平成28年5月28日(土) イースタンリーグ 巨人対西武(島田球場)支配下再契約に向けて好調を維持する坂口と遅咲きのブレイクを予感させる北の活躍!
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舎人
2016年05月31日 05:29 visibility1842
試合開始前の島田球場(両翼91m、ナイター照明6基)
島田球場の外観
スコアボード
今日は静岡の島田球場からです。大井川沿いにある明るく開放的な球場なのですが、いかんせん古く狭く、銀傘もなく、ネットが厚く、スタンドの座席もベカベカ動く有り様。まるで40年前から時が止まったような球場と言っていいでしょう。しかし、ここはいつも関東の球場にばかり通っている私にとって空気が違う気がするのです。だから毎年は無理でもまた来たくなるところなのです。前回来たのは2013年の6月ですから3年ぶり。通算4度目の訪問です。球場には大田も岡本も辻も橋本も、どうやら中井すらいませんが、何か将来へ向けた明るい出来事があればいいなと思います。
さて、例年イースタン巨人のこの静岡シリーズは中日との交流戦なのですが、今回は西武との対戦。巨人の先発は長谷川なのですが、対西武の長谷川というと4月の西武第二の試合が思い出されます。その時は木村山川森に三連発被弾をされました。今回はしっかりとリベンジを図ってくれたらと思います。
ところで、ネット裏のスタンドはガラガラです。地方主催試合はいつも満席なのにこんなの初めて???そのくらい巨人の人気は低迷している…のではなく、2,800円とバカ高いからでしょう。入り口でこのシリーズ専用のタオルをもらいました。その分安くすれば良いのにね。
静岡シリーズのタオル
試合開始前の和田恋
試合開始前の山本
西武
(6)外崎(5)渡辺直(9)森(3)山川(D)坂田(8)木村文(7)戸川(2)藤澤(4)水口(P)本田
巨人
(6)山本(8)松本哲(9)北(D)阿部(7)堂上(5)坂口(3)和田恋(2)宇佐見(4)藤村(P)長谷川
一回表
外崎:フルカウントから空振り三振(B、S、S、B、F、F、B、外角スライダー)
渡辺直:カウント2-1からレフト前ヒット(B、B、S、真ん中スライダー)
森:カウント1-2からレフト前ヒット(S、S、B、外角ストレート)
一死一二塁
山川:カウント1-1からショートライナー(B、S、低めストレート)→渡辺直が戻れず併殺
一回表終了
長谷川はいつも通りの投球でしたが、嫌な思い出のなる森や山川にはかなり慎重に投げていた感じです。
一回裏
山本:ストレートの四球(B、B、B、高めストレート)
松本哲:カウント1-1からセカンドゴロ併殺打(B、F、低めストレート)
北:カウント1-1からショートゴロ(B、S、外角ストレート)
一回表終了
制球に苦しむ本田に対し松本の積極的な打撃が裏目に出ました。低めの難しい球に手を出してしまった。
二回表
坂田:カウント0-1からレフトフライ(S、外角ストレート)
木村文:カウント2-2からファーストフライ(B、Sw、F、B、外角スライダー)
戸川:カウント2-1からファーストゴロ(B、B、Sw、外角変化球)
三者凡退、二回表終了
木村にはヒット性の危ないファールを打たれましたが、それ以外は長谷川無難な投球です。
二回裏
阿部:カウント1-1からファーストエラー出塁(S、B、外角ストレート、山川が弾く)
堂上:カウント2-1からレフトフライ(F、B、B、真ん中外よりストレート)
坂口:カウント2-1からセンター前ヒット(B、B、S、真ん中内よりストレート)
一死一二塁
和田恋:カウント1-0からライトフライ(B、外角変化球)
宇佐見:カウント3-1から四球(B、B、Sw、B、低め変化球)
二死満塁
藤村:初球ファーストゴロ(真ん中ストレート)
三者残塁、二回終了
坂口はやや内角のストレートを腕をたたみながらクリーンヒット!やや詰まっていましたがショートの頭を越して行きました。さすが絶好調です。
三回表
藤澤:フルカウントからセンターフライ(F、Sw、B、B、B、低め変化球)
水口:カウント1-2からセカンドゴロ(S、B、Sw、外角ストレート)
外崎:カウント1-0からセカンドフライ(B、外角ストレート)
三者凡退、三回表終了
長谷川この回はほとんど危なげない投球です。やはりコントロールが良い!
