BEST8 と 監督

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    2007年04月25日 19:03 visibility71

CL 準々決勝が終わった。
BEST4 は、マンチェスターU、AC ミラン、チェルシー、リバプールの 4 チーム。4 チーム中、3 チームがプレミア勢という結果に世間のニュースでは、世界最高リーグはプレミアだ!といわんばかりの報道が続いている。
過去、CL BEST4 に同国のチームが 3 チーム残った事は、2 回ある。
99 - 00 シーズンに、バレンシア、バルセロナ、レアル・マドリーのスペイン勢 3 チームが残り、レアル・マドリーが優勝。(決勝は、バレンシア VS レアルマドリー)
02 - 03 シーズンは、ユベントス、ミラン、インテルのイタリア勢 3 チームが BEST4 となり、ミランが優勝した。(決勝は、ユベントス VS ミラン)

いずれの場合も、決勝は同国同士の対戦となっているのが、興味深いデータだ。つまり、今シーズンに当てはめて見た場合、プレミア勢同士の決勝戦になると予測ができる。(データで見た場合の話)

もう一つ注目する点は、BEST4 に残っているチームの監督で CL を優勝した事がない監督がいない事である。ファーガソンは、98 -99 シーズン、アンチェロッティは、02 - 03 シーズン、モウリーニョは、03 -04 シーズン、ベニテスは 04 - 05 シーズンにそれぞれ優勝している。(モウリーニョ以外は、現在率いているチームを優勝させている。)

BEST8 の試合で、特に感じたのが監督の力である。必ずしも結果に繋がるものではないが、試合を左右する場面での采配は大きくチームに影響を与える結果となる。 CL の場合、Home & Away での試合となるため、第 1 戦、第 2 戦での駆け引きなども見所となる。

今回、バイエルン VS ミラン、マンチェスターU VS ローマの試合は、大きく監督の力量差が出た試合となった。Home & Away で戦うのがいかに難しいかを見せてくれた試合でもあった。

2 戦目のバイエルン VS ミラン、マンチェスターU VS ローマの試合は、前後半で、監督の采配に違いが見えた。
マンチェスターU VS ローマ戦では、試合開始から攻めるのか守るのかはっきりしないまま、気合だけが空回りしたローマが、マンチェスター U に先制を許す。先制を許したローマは混乱のまま立て続けに得点を許し、前半が終了した時点でのスコアは 4-0 。ここで注目は後半開始からのスパレッティの采配。これだけの得点差が出た場合、大体においてメンバーチェンジ、もしくはなんらかの指示が選手に伝えられ るはずなのだが、この試合では、後半に入っても前半とあまり変化がなく、試合は前半で決まったと言ってもよかった。
一方的にマンチェスター U のカウンターが始まりボールを追いかけるだけのローマの選手達。監督は、ただただ呆然とベンチで傍観していた。。。何もできないまま、試合終了のホイッス ルが鳴るのを待つだけの試合となった。トッティの個人技からのアシストで一矢報いたのが、せめてもの救いだっただろう。マンチェスター U が Home で圧倒的な強さを見せつけ準決勝へ進んだ。

バイエルン VS ミラン戦、第 1 戦目はミラン Home の試合でスコアは、2-2 。第 2 戦は、バイエルン有利となる。なぜ、有利なのか?
CL では Home & Away のスコアが同点となった場合、Away での得点が「× 2」で計算される。つまり、第 2 戦でバイエルンは、最低 1-1 もしくは 0-0 の引き分けで勝ち抜けが決まるからである。無理に勝ちに行かなくてもいいという事が精神的に有利に試合を進められる要因となる。そして、第 2 戦がバイエルン Home での試合となるのも有利な条件である。自クラブのサポータの応援するスタジアムでの試合は、絶対的に有利である。

そんな中、始まった第 2 戦。試合開始から Home のバイエルンペース。第 1 戦を研究していた監督のヒッツフェルトはハーグリーブスをカカに徹底マークさせる。その采配が的中し、カカには決定的な仕事をさせないまま、バイエルが ボールを支配する時間が続き、得点の予感をさせる攻撃を見せていたが、ミランがギリギリの所でゴールを許さない展開が続いていた。バイエルンの一瞬の守備 の乱れをつき、予想外にミランのセードルフが 27 分に先制ゴールを決める。4 分後には動揺が隠せない守備陣の隙をつき、インザーギが追加点を決める(オフサイド気味ではあったが)。
立ち上がりはいい入り方をし、ゲームを支配しつつあったバイエルンが失点によって、意気消沈してしまったのが印象的な前半であった。バイエルン の監督ヒッツフェルトは、後半から試合の流れを変えるべく選手交代を立て続けに行い、主導権を握ろうと模索する。その結果、ある程度支配する事ができた が、あと一歩の変化が足りない。第 1 戦で救世主となったファン・ブイテンもこの試合では救世主になる事ができず、ミランの守備の守備がバイエルンの攻撃に勝利し、試合が終了した。ミランの方 が試合巧であった。バイエルンは、ここ一番で試合を決る選手がいなかった。

バイエルンとローマ。ともに敗戦したチームだが、試合中の采配で可能性が見える采配をしたのはバイエルンのヒッツフェルトであった。
ローマのスパレッティは、自分が今シーズン作り上げたチームに自信を持ち、1 戦目である程度、勝算があると考えていただろうに、ショックは相当なものだっただろう。相手の監督はマンチェスター U で 20 年も監督をしているファーがソンなのだから、仕方がないといえばそれまでだが、少しの迷いと予定外の失点で完全に我を忘れてしまった感は否めない。経験の ない私には到底わからない感覚だが、経験値と試合の流れを読む勘とでもいうのだろう。ファーがソンの方が圧倒的に勝っており、Home 試合で有利な点もあるが、それ以上に自分のチームのサッカーを忠実に選手達にプレイさせたからこその圧勝である。
スパレッティやローマの選手達は、試合での結果はショックだっただろうが、いい経験もできた。来年の CL では、今シーズンの経験を生かし、更に上位を目指せるチームとなって、再び CL に挑戦してもらいたい。

バイエルンは、昨シーズンまでいたバラックの様な追い込まれた時に、チームを救える選手が必要だろう。チェルシーにはドログバ、ランパード、テ リー、マンチェスターU には、C・ロナウド、ルーニーなど試合を決めれる選手が、ミランなら、マルディーニ、カカ、リバプールならジェラード、キャラガーなどチームの魂となり、 勢いなる選手の存在がある。バイエルンにはカーンがいるが、BEST4 に残るためには、一つでは足りない、勝つためには、もう一つの何かが試合ごとに必要なのだろう。それ程に頂上は高い。

準決勝は、4/24 マンチェスター U VS AC ミラン、4/25 チェルシー VS リバプール。
ビッグイヤーを獲得するのはこの 4 チームにしぼられた。BEST4 の試合はチームの中心選手と監督に注目して見てみたい。

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