マニア様がみてる~春季高校兵庫大会
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仲本
2016年05月01日 08:43 visibility633
ごきげんよう。加古川東篇のつづきです。
先攻は東洋大姫路。1番打者のセンター正面をついたライナーが頭上を越えて、これが三塁打になった。風で雲がどんどん流れてきており、グラウンドは明るくなったり日陰になったり目まぐるしく変わっていた。しかし、投手としては捕ってほしかったところだ。一死を取った後、3番打者の時に変化球が高めに外れ、捕手が後逸。三塁走者が生還する。まだ制球が落ち着かないうちに1点を失った。
1回の裏、加古川東は1番打者がセンター前ヒット。
2番打者はバントの構えなし。結局三振に倒れる。3番打者の時に盗塁で二塁に走者を進めるが、後続なく無得点。2回も一死からエラーで走者を出すが、ここもバントなし。どうやら加古川東は序盤から送りバントはしてこない様子。
(東洋の先発は背番号11の右腕・山内投手)
前半5回を終わって1-0。ロースコアの戦いは加古川東としても悪くないが、東洋が焦っているようでもない。数えてみるとここまで加古川東は15個のアウトのうち三振が11、外野フライが4。四死球も0と抑え込まれており、なんならこのまま1-0で勝ってみせましょうか、と言わんばかりだ。
6回の頭から加古川東はマウンドに背番号10の正中(しょうなか)投手を送る。投手の大村はセンターへ。ここまで被安打3、与四球1のエースをえらくあっさり下げたものだが、二枚看板と聞いていたので予定通りだったのだろう。
4番、5番と退けて二死走者なし。しかし6番・大橋に高めに浮いた甘い球を強振され、レフトポール際へのソロホームラン。もったいない失点だった。
反撃に転じたい6回裏、加古川東はヒットの走者を一塁に置いて、センターに回った4番・大村。ファーストストライクから打って出る。
ジャストミートした打球はいい角度で上がってそのままレフト芝生席へ飛び込んだ。大黒柱の背番号1が、一発で試合を振り出しに戻した。
東洋は7回頭から背番号10・西田投手にスイッチ。長身から投げ下ろす右腕で火消しに回る。
8回表の東洋。先頭打者四球で無死一塁。4番・井奥はフルカウントから3球ファウルで粘ってレフト前ヒット。これだけ球を見られてシングルなら御の字だが、それでも無死一、二塁だ。次打者は初球からしっかりバントの構え。しかし球は投手正面に転がり、1-5-3の併殺となる。東洋は結局この回無得点に終わった。
(「東洋姫」。甲子園ではチーム名が4文字まで表示されるようになって見られなくなった)
8回裏、加古川東は四球で出た走者が二盗、三盗を敢行。このとき捕手の三塁送球が打者のバットに当たった。打席にいたのは投手の正中だった。衝撃で腕が少ししびれたらしく、一度ベンチに下がって治療を受ける。再び打席に立つも、あえなく空振り三振。外野に下げたエースを再びマウンドに戻すこともできるが…、
9回表、正中投手は続投。時折マウンドで吠えながら三者凡退に切って取り、反撃を待つ。
9回裏。強襲安打と死球で無死一、二塁とした加古川東はこの試合初めての送りバント。これが決まって一死二、三塁。
東洋大姫路は満塁策をとった上で前進守備を敷いた。
2番・渡邊はフルカウントまで粘るが、運命の1球は外角低めに決まり、見逃しの三振。
3番・三宅は三塁ゴロ。三塁手は一度前にこぼすが拾いなおし、三塁フォースアウトをとった。試合は延長戦に入る。
11回の東洋。一死一塁から捕手前バントが内野安打になって一、二塁。さらに次打者は二塁ベース寄りへ高いバウンドのゴロ。遊撃手回り込んでとるが、二塁ベースタッチできずにオールセーフ。打ち取った当たりが二つセーフとなって球運は東洋に傾いた。
一死満塁、1ボールからの二球目がショートバウンドし、捕手が大きく右へはじく間に三塁走者がホームイン。さらにヒットで1点を追加した。
東洋姫 100 001 000 02/4
加古東 000 002 000 00/2
(延長11回。タイブレーク適用なし)
東洋大姫路の2人の投手が奪った三振は実に21個。加古川東打線は直球を振らされた三振が目立った。ノーバントで足を使った攻撃を志向しているようにも見えるが、それならもう少し粘り強さやしつこさがほしいところ。
一方、伝統校の意地を見せた東洋大姫路だが、終わってみれば「ミスをしたほうが負け」という展開になった。これは実力が拮抗しているチームの対戦で言われること。往年の名門もここでこういうゲームをしているようでは…と寂しく思うオールドファンもいるだろう。
ともあれ、思った以上に競った好ゲームになった。そして、戦いぶりを見ているマニアはどこかにちゃんといるものだ(苦笑)。
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