三回裏
山本:カウント1-1からセンターフライ(B、F、真ん中変化球)
松本哲:カウント2-1からレフトフライ(B、S、B、外角ストレート)
北:カウント0-1からレフト前ヒット(F、真ん中ストレート)
阿部:カウント3-1から四球(S、B、B、B、内角ストレート)
二死一二塁
堂上:カウント0-1からセカンドゴロ(F、外角ストレート)
二者残塁、三回終了
北は三遊間を強烈なゴロで破るヒットを放ちました。
四回表
渡辺直:初球左手に死球(変化球の抜け球)→代走金子一
森:カウント0-1からセンターフライ(F、外角ストレート)
山川:カウント2-2からサードゴロ併殺打(S、B、Sw、B、F、外角ストレート)
四回表終了
長谷川はストレートとスライダーを投げる時とで腕の位置を微妙に変えているようですね。不本意な形で出した無死からのランナーを背負い、森と山川によく投げ勝ったと思います。
マウンドの長谷川
四回裏、サード外崎、ショート金子一
坂口:カウント2-2からセンター前ヒット(B、F、B、F、低めストレート)
和田恋:カウント1-2から左二の腕に死球(F、F、F、B、ストレート)
無死一二塁
宇佐見:カウント1-2から空振り三振(B、F、F、高めストレート)
藤村:カウント1-2からレフト前ヒット(F、F、B、外角ストレート)
一死満塁
山本:カウント2-1からライト前先制タイムリーヒット!(B、B、F、外角ストレート)、1対0
一死満塁
松本哲:ストレートの押し出し四球(B、B、B、低めストレート)、2対0
北:カウント2-2から高いバウンドでファーストの頭を越えて行くライト線タイムリー三塁打!!(F、B、B、Sw、外角ストレート)、5対0
阿部:カウント1-2からライトオーバー本塁打!!(S、B、F、低め変化球)、7対0
堂上:フルカウントからライト前ヒット(S、B、B、F、低めストレート)
坂口:フルカウントからライトフライ(B、F、S、B、B、F、外角ストレート)
和田恋:フルカウントから見逃し三振(B、F、F、B、B、低め変化球)
堂上残塁、四回終了
坂口の二本目のヒットを皮切りに打線が爆発しました。阿部の本塁打は低めの変化球をまるでバットの先で拾い上げたような当たりでした。
五回表
坂田:カウント1-1からライトオーバー本塁打(S、B、高めストレート)、7対1
木村文:カウント1-0からショートゴロ(B、低め変化球)
戸川:カウント1-2から空振り三振(B、S、Sw、低め変化球)
藤澤:カウント2-0からファーストゴロ(B、B、外角ストレート)
五回表終了
坂田の当たりはフラフラの上がった当たりが意外にも伸びてライトの最前列のスタンドに運ばれたものです。それ意外は長谷川問題の無い投球。
五回裏、投手松本
宇佐見:カウント2-2からセカンドフライ(S、B、F、F、B、外角変化球)
藤村:初球レフトフライ(外角ストレート)
山本:カウント1-2から詰まったレフト前ヒット(S、B、F、内角ストレート)
松本哲:カウント1-0からセンターフライ(B、高めストレート)
山本残塁、五回終了
坂口に続いて山本にもマルチヒットです!内角球を強引に巻き込んだような詰まったヒットでしたが、ヒットゾーンは春先よりずっと広くなっている感じです。
五回終了時のグラウンド整備
六回表
水口:カウント1-1からファーストゴロ(S、B、外角ストレート)
外崎:カウント3-1から四球(S、B、B、B、外角ストレート)
金子一:カウント2-1からサードライナー(F、B、B、外角変化球)→エンドランでスタートした金子が戻れず併殺
六回表終了
これだけ点差が離れていることもあり長谷川の投球にも緊張感がありませんね。
六回裏
北:初球センターフライ(真ん中ストレート)
阿部:カウント3-1から四球(B、B、S、B、外角ストレート)
堂上:カウント1-0からフェンス手前の大きなセンターフライ(B、外角ストレート)
坂口:カウント1-2からセカンドフライ(S、S、B、外角変化球)
阿部残塁、六回終了
阿部の存在感はやはり二軍の選手のものではありません。
七回表
森:カウント2-2から空振り三振(F、B、B、F、外角変化球)
山川:カウント1-2からショートエラー出塁(S、B、Sw、外角変化球、山本がトンネル)
坂田:カウント2-1からセンター前ヒット(B、F、B、外角ストレート)
駒月:カウント2-2から左すねに死球(F、B、B、F、低めストレート)
一死満塁
戸川の打席で暴投、山川生還、7対2
