【アウェイゴールの怪】

CLの1stレグが終わったので、速報的ハイライト所感。


ミランは決め手に欠ける展開。
2失点とも、単純なクロスボール、ある種パワープレイの放り込みに、
競り負けてこぼれ球を蹴り込まれる形。
バンビュイテンがツキ男だったのかもしれないけど、
DFにしちゃ、ちょっと迂闊というか、注意力・集中力の不足というか、
「低下」している部分を感じるところ。
攻めも恐らくは、カカしか決め手がないのだろうし。
往年のミランから考えれば「らしさ」が欠如して「低下」しているが、
一方で「らしくない」ピルロのヘディングなどもあり(笑)
あれ、サイドからの長いボールをスルーしたピルロ張本人が、
走り込んでクロスを受けるという、
DFラインもマークもめちゃ崩してた、かなり高度なゴール。
狙ったヘディングループなのかどうか、それも「怪」ですが(笑)


リバプールはリーセ、今季は一部、脱皮してる感アリ。
というのは、シュートが力任せの全力少年だったのが、
けっこういいカンジで力抜けてます。
相手の守備陣形変更も関連するミス、と言われるけど、シュート見事ですって。
ジェラードの、半リフト的ヘディングシュートも決まり、
クラウチのシュートとも合わせ、
サイドを崩せてる、中が対応してる、というのが素晴らしい。


チェルシーはようやく追いついた、という評が多いような。
ブログでは、バレンシアとチェルシーのこの対戦をメインと位置付け、
チームの好調&充実&上り調子具合ではマンUを押し出し、
ローマを穴としているところだけれども、
どちらも試合をコントロールして、勝負どころの意思統一が出来ているチームだけに、
2戦目も競るだろうし、戦術的に一番楽しめる試合だろう。


ローマは勝ちきったことを評価するか、3点目を奪えなかったことを問題視するか。
トッティはキレているし(ルーニーを弾き飛ばすなんざ、ダテじゃない)、
ローマ的流行のワントップ戦法、しかもそれがトッティかよっ!の戦いが、
非常に有効に機能している。
昨日の放送は録画しているのでまた見てから追ってレポートしますが、
イタリア的には、
3点目を奪う姿勢に欠如する悪癖カテナチオ意識ははびこる部分あるので、
結果的に痛い目に遭わなければいいけど、というカンジか。
ペロッタとスコールズの出場停止、どちらが重いか、痛いか、もある。
Cロナのドリブルからルーニーの得点までは、これ見事でしたよね。
やっぱこの2人、今大会で一気のスターダム、
バロンドールまで辿り着いても不思議じゃない。


で、標題はアウェイゴールの怪、となっとります。
数字の魔術、というかトリック、というか俄か「アウェイゴールファン」(笑)
これについて、ブログで取り上げました。
『Road to PK BAR(仮名)』
http://wearecrazy.exblog.jp/
しっかり1試合通して見ていないので、何とも、レポート出来ない部分もあり、
単純にスコアに特化して、2戦目を展望、そしてアウェイゴールの意味を探る企画。


アウェイゴールって、計算が2倍になるから2倍劇的な展開が生まれる、
ことが面白味とか興奮や感動じゃないワケで。
(勿論、そういう劇的なゲームに巡り会える要素ではあるけど)


アウェイゴールって、基本的には、
90分×2試合の180分のどこかで(あるいはエキストラタイム含めて)、
トータルスコアがイーブンになった時だけ、作用するもの。
だから、劇的な試合展開を演出するものではなく、
アウェイであってもゴールを決めていればそういう展開にも成り得るよと、
だから守らずゴールを奪った方が有利になる場面が訪れるかもよと、
そういう「示唆」を施すもの。


スコア云々じゃなく、
1−0だろうが、4−3だろうが、勝った方が有利、
その基本は変わらない。


そこを、「最近巷で流行の」みたいなアウェイゴールという単語で、
錯覚したり幻想を抱かせたり拡大解釈するのは、やや危険(笑)。

杉山茂樹氏は、イタリアサッカーは守備的でつまらない、
という論調を頻繁に使うけれど、
ファウルが多くて試合を切ってしまうという意味なら僕も同感だし、
欧州のカップ戦でイタリア勢同士が対戦すると引き過ぎる傾向に互いが陥るのも事実だけれど、
カウンターに鋭さがある、リアクション戦略に長けているのであれば、
2試合とも1−0で勝利することは、
あるいは1−0先勝で2戦目0−0守りきり切ることは、
それ自体は、全く批判されるものではない。


どんな対戦だって、基本的には、
ポゼッションとリアクションの局面で試合が構成されるのだし、
すなわちそれは、攻守の切り替えの速さ・統一性であり、
高い位置でボールを奪うプレッシングに繋がるワケだから。


そういった流れの中で、
アウェイゴールは心理的に優位に立てるという側面があるからこそ、
時に劇的な展開を生み、ドラマチックな結末を僕らに届けてくれる、
そういうものである。

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