北海道放浪記〜おまけ・野球事始め異説
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仲本
2014年08月13日 00:29 visibility422
日本野球事始め、といえば、東京・学士会館の傍らにあるボールを握ったオブジェを思い浮かべる人もいるだろう。
1872(明治5)年、教師ホーレス・ウィルソンが第一大学区第一番中学で学生たちに野球の手ほどきをした。これが日本における野球の発祥である、というわけだ。ちなみに、第一大学区第一番中学はその後変遷を経て現在の東京大学へとつながるという(「なぜ中学が大学になるの」とかそういう難しいことは聞かないように)。
これには異説もある。
1873(明治6)年、東京芝の増上寺にあった開拓使仮学校で、教師アルバート・ベイツが生徒たちに野球を教え、二チームに分けて毎日放課後に対戦させた、という記録があるという。ウィルソンのほうはノックやキャッチボール、バッティングだけ、試合をしたのはこっちが先だ、というわけ。
もちろん埋もれていたり残されていない事実があるかもしれず、本当のところは誰にもわからない。
開拓使仮学校は設立の目的を果たすため、1875(明治8)年に移転する。移転先は北海道・札幌。その系譜は現在の北海道大学に受け継がれている。
札幌一日目の宿泊は翌日の旭川移動を考えて札幌駅近くに探した。駅の北側だったので北海道大学にも近かった。
街の中心駅から歩いてものの10分のところにこんなだだっ広いキャンパスを持っているとはさすが北海道。土地はなんぼでもある時代にいち早く農学校を作っておいたおかげだ。
北大野球部は1901年に創部、所属するリーグ(一部)においては優勝4回。最近では2010年春に優勝して全日本大学野球選手権に出場した。2勝を挙げて、難関大学の快進撃として話題になった。
…と、むりやり野球ネタをからめてはいるが、旭川へと向かう朝の列車に乗る前に、少しだけ立ち寄った大学構内の写真を載せてみたかっただけである。
あまり観光らしいことはしなかった旅だが、思わぬところで見つけた、美しい夏の朝だった。
これで長かった北海道篇はひとまず終了。最後に今回の旅の参考にした本をあげておく。
☆スタルヒン関係
牛島秀彦『巨人軍を憎んだ男―V・スタルヒンと日本野球』福武文庫/1991
N・スタルヒン『ロシアから来たエース―巨人軍300勝投手の栄光と苦悩』PHP文庫/1991
☆北海道球史
白野 仁『北の野球物語』北海道新聞社/2007
(これらをもとに各種ホームページをいろいろと参照)
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