一死二三塁
戸川:フルカウントから四球(B、B、F、F、B、F、F、F、内角変化球)
一死満塁
藤澤:カウント1-2からレフト犠飛(F、S、B、外角ストレート)、7対3
二死一二塁
水口:カウント1-2からセンターフライ(B、Sw、S、外角ストレート)
二者残塁、七回表終了
点差が空いていたことによる気の緩みから2失点です。火傷を負うところでした。
七回裏、投手玉村
和田恋:カウント0-1からライト前ヒット(S、高めストレート)
宇佐見:カウント1-2から空振り三振(F、F、B、F、低め変化球)
藤村:カウント0-2からショートゴロ(S、S、F、外角ストレート)→ランナー入れ替わる
山本の打席で藤村が二盗死
山本:カウント1-1から途中終了(F、B、S)
七回終了
和田恋のヒットはまるで逆方向へ引っ張ったような痛烈な当たりのものでした。
打席に向かう宇佐見
八回表、宇佐見→投手矢貫(DH解除)、捕手阿部
外崎:カウント2-2から空振り三振(B、F、B、F、F、アウトロー変化球)
金子一:カウント3-1から右中間三塁打(B、B、S、B、外角ストレート)
森:カウント2-0からライトフライ(B、B、外角ストレート)→サードランナー金子をライト北が本塁補殺!
八回表終了
阿部が捕手に替わったことで球場が今日一番の盛り上がりを見せました。やはり若手より名の知れたベテランの方が盛り上がりますね。
三塁に金子を置いて森がライトの定位置のフライを打ち上げると、北がノーバウンドの素晴らしい本塁送球をして補殺を完成させました。素晴らしい強肩です!
八回裏、投手岡本篤
山本:カウント1-0からショートフライ(B、外角変化球)
松本哲:フルカウントから四球(B、B、B、S、F、F、低めストレート)
北の打席で暴投
一死二塁
北:カウント2-2から左中間タイムリー二塁打(S、F、B、B、外角ストレート)、8対3
阿部:カウント2-2からショートゴロ進塁打(F、S、B、F、B、F、低め変化球)
二死三塁
堂上:初球センターフライ(高めストレート)
北残塁、八回終了
今日の北は守備に打撃に輝いて見えますね。
九回表、投手西村
山川:カウント2-2から見逃し三振(F、B、F、B、外角ストレート)
大崎:カウント1-0からセンター前ヒット(B、内角ストレート)
駒月:カウント1-0からショートゴロ併殺打(B、低め変化球)
試合終了、8対3で巨人の勝利!
勝ち投手長谷川、負け投手本田
西村がしっかり締め巨人快勝です!ヒーローインタビューはやはり攻守に大活躍の北でした。
抑えの西村
ヒーローインタビューの北
試合の総括ですが、途中で試合が壊れてしまったことで、やや緊張感に欠けた試合だったと思います。
先発の長谷川は七回まで坂田の本塁打1本に抑え、しっかりと一軍再昇格へ向けて好投したと思います。以前、西武戦で打ち込まれた森、山川といった要注意の選手に対しては、何だか投げにくそうしており、相手も嵩に懸からんばかりの気合の入ったバッテイングをして来ましたが、打ち気を逸らすような配球で、何とか乗り切っていました。やはりコントロールとスライダーのキレは素晴らしく、バックネット裏から球筋を見ているだけで溜息が出てくるほどです。おそらくもう一度くらい一軍で登板の機会を与えられると思いますが、田原の出来次第では、代わりに当面一軍に置いておくのも有りだと思います。生彩を欠いている今の田原ならば、長谷川と差が無いと思えますし、案外すんなりと結果を出すような気がします。
打線は二桁の11安打を放ち、非常に活発だったと思います。何だか各打者に余裕がある感じです。おそらく打線の中にしっかりとした軸があることが大きいのではないかと思います。今の一軍打線に一番欠けていることです。この試合の場合は阿部がどっしりと四番に座っていることですが、やはり阿部の存在感というのは圧倒的で、各打者の中で抜きん出ていることは間違いありません。この日は四回に試合を決めるライトオーバーの本塁打を放ちましたが、これはやや体勢を崩されながらもバット一本で振り抜いたものが、素晴らしい飛距離となってライトのフェンスを越えたものでした。バットの出方が良く、真っ芯で捉えていたことが意外な飛距離につながったのではないかと思います。どうやら火曜日から一軍に復帰のようですが、打つだけなら間違いなく戦力になると思います。後はどこを守らせるかですが、基本的に捕手で行き、時々他のポジションで行くような使い方が良いのではないかと思います。私はファーストというポジションは聖域化せずフレキシブルなポジションにしておくべきだと思っているので、昨年のような阿部のファースト専従だけは反対したいと思います。
