平成28年4月23日(土)イースタンリーグ 埼玉西武対巨人(西武第二球場)ルーキー打者の明暗!苦しむ重信、躍動する宇佐見と山本
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舎人
2016年04月24日 04:57 visibility1178
バッターボックスの山本
いつもはマイカー利用の私ですが、今日は渋滞と駐車場のことを考えて電車を乗り継いで西武第二球場までやってきました。一軍の試合があるようで球場前駅はごった返していました。かつて西武線の沿線に住んでいた私は、何度か電車経由で第二の隣りの西武球場に来た事があったのですが、その時はブコビッチの応援を真横で聞いた覚えがあります。ということは30年ぶりに電車利用でここに来たようです。あの頃の西武は正に全盛期を迎えようとしていた時で、球団の力の入れようは凄まじいものがありました。立派な屋内練習場に、本球場とは別にサブ球場まで。こんなに設備が充実していたのは当時西武だけだったと思う。巨人など屋内練習場がなく、大雪の後など、王監督自らが手押し車で雪を運んだりしていたのです。西武は当時の最新鋭設備球団だった。それが今はどうだ?他の球団が大きく設備をグレードアップしている中、西武の設備はそのまんまではないか。ドームが出来た位で、ファーム関連の施設はどこも変わっていないだろう。なるべく球筋を見ようとバックネット裏に陣取りましたが、ここはただの土手です。赤いダニがいっぱいいて気持ちが悪い。刺されないか心配だ。間違いなくイースタンで一番ファーム運営に力を入れていないのが西武だと思う。素晴らしい選手が多いのにもったいない。若手好きの西武ファンも数多くいるだろうに。DeNAがベイスターズ球場と横須賀スタジアム・相石平塚球場を使い分けているように、西武もどこか公営の球場を借りてファームの試合をもっと実施すればいいのにと、毎度ながら思ってしまいます。
そんな感じでここには年に一度来るか来ないかなのですが、良い点としては選手との距離がやたらと近いことです。今日登板する長谷川が真横を通り過ぎていきました。なんだか垢抜けてるし、やたらと明るい髪の色だなぁ。これは意外と洒落者ですね。まぁ、見た目は何だって良いから、今日も前回同様のナイスピッチングを期待したいと思います。
スタメン
巨人
(7)重信(8)藤村(4)辻(5)岡本(9)北(3)和田(D)堂上(2)宇佐見(6)山本(P)長谷川
西武
(8)田代(6)呉(7)木村文(5)山川(D)森(9)戸川(3)藤澤(2)星(4)金子一(P)高橋光
一回表
重信:初球センターフライ(インハイストレート)
藤村:初球セカンドゴロ(内角ストレート)
辻:フルカウントからサードゴロ(S、B、F、B、B、真ん中ストレート)
三者凡退、一回表終了
西武先発の高橋光の力あるストレートに差し込まれたような打席が続きました。
一回裏
田代:初球ライト前ヒット(高めストレート)
呉:カウント0-1からセンターフライ(S、真ん中ストレート)
木村の打席で田代が二盗死
木村文:カウント2-2から見逃し三振(B、B、Sw、Sw、外角ストレート)
一回終了
田代の二盗を宇佐見が素晴らしいスローイングで阻止しました。
二回表
岡本:カウント0-1からセンターフライ(F、外角ストレート)
北:カウント1-2からセカンドライナー(F、F、B、内角ストレート)
和田恋:初球センターフライ(外角ストレート)
三者凡退、二回表終了
岡本は良い角度の打球で、一瞬、フェンスオーバーかと思いましたが、どうやらバットの先っぽで打ったらしく平凡なフライに終わっていました。
二回裏
山川:初球レフト前ヒット(真ん中変化球)
森:カウント2-1からセンター前ヒット(B、B、S、真ん中やや低めストレート)
無死一二塁
戸川:カウント1-2から捕犠打失敗(B、F、F、低めストレート)
一死一二塁
藤澤:カウント2-2からショートフライ(B、F、F、B、F、高めストレート)
星:カウント1-1からファーストファールフライ(B、S、外角変化球)
二者残塁、二回終了
マウンドの長谷川
三回表
堂上:初球セカンドゴロ(真ん中ストレート)
宇佐見:カウント1-1からセカンドゴロ(B、S、内角ストレート)
山本:カウント2-2からセンターフライ(B、B、F、F、外角ストレート)
三者凡退、三回表終了
各打者どうも力負けしています。
三回裏
金子一:カウント2-2からバットを折られるセカンドゴロ(B、B、F、F、F、F、F、外角変化球)
田代:カウント1-2から捕守備妨害アウト(S、B、F、インハイストレート)
呉:初球ファーストゴロ
三者凡退、三回終了
長谷川は徐々に調子を上げてきた感じですね。バックネットの真後ろからだとスライダーのキレが凄い!
