ジダンの頭突きと日本代表が背負っていないもの

  • miyashu
    2006年07月11日 22:06 visibility50
ジダンの頭突き退場は、どうやらマテラッツィの差別発言によるものだと各メディアが報じている。
アルジェリア移民2世であるジダンを「テロリスト」呼ばわりしたとか、母や姉に対する侮蔑発言をしたとか、真偽は確定していないが、およそそのような内容には間違いないだろう。

アルジェリアに誇りを持ち、フランス代表として国を背負って戦うジダン。
そこには民族や国の激動の重い歴史がある。
国と国、あるいは民族と民族の複雑な歴史があるからこそ、国に対する誇りや、愛情は深く、想像をこえるものがある。
そういった本当の意味で「国」を背負ったチームは違う。
人種のるつぼである世界のサッカー界も差別発言がたびたび問題となる。
いい意味でも悪い意味でも、サッカー選手は母国や民族を背負わなくてはならない。

さて、日本の場合はどうだろうか。
Jリーグでプレーし、世界と本気で戦うことのない日本代表。
普段の生活の中にも民族や国を意識せざるを得ない場面はほとんどない。
いくら日本代表という名を背負っても、もっているものがまったく違うのだ。
それが日本代表が真の代表となり得ないところではないだろうか。

ジダンがその輝かしいキャリアの最後を、あんなかたちで終わらざるを得なかったことを考えれば、「差別発言」の奥深さは想像に難くない。
そしてそれは同時に、日本代表の背負っていないものをも私たちに教えてくれるのである。  

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