他のバッターですが、坂口と北と山本の三人が目立っていました。揃ってマルチヒットです。昨年までの坂口は豪快さと脆さが同居しているような感じでしたが、この試合を見た限り、その脆さをウソみたいに感じません。しっかりと球が見えている感じで、好球必打が出来ています。また、身体の軸がぶれることなくコマのように回転しながら打撃ができています。正直な感想として「あれ、こんないいバッターだったっけ??」といった感じ。どうもここに来て何かを体得したのではないか。坂口は今季から育成選手に落とされてしまったのですが、考えてもみれば、打撃において坂口は大田とそんなに差があったかと言われると、そんなことは無かったと思う。それぞれにストロングポイントとウィークポイントがあり、投手や場面によっては大田よりも坂口の方が結果を出していたと思う。その二人になぜ球団の評価が分かれたのかを考えると、1位指名入団と5位指名入団ということで待遇に差があったこともあるだろうし、こういった不器用なタイプは、一軍のコマとしては使えず、大田の様に代走や守備要員としても使えないことが坂口の査定を低くしたのではないかと思います。しかし、打てるということは、走れること守れること以上に貴重なことです。坂口の今後の結果如何では、再び支配下入りの可能性があると思います。何とかこの好調を維持し、首脳陣やフロントを悩ませて欲しいと思います。
北はこの試合のMVPでした。3安打猛打賞で4打点です。坂本と同い年でドラフト1位入団ながら三球団を渡り歩いた苦労人です。入団の時は投手で行くか野手で行くか議論されるほど投打に渡ってセンスが認められていた選手です。私は以前の日記で、湘南時代の北のことを豪快で素晴らしい選手だと感心してレポした覚えがあります。当時の湘南シーレックスは三番が北で、四番が今をときめく筒香だったのです。北も筒香も「こんな選手が巨人にいたらなぁ」と思っていた感じです。
大田・中井の目の前で放たれた筒香・北のアベック本塁打(2011年8月16日)
それがどうしたことか北は筒香と違って順調とは行かず、トレードに次ぐトレードで、巡り巡って巨人の選手になったのです。しかし、巨人にたどり着いた北は、以前見た時のオーラはすっかり消えていたのでした。何だか横川が二人に増えたような印象を受けました。「これなら隠善の方が良いなぁ」と思った感じです。そんな風に私の中で北に対する関心はあまりなく、いつか横川の様に通り過ぎて行く選手なのだろうと思っていたのでした。しかし、今シーズンの北からは以前のようなオーラが徐々に戻って来た感じを受けるのです。これはもしかしたら遅咲きのブレイクの予兆かもしれません。北に関してはどうも少し見方を変えた方が良いと思った決定的な活躍でした。
最後に山本ですが、四回に先制のライト前タイムリーヒットを放つと、五回にはレフト前ヒットを放ちました。外角に強いものの、内角に弱点がある山本ですが、春先に比べれば、内角球もずっと対応できるようになっていると思います。普通、下位指名入団の選手は寺内の様に、まずコマとして一軍を目指すことが多い中、山本は総合力でレギュラーを目指すことのできるタイプだと思います。華のある選手なので、きっとスター選手になれるでしょう。今シーズン中の一軍定着は厳しいかもしれませんが、もう一度か二度、一軍でプレーさせて学ばせるべきだと思います。私には数年後、山本がしれっと一軍打線の6番、7番あたりを任されているような予感がします。
動画はすでに他で発表したものも含めて7本作りました。注目は長谷川対森です。いかに長谷川が強打の森を打ち取ったのか。北の本塁補殺も一見の価値があると思います。
長谷川潤 奪三振!2016-05-28 ←New
坂口真規 マルチヒット!2016-05-28 ←New
北篤 猛打賞&本塁補殺!2016-05-28 ←New
山本泰寛 マルチヒット!2016-05-28 ←New
藤村大介 レフト前ヒット!2016-05-28 ←New
和田恋 ライト前ヒット!2016-05-28 ←New
阿部慎之助 二軍調整中のライトオーバー本塁打!2016-05-28 ←New
さて、次回は熊谷の三軍戦か土曜日の楽天戦を観戦します。次回も乞うご期待!
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