12球団で最も補強をしたのに親会社のトップに補強をしてないと言われる巨人
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舎人
2016年07月09日 18:10 visibility1004
本当は今頃、ジャイアンツ球場のスタンドでイースタンの試合を見ているはずだったのですが、梅雨時期の悔しさよ、雨天中止だということで自宅で一軍の試合開始を待っています。
昨日の試合は大田が殊勲の勝ち越し打を放ってDeNAに逆転勝ちをしたのですが、これは1試合の勝利だけでなく、未来へつながる勝ち方だったということで大きな意味があったと思います。やはり、これからの時代を夢見てワクワクさせる存在の活躍というものは、ファンにとって格別なものなのです。私は大田のことを巨人の育成の象徴だと思っています。正確にいうと大田を前後する中井から鬼屋敷までを一括りの団と見ているのですが、その象徴が大田だと思っている。巨人の今後の事を考えると、この団(世代)を何とかここ1、2年のうちに白黒ハッキリとさせなくてはいけないと思っている。そうしないと次の世代に悪影響を及ぼしてしまいかねないのです。このままレギュラー候補生とするのか、今後はコマとして一芸に特化した役割を意識させ球団に残すのか、あるいは他での働き先を考えてトレード要員にするのかです。全員が全員レギュラーには成れるものではありません。したがって、どこかで線引きをしないと行けない。中井や大田たちにはその時期がすでに到来しているのだと私は思う。いつまでも可能性を加味した評価で、徒に年数ばかり浪費させる事は彼らのためにも良くありません。時には思い切った断も必要だと思います。しかし、そのためには本人たちを納得してその結果を受け入れさせる理由がなくてはいけません。そのために必要なのが必要最低限の出場期待の確保です。抜擢や起用がいい加減なものだと、その理由を上手く説明できなくなる。球団は選手のキャリアを預かる重要性をもっと認識しなくてはいけないのです。
昨日の大田の場面の事ですが、ニッポン放送の中継で大矢さんは「ここは左の代打の場面でしょうけど、巨人の左の代打層は薄いですね。だからこのまま大田を打席に送るしかないのでしょう・・」といった感じで話していました。大矢さんが話すまでもなく、左の代打が残っていたとしたら、おそらく大田は変えられていた事でしょう。もしも亀井や脇谷がいたら、大田は代打を送られていた。それでヒットが出て勝つことができれば、勝利という結果が残るから良しとして、結果が出なかったら、得点できなかったばかりか、大田がブレイクするきっかけも失われたのです。これは何も昨日のあの1打席の事だけではなくて、現在の巨人全てにおいて同じ事が言えると思うのです。つまり、コマの豊富さが却って選手のブレイクの可能性を阻害しているのではないか。これは原さんの野球のスタイルに起因しています。チーム全体で勝ちに行くということで、ことさら役割をワークシェアリングしていたことに関係があると思う。このことでチーム全体の士気が上がり、死にコマを出さない効果があった事はあったと思います、しかし、同時に未経験な選手たちの未知のスキル開拓の機会を奪っていたのではないか。そういった功罪を考えると、それが良かったとも間違っていたとも言えません。ただし、私なら選手を色分けし、これといった選手には特別扱いすると思う。将来の主軸候補なら、その日どんなに不調だったとしても、苦手なタイプとの対戦だったとしても打席に送るだろううし、逆にコマなら、積極的にワークシェアリングするといった感じです。
さて、昨日のスポーツ紙面では渡辺元オーナーの記事が久しぶりに載っていました。一昨日の阪神との無様な試合を観戦したのを受けて囲み取材でコメントしたもののようです。
渡辺恒雄主筆、巨人低迷の責任は「フロントだよ。補強してねえもん」由伸監督を擁護
読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄氏(90)が7日、東京ドームで行われた巨人-阪神を観戦し、巨人の現状について、約4分にわたり熱弁をふるった。
試合はわずか1安打の完封負け。感想を問われ「オレは負けてる試合は見ないことにしているんだ、後ろを向いて」とバッサリ。首位の広島との差が10ゲームと開いていることには「そんなこと聞くな。不愉快だ」と顔をしかめ「やっぱりこれはね、由伸(高橋監督)の責任じゃねえからな。フロントだよ。補強してねえもん。今の陣容で勝てっていったって無理だよ」と高橋監督を擁護し、編成上の問題を指摘した。
