
高崎vsホンダロック@群馬
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稲葉孝大
2011年05月05日 20:35 visibility44
公式記録など確認できていないので不確定要素あります。また、修正・間違いなどご意見ありましたらよろしくお願いいたします。
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高崎前半
昨年までは4-4-2で守備を固めて戦ってきたが、今季のフォーメーションは4-3-3。就任して2年で守備は大崩れすることはなくなり計算できるとあって、より攻撃的にシフトしていくということだろうか。尚、守備の際には両ウイングが中盤に下がって4-2-3-1の形に。メンバーは前々節の栃木戦と変更なく、新加入選手4名がスタートに名を連ねた。
土井
松尾 小林定
山藤
小島 益子
山田 小林亮 増田 布施
岩舘
開始直後はお互い様子を見ているようで中盤の潰し合いが続いていたが、前節試合がなく休養十分の高崎が前線からプレスをかけることで、相手が自陣エリアに張り付いて前に出てこられなくなる。
すると12分に最初の決定機が訪れる。左サイドを飛び出した松尾が相手DFの間へパスを通すと土井がGKと1対1になるが、シュートはクロスバーの上を越えていく。いきなり先制とはならなかったが、チャンスメイクした松尾の姿勢が後に先制点をもたらす。
右サイド高い位置で相手からボールを奪った松尾が、中央へ強引に突破したところを阻まれPKを得る。これを自ら決めて30分に先制。高崎には足りないゴールへの積極的な姿勢が見られた動きがゴールを生んだ。
さらに追加点を狙いたいのだが得点力不足は解消されておらず、この後に追加点を奪えない。直後の32分に布施のフィードから土井がまたも1対1になるが、シュートを打てずにクリアされるだけでなく、33分には小林定、土井と2人に決定機が生まれるがパスを選択してしまうなど、ゴールへの消極的なプレーが垣間見えてしまう。
自分たちで決められる決定機を逃していれば、試合の流れは傾いてしまうもの。39分には左サイドで一瞬の隙を突かれ、中央でフリーとなっていた首藤に豪快に決められ試合はすぐに振り出しになってしまった。
試合の主導権は握っても決定機を決め切れない高崎、正直後半はお互い膠着状態が続くものだと思っていた。
ホンダロック前半
前節の讃岐戦で連勝を果たしたものの、DFの上田が退場となり出場停止。その影響もあってかメンバーを変更してきた。上田に変わった白川と右ハーフの竹井は今季初スタメン。前節負傷退場した(と推測される。42分に交代は普通ならない)山下に代わり猿渡が中盤の底に、左サイドバックには前節右のハーフだった悦田が入った(文で書くより図示した方が早い)。
釘崎 首藤
屋宮 竹井
諏訪園 猿渡
悦田 白川 黄 小原
石井
「シンプルにいこう」と試合直前の円陣では声を掛け合っていたが、言葉通りだったと言える。守備を固めて素早く縦につないで相手を崩すのが理想だったのだろうが、プレーとして見られたのは・・・。
結果から言えばスコアは1vs1だが、おそらくシュートは1本か2本(公式記録を見ていないので詳細は不明)。序盤は中盤の潰し合いだったが運動量で勝る相手にじわじわと押し込まれたことで、自陣に引き籠る時間が長くなり、DFがボールを奪っても前線へ大きく蹴り出してしまうことが多くなった。セーフティーファーストではあるが、ボールが前に行っても人が自陣から飛び出していかなければ、当然パスはつながらず攻撃にリズムも生まれない。
「自分たちから、自分たちから」とDF陣がチームを何度も鼓舞し、守備を固めていただけあって、先制されても追加点を許さなかったのは評価できるが(相手のミスにも助けられた)、あまりにも攻撃が寂しく決め手を欠いた。
それでも、39分に前半唯一の決定機を得点に結びつけたのは勝負強さとも呼べる。右サイドでボールを奪った猿渡がすかさず釘﨑にパスを出すと、釘崎がライン際ギリギリでこのボールを折り返し、フリーで待っていた首藤がボレーシュートを豪快に決めた。決定機を確実に決めることは勝負に勝つことのセオリー。
唯一の決定機を決めたホンダロックだが、もう1点奪う力があるかは疑問符がついた。
高崎後半
システム、選手交代はともになし。