四回表
重信:カウント1-2から空振り三振(B、S、S、F、F、F、F、低め変化球)
藤村:フルカウントからショートゴロ(Sw、B、B、F、B、真ん中ストレート)
辻:カウント0-1からライト線二塁打(S、高め変化球)
岡本:初球レフト前ヒット(低め変化球)→辻が本塁を伺うもタッチアウト
四回表終了
辻も岡本も火の出るような素晴らしい当たりのヒットでした。辻は果敢に本塁に突入しましたが。レフトの木村からストライク返球があり、惜しくも生還ならずです。先制ならず惜しい!
バッターボックスの辻
四回裏
木村文:初球レフトフライ(外角変化球)
山川:カウント3-1から後少しで本塁打の大きなセンターフライ(B、S、B、B、外角変化球)
森:カウント2-2から空振り三振(B、Sw、B、S、低め変化球)
三者凡退、四回終了
山川の当たりはあるいは本塁打かという際どい当たりでした。それにしても山川と森の体型の違いにビックリ。森って本当に小さい!
五回表
北:カウント2-2から空振り三振(S、B、F、B、内角変化球)
和田恋:カウント2-1からサードエラー出塁(B、B、S、内角ストレート)
堂上:カウント2-0からセンターフライ(B、B、内角ストレート)
宇佐見:初球センター前ヒット(高めストレート)
二死一二塁
山本:カウント2-2からライト前ヒット(B、B、F、S、F、高めストレート)
二死満塁
重信:カウント1-0からセカンドゴロ(B、インハイストレート)
三者残塁、五回表終了
西武先発の高橋の力ある球も徐々に威力がなくなりつつあるようです。宇佐見や山本が高めのストレートをジャストミートしました。
五回裏
戸川:カウント1-2から詰まったのが幸いするセンター前ヒット(S、B、F、高め変化球)
藤澤の打席で戸川が二盗
無死二塁
藤澤:カウント1-2から空振り三振(F、Sw、B、F、外角変化球)
星:カウント1-2からスイングを取られ空振り三振(F、F、B、外角変化球)
金子一:カウント2-2からセカンドファールフライ(B、S、F、B、F、外角変化球)
戸川残塁、五回終了
ランナーを出してからの長谷川の粘りの投球には毎度ながら感嘆します。
打席を待つ金子一
六回表
藤村:フルカウントから四球(S、B、Sw、B、B、高め変化球)
辻:カウント1-0からセカンドゴロ進塁打(B、高めストレート)
一死二塁
岡本:カウント0-1からセンターフライ(Sw、内角変化球)
北:カウント2-2から合わせただけのショートライナー(S、S、B、B、外角変化球)
藤村残塁、六回表終了
岡本今度はバットの根っこで打って凡退です。
六回裏
田代:カウント2-2からサードゴロ(B、B、Sw、F、外角変化球)
呉:カウント2-2からセカンドフライ(S、B、S、F、B、F、内角変化球)
木村文:カウント2-2からレフトオーバー先制本塁打(S、B、S、B、F、外角変化球)、0対1
山川:カウント3-1からセンターオーバー本塁打(B、F、B、B、外角変化球)、0対2
森:カウント0-2からライトオーバー本塁打(S、S、高めストレート)、0対3
戸川:カウント1-2からセカンドゴロ(S、S、B、外角変化球)
六回終了
びっくりの三連発被弾です。木村の本塁打はフェンスをギリギリ超えたライナーの本塁打でしたが、山川と森の本塁打は大きな放物線を描く長距離砲の本塁打でした。
打席を待つ森
七回表、木村文→レフト駒月
和田恋:カウント1-2から空振り三振(F、B、F、低め変化球)
堂上:カウント0-1からファーストゴロ(Sw、内角ストレート)
宇佐見:カウント2-2からレフト前ヒット(Sw、S、B、B、真ん中やや外よりストレート)
山本:カウント2-2からレフト線二塁打(F、B、B、F、F、真ん中高め変化球)
二死二三塁
重信:フルカウントから空振り三振(S、S、B、F、B、B、F、低めワンバウンドのフォーク)
二者残塁、七回表終了
宇佐見と山本は高橋の球が良く見えているようで、前の打席に続いてそれぞれクリーンヒットです。それに対し重信の打撃は不甲斐無いばかり。ストレートを立て続けに見逃して、いったい何を待っていたのだ!?
