深田や村田たちの戦力外に思うこと 選手の見極めについて

  • 舎人
    2010年10月16日 05:02 visibility1198


巨人はすでに四名の投手に対し、来シーズンの契約をしないことを通告しています。


村田、深田、竹嶋、西村優の四名ですが、今日はこの四人の戦力外についてや、


選手を戦力外にするしないの見極めはどうあるべきかについて考えてみたいと思います。


 


深田は何度となく一軍でもチャンスがありましたが、


なかなか結果を出せず5年が経過してしまいました。


本人の投球スタイルは緩急を使った先発タイプだったのに対し、


チームの求めていたのは対左打者用のリリーフ要員でした。


今シーズンのように先発の駒が不足している時に、


一軍に抜擢してあげればと思いましたが、


原監督には昨年の抜擢の時、左バッターに対して、


弱気の投球をしたことが深く刻まれていたのでしょうか、


深田に声がかかることはありませんでした。


先発タイプの投手が今年のように先発不足の中でも声がかからないということは、


本人の力量があるなしにかかわらず、これ以上チームにいる意味がないということです。


深田の処遇に対しては残念な思いがあるものの、これは仕方ないと思います。


しかし、逆にこれは深田にとってはチャンスではないかと思います。


イースタンでチームトップの7勝をあげ、勝ち頭だったのです。


深田のような投手が欲しい球団は必ずある気がしますし、


深田はそこでしぶとくプロとして生き残っていく気がします。


 


深田を見ていると大事なことは力があるなしもさることながら、


いかに自分の力をチーム事情に合わせて発揮できるかどうかが大切だと思い知らされます。


その点で深田は力はある程度ありながらも不器用だったのでしょう。


東野はイースタンではわずか1勝しかあげられなかったにもかかわらず、


一軍に抜擢されるとチーム事情に合わせてリリーフに先発に投げ続け、


ついにチームの勝ち頭にまでなりました。


プロの投手はこのフレキシブルさが大事だと思います。




西村優は3年目の育成投手、身長187センチ、体重80キロという堂々たる体格から、


角度のある球筋と落差の大きなカーブが武器の投手でした。


チームとしては体のでかさから大化けを期待したのでしょうが、


3年待ってもその期待は応えられませんでした。


ストレートは最速で140キロ手前、コントロールも特別優れているという訳ではなく、


現在の大学三年生と比較しても、力不足と判断されたのだと思います。


球団としては一応3年待ってモノになるかどうか判断したのですから、


今回の戦力外通告は仕方ないことだと思います。


本人は進路未定とのことですが、野球は続けて欲しいと思います。


何かがきっかけで突然才能が開花するか分かりません。


西村の野球人生が悔いのないものになることを祈りたいと思います。




深田や西村はチャンスを与え、検証した結果、やはり不要だと見極められた選手たちです。


しかし、村田と竹嶋はその見極めをするのが時期尚早ではないかと私は思います。


 


村田は外れの外れながら2007年のドラフト1位入団の投手です。


見事な投球フォームから美しい回転の球を投げ込み、


球速以上の速さを打者に印象付けます。


その球質の良さを雑誌「野球小僧」では、阪神の藤川にそっくりと評していました。


さらにスライダーのキレ味も良く、東野のそれに引けをとらないものです。


しかし、何が問題だったのか?


 


今年の村田は3月4日春期教育リーグの初戦に先発として抜擢されると、


三回を被安打1、無失点とほぼ完璧な投球でした。


次の3月18日も被安打5、失点2(自責点1)とまずまずの投球で勝ち投手。


今年は緩急が上手く使え、コントロールも非常に安定していた滑り出しでした。


しかし、イースタンの公式戦が始まるといきなり勝てなくなります。


公式戦6試合登板のうち5試合で先発を任されるものの、勝ち星なしの4敗です。


これを検証すると、最初の3試合はいずれも3イニング目までは完璧な投球をしているのです。


打たれ始めたのは必ず4イニング目からなのです。そんなこともあって、


私は5月の頭の日記で、村田の課題はスタミナ不足にあると書きました。


しかし、その後2試合の村田はなかなか勝てないことで調子を崩したのか、


先発をすると初回からめった打ちに合っているのです。


4月30日は初回に3安打の2失点、5月27日も初回に被安打4の2失点です。


あれほど立ち上がりの良かった村田がどうしたのか・・


 


この5月27日は二回で降板させられてしまうのですが、


この日をもって村田がイースタンの公式戦で登板することはありませんでした。


その後の登板は全てフューチャーズやシリウスで投げたものなのです。


おそらく、ここで村田は見切りを付けられ、実質的な育成降格となったのでしょう。


フューチャーズでは10試合に投げて防御率1.89、


シリウスでは7試合に投げて防御率1.42ですからそれなりの力があることは分かります。


フューチャーズは言わば3軍、シリウスは4軍と位置づけられていますが、


この2軍(イースタン)と3軍との境目に立ち位置があるのが村田なのだと思います。


 


技術的なことを言うと、いかんせん球威が物足りませんでした。


最速で145kmを見たことがありますが、ストレートのほとんどは140km前後です。


この球威でも十分通用している投手もいますが、


そういった投手の持つ制球力は村田にありません。


また、やや体の開きが早く、打者にとって打ちやすい投手だったように感じます。


辻内が五回ノーノーをやった9月のJABA神栖市長杯でも投げて勝ち投手になっていますが、


この時も格下のクラブチーム茨城Gゴールズに被安打8を打たれています。


このように村田はプロとしてやって行くだけの威圧感にも欠けていました。


 