昨年も何度も見た光景、それは高崎には集中力を欠いて足が止まってしまう時間帯が必ずあるということ。そのスキを相手は決して見逃さない。46分の失点もそんなプレーだった。まだ選手たちのエンジンが掛かりきっていない中で、セットプレーから決められてしまう。幸いだったのは早い時間帯だったことで、返って気持ちの切り替えができたのか、焦った様子はなかったこと。後半に訪れるであろう決定機を決めればいいだけだが、やはり前半に追加点を奪えなかったのは痛い。
ショートパス主体だった前半から、後半はリードを許したこともあり190cmの長身を誇る土井を生かしたロングパス主体に変わった。また縦への動きも見え始め、バイタルエリアへの侵入も増えたのだが、前掛かりになってしまい間延びした中盤ではセカンドボールが拾えない。前半は大人しく試合を静観していた後藤監督からも「サイド!」などと指示が飛ぶ。4-3-3だと中盤のサイドがどうしても空いてしまうし、前掛かりになっていたため実際に狙われていたからケアするよう指示していたのだろう。
お互い決め手を欠き時間だけが過ぎていったが、72分に高崎がゴールネットを揺らす。
左サイドを突破した山田がPA付近で待っていた石沢にパスを出すと、相手DFが石沢につられ、空いたスペースに待っていた小島がゴール右隅に決めた。
試合の流れが一変したのが88分の土井の退場。プレスに行った際に相手DFを白川?を倒してしまい2度目の警告を受けてしまった。ただ、土井は前線で体を張ってタメを作るなど数字には表れない貢献度の高いプレーをしていただけに、この退場も気持ちが強く出過ぎてしまったか。とにかく残り時間僅かで攻撃の柱を欠いた状態では勝ち点3を狙いには行けず、勝ち点1を死守することになる。勝ち点の大事さを知るだけに、絶対に勝ち点を失いたくない。相手のロングボールの猛攻に晒されるが、増田・小林亮の両DFがことごとく跳ね返し、最後まで逆転を許さなかった。
高崎の課題はやはり攻撃になるはず。昨年から言われてきた問題だが、今年は前線に期待できる新加入選手もいる。あとはやはり精度の問題しかない。この試合のように毎試合何度も決定機があるわけではないわけで、決定機は限られてくるから、その意味合いも試合ごとに変わってくる。この日のホンダロックのように、数少ない決定機を生かして勝ち点を積み上げていかなければいけない。いい試合は多いけれど、勝ち点を奪えなければ何の意味も無くなってしまうのだから。
ホンダロック後半
システムは変わらず4-4-2。左サイドに屋宮→下木屋が入った。
決定機を確実に決めれば強い。後半開始直後の46分に早くも試合に変化が。ハーフタイムに選手交代で入った下木屋が左サイドを突破していきなりCKを得ると、首藤が蹴った左CKは緩やかな弧を描き、PA中央で待つ黄の頭に。絶好のボールを黄が相手DFに頭1つ競り勝ち逆転弾を叩きこんだ。後半45分間を通じて勝ち越せれば良かったであろう試合展開だったはずが、まさか後半開始1分(厳密に言うと1分も経ってない)で勝ち越すとは誰が予想できたか。大きな意味のある得点はホンダロックが奪った。こんな光景を見せつければ、SAGAWA SHIGAや讃岐に勝ったことも頷ける。因みに黄は誕生日であり、バースデーゴールとなった。
この後も選手の動き出しが良くなり、前半の戦いが嘘みたいに後半は互角の戦いを演じる。守り切るかと思いきや、相手が得点を奪おうと前掛かりになったため、前に飛び出してくるようになった。相手に高さで劣るだけに空中戦では勝てないが、跳ね返りを確実に拾ったため、ロングボールも有効に機能していた。ただ、シュートまでもっていけない。
63分にはGKから首藤が相手DFを交わして3点目を狙うが、クロスバーに嫌われる。2点目の後の決定機はこのシーンのみ。
相手に退場者が出てからさらに猛攻を仕掛けたが、3点目は奪えなかった。それでも数少ない決定機をモノにして、アウェイで勝ち点1をもぎ取ったのだから負けなくて良かったともいえる。リードしていながらも72分に同点に追いつかれてしまい、守り切れなかったとも見方もできるが、前半はピンチも多く、相手が確実に決定機を決めてきたなら前半で試合が終わっていたかもしれない。
とは言え、これで3試合終わって単独首位。負けないことは長いリーグ戦では絶対に大事なこと。この日見せた粘り強いがシーズンを通してできれば、まだまだ上位戦線で戦えそうだ。
代表戦や海外、J1などを見ている方もJFLの試合も機会があれば是非ご覧になってもらいたいです。立場は違っても試合への意気込みは変わらないので。
最後まで駄文にお付き合い頂きありがとうございました。
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