うフォークでJR東日本を完封し今季急上昇
アマ野球 B
2011年
野球小僧 △ 力感とラフさ。対極の長所と課題。140キロ台の速球、スライダー、フォーク。持ち球優秀
アマ野球 C
2012年
野球太郎 なし
アマ野球 C
2013年
野球太郎 なし
アマ野球 なし
この経緯を見てみると、高校時代はほとんど注目されていなかったものの、ドラフト解禁となる社会人3年目でやや注目されています。しかし、荒っぽい投球が嫌われたのか、徐々に評価を下げて行き、昨年はついにドラフトの対象とはみなされなかったようです。つまり一度は忘れ去られた存在だったということです。それが何かのキッカケでまとまりのある投球が出来るようになり、一気に評価が急上昇したということだと思います。オールドルーキーといっても菅野と同じ世代なので十分若い。安倍さんは晩成型だと評していますが、晩成型の方がむしろプロでは長続きするという話もあります。この経緯はDeNAにいる久保康友に少し似ている気がします。遅れてきた分、向こう10年プロで頑張って欲しいと思います。
田中大輝の寸評
野球太郎
・どんな選手?/3年までわずか1試合のみの登板だったが、今春頭角を現すと2完封を含む4勝を挙げ、東都のベストナインと大学日本代表選出。キレのあるストレートを軸に、カーブ、ツーシーム、スライダーで組み立てる。スリークォーターでヒジを柔らかく使うのが特徴。
・プロでの成功イメージ/ゲームメイク能力とスタミナがあるため、先発として1年通してローテを守りたい。
・プレーヤータイプ/帆足和幸(ソフトバンク)。
アマチュア野球
1年時から正捕手として活躍。プレーの形がよいだけにパワーをつけたい。
週刊ベースボール(2014.11.10)
今春東都4勝でベストナインを獲得し、大学ジャパン入り。杉本を手本にする先発型左腕。
野球人
長いリーチで球持ちの良さが魅力。両サイドへのスライダーの制球、シュート回転の速球◎
スポニチ
最速144キロの直球とツーシームが武器の実戦派派左腕。プロでの鍛え方次第では大化けのの可能性も
日刊スポーツ
どの球種でもストライクが取れる高い制球力が持ち味の技巧派左腕。最終学年に頭角を現し、大学日本代表にも選出された。
報知
大学3年まではほぼ登板なしも今年リーグ戦初完封。高校の1年先輩の阪神岩貞に刺激を受ける
サンスポ
今春の東都リーグで4勝を挙げてブレーク
デイリー(=トーチュウ)
4年春に神宮デビューし最速144キロでチーム2位の原動力となり、大学日本代表入り。左肩を痛めた秋はリーグ戦未登板ながら、将来性は十分。
戸根も田中大輝も宮國や田中太一、成瀬と同じ世代なのですが、この4位指名の田中大輝は戸根と違って熊本県の必由館高校の時代にすでに野球小僧には名前が登場しています。
野球小僧2010
どんな投手?/球速帯134〜140キロの速球とシュートで打者を起こして、スライダー、フォークでスイングを崩す。めったに四球を出さない制球力に、走者を許してもけん制で動きを殺す。無名でも投球センス抜群で、なかなかスキを見せない投手だ。
注目ポイント/変化球で用心深くカウントを作っていける大型左腕は高校生では希少価値。将来高いレベルで投げられる貴重な資質だ。
どうやら高校時代から制球力と変化球に定評のある技巧派左腕だったようです。しかし、大学に入学後度重なるケガで満足なシーズンを送れないまま最終学年になってしまった。するとようやくケガの癒えた田中はそれまでとは見違える投球を見せるようになり、大学ジャパン入りまで果たしドラフト候補にまでなったことのようです。タイプとしては先発でしょうか。巨人の場合この手の技巧派左腕をなかなか育てることができずにいます。同タイプに、かつては深田、岸といましたが、二軍では結果を出しても一軍では通用しない感じなのです。これは本拠地球場が狭いからなのか、使い方なのか分かりません。今年のFAでロッテの成瀬の獲得に乗り出さなかったのは、こういった傾向を見越していたことが理由の1つとしてあると思います。この田中が巨人で成功するためには最低限の球威が必要だと思います。それが無理ならば、内海を上回る変化球のキレと絶妙の制球力を身に付けるべきです。
実はこの田中大輝も私は昨年のプロアマ交流戦で登板しているのを見ていたようです。しかし、全く記憶にない。ドラフト後に、そう言えば昨年、巨人の二軍は国学院大と対戦をしていたと思い出し、調べてみたら田中が登板していたって感じです。
2013年8月20日(火) プロ大学交流戦 巨人対国学院大学(inジャイアンツ球場)
4イニング(先発) 被安打5 奪三振2 与四球4 与死球2 失点4 MAX135キロ、ストレートの平均133キロ
記録を見た限り、この時点ではとてもじゃないがプロ入りする投手の投球ではありません。何の記憶も残っていませんが、その後大きく成長したのでしょう。戸根と同じように田中の投球の動画は茶柱さんが日記の中で紹介しています。
茶柱さん日記 乳と父(2013-08-16,17巨人対東海大、東海地区大学選抜プロアマ交流戦観戦記)
篠原慎平の寸評
野球太郎
肩を故障した3年間を乗り越え、香川で復活した剛腕。150キロ超の速球を武器にプル回転
スポニチ
最速は153キロを記録。変化球も切れる
育成1位の篠原も高木と同じ即戦力を期待される右の本格派投手です。第二の土田を目指して支配下入りを果たして欲しいと思います。
川相拓也の寸評
スポニチ
父は巨人・川相コーチ。小技を駆使する
川相ジュニアは1年春からリーグ戦に出場し、首都大学リーグで2部ながらショートとセカンドで二塁手のベストナインを3度も獲得した隠れた実力者のようです。お父さん譲りの精密な小技を期待したいと思います。
田中貴也の寸評
野球太郎
1年からレギュラーを張る強肩強打の捕手。今春は主将としてチームを初の全国に導く
スポニチ
攻守のバランスとれた将来性豊かな捕手
どんな選手か分かりませんが、今年8月13日にプロアマ交流戦で巨人相手に出場しているようです。茶柱さんの実況の記録によると、1打席のみで田中太一の前にセンターフライに倒れています。沖縄の八重山諸島出身の打てる捕手だそうです。打てる捕手として1歳違いの芳川と競い合って支配下を目指して欲しいと思います。
高橋慎之介の寸評
スポニチ
甲子園では大阪桐蔭の藤浪(阪神)から安打
野球留学をしており、そこでは投手と野手の二刀流だったとか。今回入団テストに合格して指名されたそうですが、これは野手としてではなく投手としてのようです。なんでもテストでは149キロを記録したそうです。完全の隠し玉。0か100かの可能性を感じる非常に楽しみな選手です。
最後に今年も指名選手の兄弟型と血液型について話をしたいと思います。疑似科学ですが、プロでの活躍に何ら関係がないとも言い切れない話です。今年の選手たちはどうだったのか?