七回裏
藤澤:カウント2-2からセンター前ヒット(内角変化球)
星:初球捕犠打
一死二塁
金子一:カウント1-1からショートゴロ(B、S、外角変化球)
田代:初球ショートゴロ(外角変化球)
藤澤残塁、七回終了
八回表、投手中崎
藤村:カウント2-2からサードファールフライ(B、S、F、F、B、外角変化球)
辻:カウント1-2からヘルメットをかするような死球(B、S、F、F、高め変化球のスッポ抜け)
投手交代中崎→南川
岡本:カウント1-2から空振り三振(S、B、F、外角変化球)
北:カウント2-2から空振り三振(S、Sw、B、B、F、アウトロー変化球)
辻残塁、八回表終了
バッターボックスの岡本
八回裏、投手矢貫
呉:カウント3-1から四球(B、B、B、S、アウトハイストレート)
駒月の打席で捕逸(サイン違い??)
無死二塁
駒月:カウント2-2からセンターオーバー本塁打(B、B、S、S、真ん中ストレート)、0対5
山川:カウント1-0からセンターフライ(B、外角ストレート)
投手交代矢貫→乾
森:カウント2-2からセンターフライ(B、B、F、F、外角ストレート)
戸川:カウント1-2からスイングを取られ空振り三振(S、Sw、B、低め変化球)
八回終了
矢貫が被弾で点差を広げられました。低めに投げられない投手は信用できません。矢貫に代わって途中から移籍して来た乾が登板しましたが、どうやらこれまた低めに投げるのが苦手な投手のようです。
九回表、投手岡本洋
代打脇谷:カウント2-2からレフトフライ(S、S、B、F、B、高めストレート)
堂上:カウント1-0からレフト前ヒット(B、真ん中ストレート)
宇佐見:初球ショートゴロ併殺打(高めストレート)
試合終了、0対5で西武の勝利
勝ち投手高橋光、負け投手長谷川
堂上が技ありのヒットで出塁しましたが、宇佐見が併殺打で試合終了です。点差が開いていることもあり、最後はなす術なく敗れてしまった感じです。
それにしても木村山川森の三連発は凄かった!圧倒されましたよ。西武はDHがあるから打撃に特化したスケールのある打者を選べる有利さはあるものの、巨人打線がこれに追い付くには本気で発想の転換を図ったとしても最短5年はかかると思いました。試合の結果以上に思うところ一杯になった試合でした。
試合直後のベンチ
さて、試合の総括ですが、打線の決定力の差をまざまざと見せつけられた試合だったと思います。スコアは5対0で巨人は完敗したのですが、ヒットの数だけでいったら、西武9に対して、巨人も7放っているのです。どこに差が出たかというと一言「長打力」の差だったと思います。野球の違いがあり、ディフェンス面を考えたら仕方ない部分があります。しかし、一軍の打線の不甲斐無さまで加味すると、どうも巨人の昨今のドラフトや編成に問題があったのではないかと思えて来ます。チャンスメーカータイプやコマタイプの打者が集まり過ぎちゃいないか。本当に集めるべきはポイントゲッタータイプの打者ではなかったのか。選手の走攻守の総合力の意味を取り違えていやしないか。このことは別立てて後日まとめてみたいテーマですね。
