雄星と辻内では二軍公式戦初登板はどちらが上だったか?
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舎人
2010年04月02日 02:08 visibility205
雄星が昨日(31日)、イースタンリーグで公式戦初登板をしました。
私はジャイアンツ球場に行って実際にはみていないのですが、
無安打自責点0ながら「期待外れ!」や「がっかり」という意見が目立ちます。
今まで教育リーグで雄星が投げるたびに辻内との比較をしてきましたが、
今回はその比較の最終回をしてみたいと思います。
二軍の公式戦初登板で、2人はどんな投球をしたか?まずは雄星から・・
2010年3月31日(水)イースタンリーグヤクルト対西武(西武第二球場)
先発雄星
一回表
志田カウント1ー3から四球
川端捕犠打
一死一塁
野口レフトフライ
ユウイチセカンドゴロ
志田残塁
二回表
梶本ショートゴロ
高井レフトフライ
吉本レフトフライ
三者凡退
三回表
中村四球
捕手岳野のファースト牽制悪送球→中村は一気に三塁へ
無死三塁
森岡セカンドゴロの間に中村が生還、失点1
志田レフトフライ
川端セカンドゴロ
三回を投げて被安打0、与四球2、奪三振0、失点1(自責点0)、MAX135キロ、球数35
これが雄星の二軍公式戦初登板の試合経過ですが、
高校時代の力で打者を圧倒する投球はどこへいったのか?
球速が135キロだったというのも少し物足りなければ、奪三振0も意外です。
ただ、高卒投手が公式戦初登板で三回を無安打、自責点0に抑えたのです。
普通の投手ならむしろ評価をしてもらえたことでしょう。
しかし、それでも期待外れの声が出るのは雄星が
普通の投手ではないということにほかなりません。
さて、一方の辻内は二軍公式戦初登板はどんな投球をしたか?
2006年4月9日(土) イースタンリーグ日本ハム対巨人(ジャイアンツ球場)
先発辻内
一回表
川島カウント1ー3から四球
工藤空振り三振
川島が二盗で一死二塁
陽四球
鵜久森空振り三振
森空振り三球三振
二者残塁
二回表
尾崎空振り三振
小山フルカウントから四球
市川空振り三振
橋本空振り三振
小山残塁
三回表
川島見逃し三振
工藤空振り三振
陽レフト左へ二塁打
鵜久森センターオーバータイムリー三塁打、失点1
二死三塁
森左中間本塁打、失点2
尾崎セカンドフライ
この回、失点3
四回表
小山空振り三振
市川セカンドゴロ
橋本カウント1ー3から四球
川島セカンドフライ
橋本残塁
五回表
工藤投ゴロ
陽フルカウントから四球
鵜久森空振り三振
森の打席で暴投→陽はセカンドへ
森カウント1ー3から四球
二死一二塁
尾崎空振り三振
二者残塁
五回を投げ被安打3、与四球6、奪三振11、失点3、MAX149キロ、球数114
全投球の9割がストレートの荒々しい投球でした。
前回同様、内容的に菊池が上でも、周りの期待に応えていたのは辻内だった気がします。
特に奪三振11、球数を気にせず三振にこだわった投球には無限の将来性を感じました。
しかし、辻内はこの初登板から2か月後に初めての故障を訴えます。
これは軽い肩の張りで1か月ほどで復帰しましたが、
これでオールスター明け一軍登板の話は立ち消えになりました。
一年目はそのまま終幕、オフにハワイのウインターリーグに参加し、
二年目はキャンプを一軍で迎え先発の一角を期待されましたが、今度は左ヒジを痛めます。
左ヒジ靱帯再生手術を受け、ほぼ丸々二年間リハビリ。
昨シーズンは手術をしたヒジの故障もようやく癒え、
イースタンで7勝をあげました。
しかし、今季は高橋尚の代わりの先発や
山口の代わりのリリーフとして期待されながらも、
またもどこかの捻挫で離脱です。いまだ復帰の声を聞きません。
私は日本一熱く辻内のことを応援していると思っていますが、
肝心な時にいつも故障で離脱するところは正直言ってがっかりしています。
自分の体を理解していないという点で自己管理ができないのではないか?
また自分の体のロジックに関心が薄すぎるのではないか?
このままなら辻内の大成は厳しいと思います。
頭でっかちで、理論が暴走気味の雄星と、理論不足の心配のある辻内。
同じタイプのようで、そういった意味では雄星と辻内は真逆の投手のような気がします。
2人足して2で割ればさぞかしいい投手が2人出来上がる気がします。
もう一度雄星についてですが、
私が思うに雄星には二つの亡霊が取り付いていると思います。
1つは豪速球投手という亡霊です。
少し投球フォームを崩して球威球速が出ていないだけというのに、周りは大騒ぎ!
投手としての全てが否定されてしまったかのようです。
もう1つは松坂の再来という亡霊。
いきなり最多勝を取った天才を基準に判断されてしまっています。
これらの亡霊を振り払わないといけない雄星は本当に大変だと思います。
しかし、裏返せば普通の野球選手は持ちたくても持てないステイタスを、
元々持っているということです。
つまり、周囲が期待することに応えれば、
野球ファンはもちろん野球ファン以外をも認知する
真のスーパースターになれるということなのだと思います。
雄星と辻内、どちらも成功して欲しいと本当に思います。
彼らのような存在が活躍することが最も集客につながり、
野球に関心のない人が球場に足を運ぶきっかけになると思っています。
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- 事務局に通報しました。
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