開花直前の花々!高卒4年目辻東倫のプロ初ヒットとビリギャル男ルーキー長谷川一軍初登板の記録

  • 舎人
    2016年05月08日 03:49 visibility807













このゴールデンウィークは星の並びが悪く、1つの行事をこなそうとすると別の楽しみが犠牲にせざるを得ない感じで、例年に比べあまりファーム通いをしませんでした。しかし、ジャイアンツ球場では上京しているジョン君が詳細なレポを寄せてくれていたので、状況を見失っていないことが何よりだと思っています。

さて、この連休中にファーム上がりの選手関連で2つの出来事がありました。1つは辻のプロ初ヒットで、もう1つは長谷川のプロ初登板です。彼らの記念すべき軌跡をいつものように書き留めておきたいと思います。


平成28年5月4日(水) セントラル・リーグ 巨人対広島(東京ドーム) 

五回裏、投手野村 
無死一塁 
代打辻:初球ライトフライ(低め128キロ) 

六回裏、投手野村 
二死一二塁 
辻:カウント1-0からライト前ヒット(137キロB、低め116キロ) 

八回裏、投手ジャクソン 
二死二塁 
辻:カウント1-2から空振り三振(151キロSw、148キロF、143キロB、136キロF、内角149キロ) 

五回裏代打で登場し、そのままセカンドの守備に就き3打数1安打


辻は昨年、初めて一軍に昇格し、3打席を与えられたもののノーヒットでした。スタメン1試合で、すぐに二軍に降格させられていたように、これは原さんの辻に対する値踏みと、一軍体験昇格のような意味合いだったように思います。その後、一軍に昇格すること無くシーズンが終わったのを考えると、まだ時期尚早という判断がされたのだと思います。しかし、地味ながら辻は着実に力を付けて来たのでした。イースタンでの打率が1年目から.213→2年目.222→3年目.269→4年目(今シーズン).321とステップアップしている。現在打率ランキングでイースタン4位、4年目にして二軍で首位打者争いを演じるまでになってきたのでした。もう体験昇格などとは言いません。加えて一昨年108試合378打席、昨年106試合404打席をこなし、ケガせずショートを中心に内野の要として役割を果たしたことも触れなくてはいけません。安倍さんは「野球人Vol.8」で「辻のことをハードなポジションで2年間無事に務めたのは驚嘆に値する」と評しています。確かにルーキー時は春先から夏場にかけて一か月ほど離脱がありましたが、それ以降、辻の長期離脱の話はありません。故障をしにくいということも辻の注目すべき点だということです。

成長を見込まれて昇格した辻でしたが、今シーズンの初打席は5月1日のヤクルト戦でした。七回に代打で登場すると村中から鋭い当りのファーストライナーを放っています。これはアウトにこそなりましたが、成長と今後の可能性を感じさせる打撃でした。そして、その3日後の広島戦、チームが大きくリードされている中で辻は途中から出番を与えられ、その日の第二打席で見事プロ初ヒットを放ったのでした。打ったのはカーブかスライダー。上体が突っ込まないようためて我慢して対応した打撃でした。記念のボールは両親に贈るそうですが、これに満足すること無く、どんどん記念ボールを増やして行って欲しいと思います。

その打撃が認められたのか、7日の中日戦で辻は今シーズン初スタメンを任されます。しかし、残念ながら3打数ノーヒット。プロ初のエラーも記録してしまいました。これからプロとして長くやって行くとしたらこういったこともあるでしょう。反省は当然として、大事なのはそれを引きずらないことです。先輩の坂本はその辺りの切り換えが実に速かったように感じます。

1つ気になることですが、今日(7日)の中継で解説の水野さんが、辻がバッターボックスで、バットを寝かせて構えていることについて触れていました。これだと構え遅れてしまうのではないかとのこと。辻も岡本と同じで変化球よりもストレートに対して課題のあるバッターです。その辺り一軍の威力のあるストレートにどう対応して行くか、打撃フォームについても今後注目して行きたいと思います。















6日の金曜日は育成から支配下登録された長谷川が一軍で初登板を果たしました。


平成28年5月7日(土) セントラル・リーグ 巨人対中日(東京ドーム) 

一回表、投手長谷川
大島:カウント1-2からやや詰まった当たりの投ライナー(137キロS、135キロS、136キロB、127キロF、128キロF、真ん中高め136キロ) 
荒木:カウント2-2からセンター前ヒット(122キロS、126キロB、126キロB、121キロF、138キロS、141キロB、真ん中138キロ) 
平田:カウント1-1からレフト前ヒット(133キロB、132キロF、真ん中やや内より134キロ) 
一死一二塁 
ビシエド:フルカウントから四球(126キロB、137キロF、124キロB、138キロB、123キロF、アウトロー137キロ) 
一死満塁 
ナニータ:カウント2-2から見逃し三振(138キロB、118キロS、123キロSw、139キロB、内角140キロ) 
エルナンデス:カウント2-2から見逃し三振(122キロS、137キロB、138キロB、123キロF、内角137キロ) 
二者残塁、一回表終了 