しかし、今年の春先の投球は一軍でも十分通用すると思いましたし、


細かい故障はあっても致命的なケガをしている訳ではありません。


まだプロ入り3年目、何かきっかけさえあれば十分可能性があると私は感じます。


個人的にはもう一年待って様子を見て欲しかったです。


本人も現役続行を希望しているようですが、おそらく拾う球団はあることでしょう。


 


それにしても2007年の大学・社会人ドラフト1位は本当に出てきませんね。


セ・リーグ(大・社)ドラフト1位


中日    長谷部 [外れ]→山内         【11試合2勝1敗 防3.15 】


阪神    大場  [外れ]→白仁田            【一軍出場なし 】


巨人    大場  [外れ]→篠田[外れ]→村田透   【戦力外通告】 


ヤクルト  加藤                  【17試合1勝3敗 防9.17 】


広島    長谷部 [外れ]→篠田         【62試合11勝11敗 防3.93】 


横浜    大場  [外れ]→小林         【63試合7勝15敗1S 防4.72】 


パ・リーグ(大・社)ドラフト1位


福岡    大場                  【39試合4勝10敗 防5.52】


西武    大場  [外れ]→服部[外れ]→平野    【27試合5勝7敗1S 防5.47 】


千葉    長谷部 [外れ]→服部         【8試合0勝0敗 防14.29】


日本ハム  大場  [外れ]→服部[外れ]→多田野     【戦力外通告】 


オリックス 小林                  【2試合0勝0敗 防0.00】


楽天    長谷部                 【48試合9勝17敗 防6.69】 


この中だと篠田(広島)が最もマシな感じです。


マンジさんだったか、誰だったかが、大場なんか指名に行かず、


最初から篠田指名で行くべきと力説していたのを思い出しました。




竹嶋も西村優、村田と同じプロ入り3年目の投手でした。


この投手を実のところ私は一度しか見たことがありません。


昨年のイースタン開幕3戦目に三番手として登板した1イニングのみです。


しなやかな投球フォームからキレのあるストレートとスライダーを投げていました。


竹嶋は入団以来ずっと大小のケガに苦しんできました。


その竹嶋がプロ入り後唯一注目されたのが2年目のキャンプでした。


巨人の二軍のキャンプを見た評論家が異口同音に竹嶋のことをほめていたのです。


「巨人の2軍キャンプに面白いサウスポーがいるぞ・・」


2年目のシーズンはイースタンで10試合を投げ、


8月にはリリーフで登板すると、うれしいプロ初勝利を挙げたりしました。


しかし、シーズンの前半に比べ、後半はどうも生彩を欠いた投球をしていたようです。


その頃からヒジの不調を抱えていたのでしょうか・・


そして、今年の3月11日、左ヒジの靭帯再生手術を受けることになります。


これは辻内がやった手術と同じもので、


巨人の選手ではグライシンガーやゴンザレスも過去に受けたことがあります。


 


今回の戦力外通告で竹嶋は一般企業へ就職するとのことですが、


もしも野球に関係ない就職先なら私は本当にもったいないと思います。


靭帯再生手術は選手生命を左右するものではありません。


グライシンガーもゴンザレスも手術後むしろ、球にキレが増し、


コントロールが良くなったほどです。


今シーズン投げられなかっただけで野球を止めてしまうのは本当にもったいない。


球団も何でもう一年待ってあげられないのだと不思議でなりません。


西村のように十分な見極めをして力不足と判断したのならまだしも、


竹嶋はケガさえなければ、プロでも通用するキラリと光るものを見せていたのです。


まだまだ戦力にならないと判断するのは先だと私は思いました。


 


おそらく今回の戦力外通告は第一弾で、CS後に第二、第三の発表があることでしょう。


その中でどれだけの若手選手がいなくなってしまうかが気になるところです。


 


私はまだ戦力になっていない選手の猶予期間を、


高卒なら7年目、大卒・社会人なら4年目までだと考えています。


もちろんこの間に致命的なケガをしたり、


明らかに力不足だと判断すれば戦力外も仕方ないのですが、


可能性を感じる選手に関してはそこまで待って欲しいと思っています。


この間はトレードもしないで欲しい。


しかし、この期間を過ぎれば、いくら2軍で結果を残していても、


2軍に置いておくべきではありません。彼らの進路を決めるべきです。


その進路とは・・


①一芸を活かし、一軍のコマにする。代打・代走・守備固め、など


②トレード要員として他のチームへ送り出す。


③戦力外にする。


全ての選手が一軍のレギュラーを目指している訳です が、


これを待つことができるのは25〜26歳までです。


それまでに一軍のレギュラーになれなかった選手は、3つのコースに振り分けるのです。


何か1つでも一軍で通用するものがあれば、一芸を活かしながら徐々に総合力を付け、


最終的に一軍でレギュラーになる選手もいるかもしれません。


一番困るのは、全てが次第点で一軍に及ばない選手です。


そういった選手はいわゆるファームの帝王と呼ばれるようになります。




以前の巨人はそういった全てが次第点で一軍には上がれないものの、


新入団の若手選手よりは力のある中堅が、ファームにのさばっていたチームでした。


彼らも無計画な編成の犠牲者なのですが、一番の問題は、


彼らによって可能性のある若手たちの活躍の場が奪われてしまっていたことでした。


帝王と呼ばれる選手を作らないことが編成にとって大事だと考えています。






































































































































































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