前向きに考えたいリバプールの買収

  • taki
    2010年10月07日 20:31 visibility116

報道によると、サッカー・イングランドのプレミアリーグに所属する名門チームのリバプールが、買収されることになったようですね。買収先は、アメリカのメ
ジャーリーグの名門チームであるボストンレッドソックスを所有する、ニュー・イングランド・スポーツ・ベンチャーズだそうです。



またもやアメリカにイングランドのクラブが買われてしまった。と悲観的になる人もきっと多いでしょう。



ただ、この買収に関しては、そこまでマイナスに考える必要のない買収かなとも、自分は思っています。楽観的な発言は禁物かもしれませんが、場合によってはプラスになる可能性もあるかもしれません。



というのも、今回リバプールを買収した会社が所有するボストンレッドソックスというチームは、贅沢な資金をもとにチームを運営しているため、人気も実力も
あるチームですが、注目したいのは、レッドソックスのホームスタジアムであるフェンウェイパークが、アメリカで一番古いスタジアムである一方、収容人員が
少ないとはいえ、連日満員状態が続くほどにぎわっているという事実です。



以前から熱狂的なファンに支えられている人気チームとはいえ、3万人のスタジアムを、ほぼ毎日満員にしているという事実はすごいことだと思うし、やはり忘れてはいけないのは、ほぼ毎日に満員にするための努力を怠らずに行っているということです。



アメリカでは、新しいスタジアムがどんどん作られていますが、フェンウェイパークは1912年から使われている古いスタジアムです。しかしながら、そこを
うまく使った演出、例えばこの球場の名物として知られている外野フェンスの「グリーンモンスター」というところがありますが、そこに観客席を設けるという
試みをしています。



高さ11メートルの外野フェンスから見るわけですから、決してみやすい席ではないでしょう。現地に行ったことはありませんが、おそらく外野手の姿はみえないのではないでしょうか?

そんな、野球がみにくい席であるにもかかわらず、レッドソックスのホームページをみてみると、チケット代は100ドルをこえるところもあるようです。試合
をみることだけでなく、グリーンモンスターという長年からスタジアムに聳え立つ伝統を感じながら試合をみることに価値を見出しているのではないでしょう
か?



スタジアムでのファンサービスも熱心で、試合前に子供達を練習場のグラウンドに招き、決められたエリア内限定ですが、グラウンドに飛んできた球を取れるサービスなんてのもあったと自分は記憶しています。



スタジアムでの演出だけでなく、ファンからのお問い合わせのメールにできる限り返信が送れるように、問い合わせ担当の数を大幅に増やしてきたなんていう話も聞いたことがあります。



他にも色々な工夫をしていますが、彼らが行っていた努力をリバプールで行えば、リバプールが更に良いチームになっていく可能性は大いにあるのではないでしょうか?

人気という面を考えると、リバプールは今でもほとんどの試合が満員になっておりますが、アメリカスポーツチームが行っているファンサービスなどをイングランドに取り入れていけば、今以上に人気を獲得するような気がします。



あと、ここからは自分の願望も入ってしまいますが、リバプールのスタジアムであるアンフィールドを、彼らなら新スタジアムではなく、今のアンフィールドのまま、素晴らしいスタジアムに改修するノウハウを持っているのではないか?という期待です。



アンフィールドといえば、選手とファンの距離も近く、過去の数多くの歴史を積み重ねてきたスタジアムであり、リバプールファンにとって忘れられないであろ
うヒルズボロの祈念碑などもあり、なんといってもゴール裏に聳え立つ巨大な一層式スタンドである「コップスタンド」を忘れてはいけません。



この巨大スタンドであるコップスタンドは、(フェンスと観客席を比べるのもおかしいかもしれませんが、)フェンウェイパークの「グリーンモンスター」に勝
るとも劣らないスタジアムの名物であり、多くのリバプールファンにとっては、掛け替えのない場所として捉えている人も多いのではないでしょうか?



そういった伝統的なスタジアムであるにもかかわらず、マンチェスターユナイテッドの本拠地であるオールドトラフォードと違い、スタジアムの周りが住宅地に
隣接しているため改修が難しいと判断し、ハイバリーを壊して新スタジアムを作ったアーセナルと同様に、リバプールも新スタジアムをアンフィールドの隣の広
場に建てるというプランが出ては消えています。

(過去にはエバートンのスタジアムと共同でスタジアムをつくるなんて話もあったようですね。

互いのファンが反対して実現しなかったようですが・・・)



新スタジアムも魅力ですが、長年の歴史が積み重なったアンフィールドを残して欲しい。

そう思っているファンは決して少なくはないでしょう。

ただ、マンUやアーセナルが巨大なスタジアムで資金が豊富になっている現状を、ただ指をくわえてみているだけでは、いずれビッグクラブとしてのブランドが失われてしまうかもという不安も、なくはないと思います。



そこで、やはり注目したいのは、今回リバプールを買収した会社は、古いスタジアムであるフェンウェイパークをうまく利用し、今でもレッドソックスを人気、実力をともに備えたチームにしているという実績です。



彼らなら、アンフィールドを巧みに改修し、クラブの収入も増やしながらクラブの伝統を守ってくれるのではないか?淡い期待かもしれませんが、決して不可能な話ではないと思います。



結論としては、アンフィールドを残してくれ!ということになるのですが、もともとはエバートンのスタジアムだったという逸話や、ボブ・ペイズリーやビル・
シャンクリーらといった名将が率いたチームや、イアンラッシュ、スティーブン・ジェラードといった素晴らしい選手らが駆け巡ったピッチと、長年ファンに愛
され歌われてきた「You'll never walk
alone」をこれからも同じ場所で歌われる日を続かせるためにも、今回の買収はリバプールをポジティブな道へ率いてくれると信じ、これからのリバプール
を見て行きたいと思います!

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