戦術と練習

4対2のグリッド付きで鳥かごをします。
ルールはDF側がボールをカットする、もしくは外に出したら、攻撃側の最後に奪われた人と交代です。

よくある鳥かごなんだけれど自分はこれを好まない。
鳥かごを嫌う理由と同じで4対3のディフェンスとオフェンスに分けたミニゲームも好まない。
好まないというのだから、それの善し悪しの問題以上に主観が混じった上での考えと思って聞いて頂きたいと思う。


もちろん練習だからやった方が良いように思うけれど、この手のものには戦術的な負荷が低いものが多い。

例えば鳥かごなら
・ボールを上手にコントロールする技術が身に付く
・短時間でどう処理するかの判断の速さが養える
・パスを読む力がつく

確かにこれらのものはサッカーで重要な能力だと思う。
ただ、そう早まらず待って欲しい。
まず実のところサッカーでは守備が数的不利な状況下でしかも真ん中に閉じ込めるような布陣が継続されると言う事はありえない。

やや皮肉めいて極端に言うなら。
『攻撃は4人で守備は2人。ボールポゼッションの時間が高いチームが勝ちで、奪われたら仕切り直して攻守が交代する。』というルールのスポーツの能力が養われる。
それはサッカーからかけ離れ過ぎてるんじゃないかって話。

もっと言うなら、この単純な鳥かごは攻撃と守備を切り離し過ぎていて、そのどちらのケアもする必要がない。
つまり鳥かごは攻撃をしている時に奪われても奪い返さない練習、守備をしているときに奪ったら攻撃にいかなくても良いという練習をしているとも言える。
脳はそれに慣れていく。

コーナーキックの練習で守備と攻撃を固定して何度も蹴り続けていたら、奪われたときに守りに切り替える必要はない。
それは取られるリスクを考えない練習になる。
脳はそれに慣れていく。

サッカーの状況をある程度想定してそれを細かく分けた状況を作り出して行う練習というのは良いけれど、細かく分け過ぎるとまた違ったものができてしまう。

攻守は常に一体。
名監督がよくやるのは攻撃が悪い時は守備を練習し、守備が悪かった時は攻撃を練習する。

練習において戦術的な負荷をもっと背負うべきだと思ってきた。

戦術というのはサッカーの要素として日本では考えられていて、子供の時はあまりこれを教わって来ない。
それよりもボールの蹴り方が早急な課題とされてきた。
難しい事はもっと賢くなってから覚えれば良いとされてきた。

スペインでは戦い方が先にあるらしい。
サッカーの要素としてあるのではなく、基盤として存在している。

日本の子供がとても上手にボールを蹴れるようになって、第一外国語を学ぶ時期に戦術に触れた。
その頃、スペインの子供達は母国語の様に戦術を巧みに扱えるようになっていて、その中で使うべきボールコントロールの技術を養って来た。
この差は結構おおきいと思う。


戦い方をしっかり想定して練習すること。
それは鳥かごに少し味付けして奪ったら終わりにしないとするだけでも良いと思う。
シュート練習をただ撃つだけではなく、どういう形で貰ってどういう形で終わらせるかを考えると良いと思う。
リフティングをする時にボールから目を離すようにすれば良いと思う。


監督が残念ながらもしこういう考えを持っていなければ、自分でも色々考える事は必要だと思う。
自分でも戦術的な負荷をいつも考えて行こう。

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