さて、平良に並んで最近登板を見る機会に恵まれている長谷川ですが、今日は前回登板と同様に、内容のある投球をしていたと思います。再三先頭バッターの出塁を許しますが、そこからが長谷川の真骨頂、落ち着いて後続を打ち取っています。ところが六回裏二死から木村にかなり厳しいコースの球をライナーでフェンスオーバーされたことで頭に血が昇ってしまったようです。これは失投ではなく、打った木村が上手いというか、強引に引っ掛けるようなプルヒッティングが功を奏したような打撃で、その場で割り切れば良いようなものでした。しかし、続く山川に対しては珍しくボール先行としてしまい、甘く入ったスライダーをバックスクリーンまで運ばれます。これも山川は体勢をやや崩されていながら打ったもので、打った方が凄いと割り切るべきものでした。三発目の森には完全に投げ急ぎです。簡単に追い込んだのに、どうして3球目にそこに投げるのか!?という投球をしてしまったのです。いつもの冷静な長谷川だったら、もっと慎重な対戦をしていたと思います。プロの打者はかくも凄いのかとビックリさせられたと思いますが、これでもまだ二軍戦なのです。この被弾を良い薬だと思って長谷川は、さらにクールでクレバーな投手になってくれたらと思います。
二番手は矢貫、三番手は乾が登板しました。2人ともまずまず威力のある球は投げていましたが、低目への制球は苦手なようです。矢貫は投球メカニック的に無理なのかもしれませんから、それを踏まえ、いかに自分の投球を工夫するかが課題だと思います。乾はたまたま球が浮き気味だったのかもしれませんが、一軍で使ってもらえるようになるためには、もう少し低めに球が集まるようにした方が良い。非常にキレの良いフォークを投げていましたが、今のままだと、一軍では簡単に見切られてしまうと思います。
打線の方。先週のレポでも話しましたが重信と藤村の一二番コンビが今日も機能していません。これが得点力不足の大きな理由だと思います。特に重信は二度の得点圏にランナーを置いた場面でいずれも凡退。五回の満塁の場面で2球目の難しい球に手を出してセカンドゴロに倒れてしまったことを引きずったのか、七回の二三塁の場面では、甘めのストレートを2球続けて見逃しています。そういったウエイトは前の打席のように満塁でやるのなら理解ができますが、追い込まれたら第二打席のようにフォークでやられてしまうだろうに。第一打席は積極果敢に初球に手を出して凡退していましたが、どうしてここに来てその積極性が失われてしまうのかが分からない。案の定、第二打席と全く同じ球で空振り三振に終わってしまったではないか。どうも、やっていることがチグハグで、前の打席の事を引きずっているのか混乱しているように見える。あれだけキャンプからオープン戦にかけて打ちまくったのだから、能力が無い訳ではないと思う。試合に出て経験を積みながら技術面だけでなく、メンタル面も鍛えて行って欲しいと思う。
苦しんでいた重信とは対照的に、溌剌としていたのは宇佐見と山本でした。2人とも高橋の力のピッチングに負けない力強い打撃をしていました。高橋のどんな球種が来ても粘っていましたし、タイプ的に好きな投手なのかもしれません。揃ってマルチヒットと結果を残しましたし、見るたびに打撃は良くなっている感があります。守備でも宇佐見は素晴らしいスローイングで二盗を阻止していました。ただ、今日もパスボールがありました。捕球の技術ももっと向上して欲しいと思います。
辻と岡本が1安打づつ。ヒットは共に素晴らしいものでしたが、今日の岡本はバットの先だったり、根っこだったり、やや打ち損じが多かったと思います。ともあれ、2人ともいつ一軍に呼ばれても良いように準備をしておいて欲しいと思います。一軍の打線の湿り具合を見ると、もう間もなくその時が来ると思います。
次の観戦はGW中のどこかでしょう。ではでは、次回も乞うご期待!
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