祝!復帰(仮) 〜負けるなサッカー馬鹿〜 前編

  • ドゥイ
    2006年04月28日 00:39 visibility156
4月23日。練習試合の日。サッカー狂症候群が再発してきた今日この頃。「サッカーやりたいYO」。球状のものが全て5号級に見えてきます(嘘)。

  

脱臼した肩関節の調子はかなり良くなってきた。けれど、無理に復帰して怪我をすれば、また家族や会社に迷惑を掛けてしまう。今のところ温かい目で見守ってくれているみんなも、二度目は許してくれないだろう。

  

とりあえず、“奥さん”に探りを入れる。「今日はVAAMを2個持って・・・」。「まさかサッカーする気じゃないよね?本気なの?」。0.2秒。プレスちょっパヤ。「いや、お医者さんも、接触しなければいいって言ってたし・・・」。“キャプテン”苦しい立ち上がり。「別にいいけど、怪我したらわかってるよね」。意味深な発言に放心。「わかってるよ」。ってわかっちゃいませんが、人間聞かないほうがいいこともありますからっっ! 

  

VAAM(2個)を固く握りしめ、家を出る“キャプテン”。駅に向かって歩く途中、“セガワールド”さんからメール。「“いわも”さんがドタキャンになって10人しかいないんだけど、出られないよね?」。追い詰められた“キャプテン”。「どうする?俺」。頭の中でオダギリジョーがつぶやいた。

 

 都内の某中学校に到着。相手は、杉並区1部リーグの強豪。10人じゃ厳しい。その前に、練習試合を申し込んでおいて人数揃いませんでしたってのは、義理を欠く。「武士道とはなんぞや」。頭の中で藤岡弘が熱く語った。

 

 「俺、出るよ。おまえらだけじゃ不安だし」。“キャプテン”決意表明。いつもなら、「いいですけど、足引っ張らないでくださいよー」「また怪我して迷惑かけないでくださいね」など、軽いノリで返すチームメイトが、「やめておいたほうがいいんじゃない?」「相手は本気だし、ヤバいよ」「10人でもやれますから見学しててください」と心配そうに、そして子どもを諭すように話しかけてくる。

  

けれど、“キャプテン”は自信があった。先週の河川敷での激闘を制し、フィジカルも上向いている。どのように動けば、相手と接触をしないいでボールを奪えるかも体が知っている。「無理はしないから、大丈夫」。ユニフォームに着替え、レガースをつける。2ヶ月半ぶりのサッカー。よろこびだけが湧き上がる。  

  

「よし、やるぜ!」。気合を入れて、グラウンドに向かう。と、携帯が鳴り、ディスプレイが怪しく光る。“奥さん”からメール着信。「今度何かあったらサッカー禁止だから」。サッカー馬鹿撲滅キャンペーン実施中。ジ〜ンと胸に響く言葉。沈黙の春。ふいに熱いものが込み上げ、目頭を押さえる。「一人にさせてください」。

 

監督の“セガワールド”さんにメールを見せると、「絶対(試合に出るのは)無理だね」とさわやかな笑顔。「DA・YO・NE」。頭の中でEAST END×YURIがハモった。どうする?“キャプテン”。

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