二回表 
堂上:カウント2-0からセンター前ヒット(133キロB、119キロB、アウトハイ140キロ) 
杉山:フルカウントからファーストファールフライ(130キロB、131キロS、131キロF、118キロB、135キロB、アウトロー115キロ) 
若松:初球三犠打(低め116キロ) 
一死二塁 
大島:カウント2-1からレフトファールフライ(134キロF、124キロB、118キロB、外角135キロ) 
堂上残塁、二回表終了 

三回表 
荒木:カウント2-2からセカンドフライ(103キロB、120キロS、120キロB、121キロF、125キロF、低め123キロ) 
平田:カウント0-2からショートゴロ(135キロF、121キロSw、低め125キロ)
ビシエド:フルカウントからライトフライ(108キロB、124キロB、121キロF、135キロSw、136キロF、127キロB、低め135キロ) 
三者凡退、三回表終了 

四回表 
ナニータ:カウント1-0からセンターフライ(133キロB、外角120キロ) 
エルナンデス:カウント0-1からレフト前ヒット(121キロF、外角135キロ) 
堂上:カウント2-2からフェンス手間の大きなレフトフライ(118キロB、119キロB、108キロF、111キロS、131キロF、外角131キロ) 
杉山:カウント0-1からショートフライ(118キロS、アウトロー120キロ) 
エルナンデス残塁、四回表終了 

五回表 
若松:カウント2-2からサードゴロ(119キロS、122キロSw、135キロF、121キロB、124キロB、真ん中内より135キロ) 
大島:カウント1-2からセンター前ヒット(106キロS、126キロB、122キロB、109キロS、136キロF、真ん中やや低め137キロ) 
荒木:カウント2-2からエンドランが決まりレフト前ヒット(134キロB、129キロS、118キロS、119キロB、真ん中低め119キロ) 
一死一二塁 
平田:カウント2-1からセンター同点犠飛(120キロB、135キロS、121キロB、真ん中やや内より134キロ)、1対1 
二死一塁 
ビシエド:カウント2-1からセンター前ヒット(122キロB、133キロB、118キロF、インハイ135キロ) 
二死一三塁 
ナニータ:カウント2-1からライト前勝ち越しタイムリーヒット(128キロB、133キロF、134キロB、外角120キロ)、1対2 
投手交代長谷川→田原誠

長谷川潤プロ初登板結果 負け投手
四回2/3 球数103球 打者23人 被安打8 与四球1 奪三振2 失点/自責点4 MAX141キロ ストレートの平均球速137キロ















結果から言うと長谷川の初登板は黒星ということで残念なものでしたが、持ち味は十分に発揮していたと思います。コントロール抜群で、スライダーのキレも良い。これはファームで投げていたのと全く同じ。普通、初登板は緊張でファームでやっていたことなどなかなか発揮できなくなるものですが、長谷川は度胸もなかなかのものだと感じました。それどころか、長谷川は部分的にファームでの投球以上の内容だったと思います。下では140キロを越えるストレートは投げていなかったし、五回に大島に投げていたような110キロ台の良く制球された抜いたような球もまず投げていなかった。こいつ、まだ武器持っていたんだ!と驚いた感じです。

このようにファームでの投球そのままのパフォーマンスを発揮した長谷川でしたが、ファームでの投球と同様に要所要所で球が甘くなっていたのでした。打たれたのはみんな甘い球。長谷川の球威では甘く入った球の打ち損じは期待できないのです。それと打たれた8本のヒットのうち6本が右バッターというのも不思議な話。プレート板を一塁にめい一杯近い位置から投球していましたが、これは右のサイドハンドでは聞いたことがありません。左バッター対策でそうしているのかもしれませんが、右バッターに対する右サイドハンドの優位性を消してしまっているのではないか。ファームで登板していた時の映像を確認してみましたが、確かにファームでも同じようにプレート板をめい一杯一塁寄りに使って投球していましたが、その時はもう少しインステップして右バッターへの優位性を維持していたように思います。その辺りの事は今後注目して行きたいと思います。

五回途中でノックアウトされたとは言え、試合が1点を争うタイトなものでなかったら、もう少し投げさせてもらえていたかもしれない。 分岐点となった五回一死一塁の場面の荒木の当りは、ショートの定位置の当りで坂本がエンドランで逆を突かれなければ、併殺で終わっていたと思うのです。また、自責点4もリリーフした田原の不始末さえなければもう少し少なかったでしょう。元々、六回失点3の投手なのです。それを考えたら十分なプロ初登板だったと思います。














ルックスが良く、非常に垢抜けた投手で、活躍すればおそらく非常に人気が出るに違いありません。先日、西部第二球場で間近で見たら、韓流スターのようだった。育成8位で昨年のドラフトで最後の最後に名前が呼ばれた選手が、スターになる時に私たちは立ち会っているのかもしれません。「ビリギャル男」は失礼かもしれませんが、プロ初勝利にでもなり新聞紙面を飾る事になったら、きっとどこかでこの呼ばれ方をするでしょう。その日を楽しみにしたいと思います。

ともあれ、2人ともおめでとうございます。更なる活躍を期待したいと思います。

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