堅気の仕事

コラムニストの故ナンシー関女史の文で、「職業によっては、例えば新幹線で妙にガタイの良いやくざ風の集団を見かけたらそれは遠征中のプロ野球選手、というような(あまり印象の良くないものでも)分かり易い雰囲気が必要だ」みたいなのを読んだことがあります。

僕は以前職業柄、デザイナーと会うことがあったのですが、確かに彼らにもそれっぽい雰囲気というものがあります。
世の中たくさんの仕事がありますが、特定の職業から喚起されるイメージは、意外と多くの人達に共有されていると思います(だからコスプレ風俗とかの需要があるのでしょうし)。そしてそういう記号化が世の中を円滑に動かす上で結構重要だったりします。

で、かなり前の話なのですが、関東フットサルリーグのオールスター戦というのがあって、その模様がスカパーで録画放送されていました。
その選手個々の存在感が、確かにプレーは上手いのですが垢抜けないと言うかオーラが無いと言うか、正直何とも微妙でした。プロスポーツ選手と呼べるほどには体がシェイプされていないし、かと言って『堅気』の雰囲気(念のため言っておきますが、職業に貴賎はないです)もないし・・・。
たとえマイナースポーツでも、プロ(または企業アマなどスポーツ自体を生活の糧としている人)であればもっとアスリート然としているし、趣味の延長で楽しんでいるのであれば本来の職業色の方が濃く映ると思います。現在のフットサルの、競技としての立ち位置の中途半端さ(もちろんこれは選手達に非はないことです)が色濃く出ている感じがしてしまいました。

ファンには周知の通り、来年からフットサル全国リーグが発足します。各チームともしっかりした環境を整え、所属メンバーにフットサル選手と言う『職業』を提供して欲しいと思います。もし世間に『フットサル選手っぽい』イメージというものが生まれるようなことがあれば、もちろん全国リーグは大成功を収めていることでしょう。

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