定義
スポーツ選手の兄弟型の優劣 末っ子>中間子>第一子>一人っ子
スポーツ選手の血液型の優劣 B>O=AB>A
巨人2012年ドラフト指名選手(日刊スポーツほか参照)
[本ドラフト]
1 岡本 和真 18歳 内野(右・右) 末っ子(男系3人兄弟)A型
2 戸根 千明 22歳 投手(左・左) 一人っ子 O型
3 高木 勇人 25歳 投手(右・右) 中間子(男女混在3人兄弟、姉、弟)A型
4 田中 大輝 22歳 投手(左・左) 末っ子(男女混在2人兄弟、姉)O型
[育成ドラフト]
1 篠原 慎平 24歳 投手(右・右) 兄弟型不明 A型
2 川相 拓也 23歳 内野(右・両) 中間子(男女混在4人兄弟、兄、妹、弟)O型
3 田中 貴也 22歳 捕手(右・左) 末っ子(男系2人兄弟) O型
4 高橋 慎之介 20歳 投手(右・左) 兄弟型不明 A型
岡本は三人兄弟の末っ子だそうです。しかも、次兄は8つ年上だったとか。兄弟型として男系末っ子というのはスポーツ選手として最強の系譜です。血液型Aは微妙ですが、DeNAの筒香も三人兄弟で血液型Aです。他にも原さんや田淵さんも血液型Aのスラッガーでした。大成に問題なし。信じて待ちたいと思います。育成の田中も同じ男系末っ子で期待できると思います。
田中大輝も末っ子。先発にリリーフに問題なし。高木は中間子ということで、中継ぎが最も力を発揮する場所かもしれません。川相も中間子。二遊間が最も適性のある場所です。兄弟が多いということもプラスです。
戸根は記録を見た限り一人っ子のようですが、スポーツ選手としてはあまり大成を期待できません。田畑国夫さんは芸術家向きと解説しています。それでも衣川さんや有藤さんなど大成した選手が少なからず存在します。戸根はハーフですが、同じハーフのオリックス2位の宗も記録を見た限り一人っ子。時代が進むとこういった選手が増えるのかもしれません。
ようやく今年のドラフトの話も締めくくることができましたが、実はこの日記を書くにあたって最も時間がかかったのは岡本の本塁打記録についてなのです。高校通算本塁打73本について調べ始めたら横穴が空き、プロ入りした選手の本塁打が一体どんなだったのか調べ始め、いたずらに日数ばかり経ってしまいました。しかし、どうも横道に逸れすぎているし、出来上がった資料はどこかにおいてダウンロードしないといけないほど大きいモノになってしまったため、この日記の中で話ことを断念しました。別立てで近日中に更新したいと思います。
今年のドラフト指名選手が今度どんなプレーを見せてくれるのか楽しみですが、年々、プロ入りする選手たちの意識は高まる傾向にあると思います。指名をされた時点でどれだけ意識が高いかどうか、トレーニングをしているかどうかで、プロ入り後の進路を大きく左右する感じです。特に高校生は素材が良くても自覚がないまま入団して、数年間足踏み状態なんてことがままあります。1位指名の岡本はプロ入り前の今が一番大事だということを自覚して欲しい。大学社会人からの入団の選手も、一年目が勝負です。どんどん首脳陣の前でアピールして、ルーキーのうちに自分の立ち位置を固めていくつもりでいて欲しいです。若手たちが出て来るのにますます厳しい時代かもしれませんが、願わくば全ての選手が後に自らのキャリアを誇れるようなプロ生活を送って欲しいと思います。(了)
追伸 後できちんと報告をしようと思いますが、今月いっぱいでコミュニティを閉鎖しようと思っています。実は茶柱さんが若手選手について情報交換や応援をするための掲示板を作ったので、今後はそちらで活動しようと思うのです。良かったら参加するなり、訪問するなりしてください。
巨人の若手を応援しよう&情報交換の掲示板
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2014年11月3日(月) 強化試合 巨人対侍ジャパンU-21日本代表(inジャイアンツ球場)
2014年11月3日 -
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岡本の高校通算73本塁打の価値
2014年12月21日
- 事務局に通報しました。
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