チームは連勝が2で止まり4位に転落。上昇気流に乗り切れていないが「すぐに勝てるわけねえよ。だけど、いいとこにいってるんだ。これはまだ、メークミラクルの可能性はある。(96年に)11・5をひっくり返したんだから、可能性はある」と大逆転優勝への期待も。その上で「これでめちゃくちゃ頑張れば、オレは何にも批判しない。来年は必ず優勝するよ」と気勢を上げた。
試合前には都内で高橋監督から前半戦の報告を受けた。老川オーナーも交えての“会談”の内容については「無駄話をするわけはないじゃないか」と話しただけで詳細は明かさなかったが、就任1年目の指揮官について「一般論として、彼ほど頭のいい人はめったにいない」とたたえ「最高の人材だ」と高い信頼を口にしていた。
この記事を読んで一番苦笑しているのは他ならぬジャイアンツのフロントだと思う。おそらくこの老人は何もチーム事情の事を知らないのではないかと思ったのではないだろうか。巨人が補強をしていない?親会社のトップの認識とはそんなものなのだろうか。あにはからんや、巨人は昨年のオフから今年にかけて異常なまでに戦力をかき集めていたのだ。
この表でも分かる通り、巨人はドラフトでもトレードでも実に積極的に動いていたのです。日本一に成ったソフトバンクの倍、12球団一少なかった阪神の2.2倍も新入団選手がいた。
もしも、巨人が勝てない理由を考えるとしたら、補強が足りないからでないことは明白です。おそらく渡辺さんの意図する補強とはチームの主軸を連れてくることであり、いくらカスのような選手を集めても意味は無いと思っているのかもしれない。しかし、そんな補強が出来る時代ではありませんし、仮に出来たとしても、そのためには過去の補強選手たちを整理しない限り編成的にも資金力的にも無理だと思う。
私も現在の巨人で一番の問題はフロントにあると思っています。しかし、それは渡辺さんとは全く逆の視点で、取った選手をいかにして昇格させ戦力にして行くかの道筋が出来上がっていないことが問題だと思っている。原さんの時代から続く「大量保有選手の抜擢問題」です。何度も言いますが、昔のチームは選手も少なかったので、選手選びは監督の専権事項で良かったのです。しかし、これだけ大所帯に成ると、選手を抜擢するためには監督の主観とは別にシステマチックなルールがなくてはいけないのです。それを運営するために役に立つのがBOSなどのシステムで、理詰めで監督や首脳陣に抜擢や起用を進言するものです。巨人も清武さんの時代にBOSが導入されたものの、おそらく現在はあまり機能していないと思う。いくら立派なものを作っても担い手が受け入れないのでは無意味なのです。こういったことは一般の企業にも良くある事で、企画部門で素晴らしいシステムを導入しても営業部門で受け入れなくて混乱するといったことなど。そういった場合、組織のトップが営業部門に何とか言う事を聞くように促し、円滑なシステム運営の手助けをするものです。巨人の場合はその営業部門が原さんで、組織のトップが渡辺さんだったことで、両方からシステムを否定してしまったのです。
渡辺さんは一場問題の責任を取り、オーナーを退いた訳ですが、いつの間にか球団会長などという役職でチームのトップに復帰してしまった。この時も一場問題のことはどこへ行ったのかと不思議に思いました。そして、昨年秋の賭博問題による会長辞任。これで完全に球団とは縁を切るはずではなかったのか。一ファンとして巨人戦を観戦して応援する分には問題はありません。しかし、高橋監督と会ったり、球団についてとやかく言ってはいけないのではないだろうか。どうも節操がないと思えて成りません。それに補強さえすれば勝てるようなことを言っているのだとしたら、それは監督など誰でもいいと言っているようなものだと思う。渡辺さんの発言の真意を私が意訳するとこうです。
「監督はどんな無能だろうと未経験だろうと補強さえしっかりとしてやれば勝つことが出来る。今の巨人のことはよく分からんが、どうやら大物の補強がなかったから勝てないのだろう。高橋は若いし、長嶋の時のように大物の補強が必要だ。世間があっと驚くような補強が出来たらファンも呼び戻せるし、高橋だって勝てるようになる。もっとしっかりとした選手を連れてこいフロント!」
補強についてのジレンマと編成の難しさはそんな単純なものでないということをフロントは思っているに違いない。問題は別のところにある。まさかこんなことで右往左往するでないぞフロント!
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