ベイスターズが未来へ撒いた種 高卒ルーキー北方と伊藤の奪三振

  • 舎人
    2012年10月21日 04:23 visibility2082
現在、世の中のほとんどの野球ファンの注目はCSへと傾けられているかもしれません。巨人ファンの私としてはなんとか勝ち抜けて、一日でも長くシーズンを楽しみたいと思っています。ただ、連日重い試合が続き、どうもすかっとした試合がありません。巨人の弱点が露骨にディフォルメされたような試合展開で、これはCSを勝ち抜いたとしても、今後のチームの在り方を検証しないといけない気がしました。杉内というエース格の投手がいないことで、これほどチームが落ち着かなくなるのかということを嫌というほど思い知らされましたし、チームにおける阿倍の役割が大き過ぎて、短期決戦では阿部の調子の良し悪しに、勝敗やシリーズの流れがあまりにも左右され過ぎてしまう感じです。投手も野手も戦力のコマを量産することは長いペナントレースにおいて有効でも、短期決戦においてはレギュラークラスの質を上げておくことが非常に大事だと思いました。短期決戦でも頼りになるエース格の投手の育成と阿倍の負担を分散させる不動のスタメンレギュラーの選抜が今後の巨人の課題のような気がします。

さて、紹介していないイースタンの試合は9月22日と24日の横浜DeNA戦なのですが、22日の試合については一緒に観戦してビデオを回していただいた茶柱さんがすでに動画をアップして紹介してくれています。24日の試合の動画も幾つか作成済みですが、球速を付けたり細かい作業をして近いうちにアップして紹介する予定です。その時に今シーズンのファーム観戦を総括してみたいと思っています。






























































今日はその前に22日と24日にそれぞれ先発したベイスターズの高卒ルーキー投手のことを話したいと思います。22日はドラフト1位入団の北方が先発でした。ベイスターズは1位入札が東洋大の藤岡だったもののクジを外し、外れ1位で松本竜を入札します。しかし、これも巨人との競合でクジを外し、外れの外れの1位でこの北方を指名したのです。甲子園に出場し153キロを記録したという右の豪腕投手という触れ込みでした。その名前はアマチュア野球にあまり詳しくない私でも知っていました。高校時代の投球シーンは見たことがあったものの、プロに入ってから見たのは初めてです。先頭バッターの橋本をストレート中心のグイグイ押すような組み立てで圧倒し、当たり損ないの投ゴロに打ち取ります。難しい当りだったものの、フィールディングが素早く俊敏で難なくアウトにしていました。続く隠善にも6球全てがストレートという組み立てでレフトフライに打ち取りました。球速は全て146キロ以上、最速は148キロに達していました。「これは他球団ながら楽しみな投手が出てきたな」と思わず唸ってしまうほどでした。しかし、二死から加治前が内野安打で出塁すると、途端に弱点を露呈します。テンポが悪くなり、球速も5キロ以上落ちてしまったのです。球が上ずったり引っかかったり、セットポジションでの投球に苦しんでいます。まるで来日してきたばかりの外国人投手のような印象を受けました。結局、北方は5回を投げ、被安打5の失点2で負け投手になりました。しかし、ここまではっきりと弱点が分かっているということは、矯正次第ではむしろ今後が楽しみな投手だと思いました。打者の差し込まれ具合などを見ると、球は速いもののキレよりも威力を感じる球質ではないかと思いました。中日の中田と同タイプのような気がします。






























































24日の先発は9位指名で入団した伊藤が先発でした。この投手は高校1年生の頃から将来のドラフト1位候補だと噂が上がっていた投手でした。しかし、学年が上がるにつれてケガや伸び悩みで評価を下げていた投手のようでした。9位で入団したのだから大したことないだろうと思っていたのですが、実際に見た伊藤は決して侮ることのできない投手でした。高卒投手にしてはコントロールが良く、かなりまとまっています。110キロ台のカーブ、120キロ台のスライダー、フォーク、130キロ台のストレートといった持ち球のようですが、それらをある程度自在に制球できるようです。巨人打線は打てそうで打てない伊藤の投球に苦しみ、5安打を放ったものの要所要所を抑えられ5回を無得点、イースタンの初勝利を献上することになってしまいました。MAXは140キロだったものの、緩急を巧みに使い打たせて取る投球は老獪さすら感じ、なかなか崩すことが困難だと思わせる投球だったと思います。伊藤はその後、イースタンでもう1勝挙げ、一軍に昇格したようです。そして、一軍では2試合投げ、10月5日の巨人戦では長野と寺内から三振を奪ったりしていました。

彼らはベイスターズが未来へ撒いた種です。昨年のドラフトでは9人全員高校生という極端な指名をしたベイスターズですが、その中から早くも2位入団の捕手高城が戦力になっています。おそらく来シーズン以降、北方や伊藤も続くことでしょう。彼らの将来を考えるに北方はリリーフとして山口に続くセットアッパー、伊藤は三浦の後を継いで先発ローテーション入りを目指すことになる気がします。彼らのことはわれらが松竜、今村と共に注目しておきたいと思います。

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